見出し画像

地域に娯楽を。レンタル店の三陸支援 "あの時といま" ―東日本大震災から10年

NPO法人ミュージックソムリエ協会は、2009年からCDショップ大賞を運営しています。東日本大震災から10年、CDショップ大賞では特別企画として当時、東北で音楽活動や支援をした3名の方にお話を伺いました。

日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合(CDVJ)専務理事の若松修さんは、東日本大震災発生時、会合に出席するため仙台市郊外にいらっしゃいました。どうにか東京に戻った後、自分の車で福島、宮城、岩手の被災店舗を全て視察し、被災地の方々へ音楽や本などの娯楽を提供する機会を作ってきました。

今年、震災から10年。
当時の様子や、10年間の取り組みについて伺いました。

■インタビューから
甚大な被害に遭った陸前高田市では、残念ながら犠牲になったスタッフの方もいらっしゃいました。
避難所となった市内の中学校で、DVDやコミック、そして再生機器の貸出を行いました。この場所が三陸地方を支援する拠点となりました。

"ゲオ陸前高田店は、2ヶ月後には隣町で大船渡に再オープンしました。その時に私も駆けつけましたが、店内はお客様でごったかえしている状態で、被災から少し時間をおいて、人々が音楽や映画を楽しむ余裕が出てきたのかな、という風にも感じましたし、何よりも店員の人たちが、お客様に非常に感謝されたと。よく開けてくれたと。”

”お客様に感謝の言葉をかけられたというのが、自身が被災されている店舗スタッフにとってはかけがえのないことであり、大きなモチベーションとなったと、店を再開したお店から言われました。”

"2014年から今日に至るまで、毎年、3.11映画祭という形で、各地のレンタル店が中心となってレンタル店の会員に呼びかけ、近隣の映画館や公民館で上映会をしてきました。今年も原発と官邸の動きをテーマとしてた『太陽の蓋』を上映する予定です"

”3.11をテーマにした映画は非常に多岐にわたっており、津波や地震、災害に軸足をおいたもの、その中で街を失ってしまった人々の気持ちの持ちよう、家族のあり方、いろんな側面からのいろんなテーマの映画がたくさん生まれました。そういう意味では3.11ということをテーマにした映画作品をまだまだ紹介しきれていない分もありますし、映画祭をやっていく意味もそういうところにあるのかなと思っています。”

”いろんなお店が店頭で支援活動に携わってきました。それぞれのお店がいろんな企画でほとんどのお店が震災を支援しようという思いでやってきました。”

若松さんのお話を伺っていると、娯楽の必要性も感じることができました。また店舗再開の時には、多くの方が駆けつけてきたことからも、エンタテイメントが出来ることは、たくさんあるのだと思いました。

■CDショップ大賞について。
CDショップ大賞は、全国のCDショップ店員の目利き耳利きの投票によって「真に売りたい!聴かせたい作品」を選ぶ賞として、大賞の他に、第2回から全国各地域11ブロックから推薦アーティストを選出する地域ブロック賞も発表しています。

*動画インタビュアー:石井由紀子


*協力:吉田エンターテイメント

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?