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近づきすぎると見えなくなるもの。
文字、絵、地図、景色、人の心。
もとより、心などというものは目に見えることはないけれど。

遠くても近くに感じうるもの。
空、太陽、信じる存在、雲のうえにいるであろう大切なひと。


私はどうも、お涙頂戴的なものが苦手だ。
弱さの主張はうそくさい。
弱さを秘めたたくましさの放つ光は、とてもとても美しい。

矛盾したふたつが好きだ。
冷たくて温かい、とか、鋭くて柔らかい、とか、矛盾のなかに厳しさをも越えた広がりを見る。

甘い言葉ほど、心は伴わない。
そのような味のない残酷さは若き日の失恋のよう。
心にうそのないひとは、言葉を決して乱用しない。

言葉が言葉の意味を超えゆくとき、響きが静かに着地する。
形容しがたいニュアンスが、見えることのない心に到達する。
鎮まった柔らかな時間の訪れを愛するとき、ひとはようやく優しくなれる。

自分の存在を卑下した「孤独」と「ごめんなさい」は、やめたほうが良い。
それを聞くたびに密かに心を引き裂かれるひとがいることを知ってほしい。
そのひとこそ、そんな自分を静かに愛するひとなのだから。

孤独の隣に神がいる-こう言ったひとがいる。
私はこの言葉を心で繰り返すたびに満たされる。
そのときにはもう、私たちは孤独じゃない。


クラシック音楽を届け、伝え続けていくことが夢です。これまで頂いたものは人道支援寄付金(ADRA、UNICEF、日本赤十字社)に充てさせて頂きました。今後とも宜しくお願いします。 深貝理紗子 https://risakofukagai-official.jimdofree.com/