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夏休みと宿題

今年も夏が来た。
特に、暑い、暑い夏だ。
うちの子供たちは大きくなってしまったのでそれぞれ好き勝手にやってるけれど、小さなお子さんのいるご家庭は大変だろうなと、昔を思い出してみる。

もっとも、昔と言ってもわたしにはつい最近のことのように思われるのだけど、子供たちから見たらそうでもないらしい。

我が家の夏休みは『キャンプ』と『理科の自由研究』がどーんと中心にあって、そのためにも学校で出たテキストやプリントの宿題は7月中にやっておく、が約束だった。
子供たちも『キャンプ』と『自由研究』が楽しみなので、普段は全然勉強しないのに、7月中はきちんと勉強していた。
今思うと不思議。

キャンプはいつも富士山周辺のリゾートグループ経営のキャンプ場のどれかで、観光は河口湖と山中湖、富士山五合目、御殿場アウトレットなどなど。

キャンプ場は、夫がスーパーインドアなので汚いところはNOと言われ、ネットを駆使してとにかくキレイで便利なところを見つけた。
お陰で子供が小さい時でも困ったことはなく、子供たちの中でも本当にいい思い出に残ってるようだ。

キャンプと言ってもロッジなので、備え付けのキャンピングコンロで炭を起こしてBBQしたり(炭は片付けてくれてとてもうれしい)、アウトドア用のガスコンロを借りてカレーを作ったり。わたしはアウトドア好きなので、ご飯もお鍋で炊飯。汁物はインスタント。

キャンプ場のちょっと大きいお風呂に入って、毎年空はけむっていて星は見えず、ボードゲームをちょっとやって、あとはスマホ(笑)。のんびりする。

あと、実はうどんが名物なので、毎年違う店に食べに行った。普通のおうちみたいなところがお店だったり、町の地元の人しか来ないようなところに行ってちょっと場違い感あったり、それはそれで楽しかった。

河口湖は、行くとラベンダーの季節がちょうど終わっていて、目的はドライフラワーを使ったワークショップと、パン屋『レイクベイク』。

『レイクベイク』のナッツ・オ・ショコラというU字型のパンがとても美味しくて、言葉で表すのは難しい。あえて言うと、通販でつい買っちゃうレベル(笑)。行かなかった年に数千円分、通販で購入。それくらい美味しい。

初日にパンを買っておいて、翌朝、コンロで焼いて食べるんだけど、キャンプ場のテーブルで食べるパンとコーヒー(子供は紅茶やココア)は本当に美味しい。朝の空気で目も覚める。

ここのパンは本当にオススメ。
天然酵母のパンなど素朴な感じのパンが好きな人なら絶対オススメ。
日本のふわふわしたパンとは違うので。
先日、久しぶりにサイトを見てたんだけど、欲しいパンが多くてまた後でじっくり選ぶことにした。

上の子も就職したり、なかなかキャンプには行けなくなって今年は代わりにパンを買おうと思ってる次第。

さて、キャンプの話はここまでで、あとは自由研究。
そんなもの、自分の時にも正直、真面目にやったことなくて、父や母が尽力してなにかを作ってもらうことが多かった。
ところがご近所のご家庭のお子さんたちが全員、すごい賞に入ったので「やればできるかも」と。

というのもわたしは理系出身で、特に昆虫や草花には詳しかったのでなにかしらできるのでは、とネットで調べると、肝心なのは『論文形式でまとめること』だと判明。なるほど、確かに理系の論文形式というのは普通は難しいかもしれない。
幸いなことにわたしは学校で叩き込まれていたので「これはやれるかも」と。

よく言われたのは「親が手伝ってるから」。親しいママ友にも毎年言われて嫌な思いをしたものだけれど、初めての時、ネットで『自由研究は夏休みの親子の思い出作り』と書いてあり、「子供の宿題を手伝うのはなぁ」と思っていたわたしは目からウロコ。

あれから10年以上たったけれど、子供たちの中でもとても楽しく鮮明な思い出らしく、たまにその時のことで話に花が咲く。パッと花開くように、みんな、笑顔になる。

研究題材はほぼ1年中考えてる。
大切なのは『不思議に思うこと』。この、素朴なテーマを忘れない。化学的アプローチは二の次、とにかく『不思議』を追求する。
これはEテレでやっていた『大科学実験』という番組をリスペクトして行った。番組の詳細は略だが、みんなが素朴に不思議に思うことを大真面目に実験する番組だった。

年によってはいい案が出なくて、理科の授業で不思議に思ったことを研究した時もあった。
でも、子供が本当に不思議に思っていて、親も確かに不思議と思っていたことを研究した年は少し上の賞をいただいた。

「あー、こんなの小学生にできるわけないよ」という作品が展覧会ではちらほら見受けられたけど、子供ながらの感性で行われた実験や、几帳面に作られた論文は見応えがある。
「どうしたら研究が進むのか?」、不思議に思うことを掘り下げて、食卓でも話し合い、実験するのはとても有意義な時間だったと思う。

とはいえ、くだらないことがほとんどで、一番くだらなかったけど面白かったのは『長い糸電話』。5m、10mと距離を伸ばし、糸の材質も変えたり。風の影響がすごいことがわかり、長くなるほど実験できる場所に困るようになり、近くの公共施設をお借りしたことも。

それから、染色をするのにビワの葉がいいとなって、学校に生えているビワの葉をいただいたこともある。この年は家の前の草むらのクズ(葛)を染色に使ったら、煮出すのにすごく臭くて困った。いい色に染まった!

庭の昆虫を捕まえるために、一夏、草取りをしなかったり、本当に今思うとバカげていて面白かった。

「親が手伝って」というのは周囲が思うようなところではなく、本質的にはひとつの課題に対して親子で、或いは家族で協力して取り組むことだと今でも思っている。

論文形式はベネッセのサイトに詳しい書き方が載っていたし、誰でもやろうと思えば、理系出身じゃなくてもできると思う。
かえって、文系の人の方が『不思議』が多い分、有利かもしれない。うちも夫は文系です。子供と同じように、大人のやり方なんてものはなく、協力して楽しんでもらえたらいいなと思います。

「賞はおまけで、研究を楽しむ」がうちのモットー。
嫌味もさんざん言われましたが、賞取りでガツガツやらないで楽しんでほしいなぁと思います。

何度でも言います。その年の夏休みは一度きりなので、どうぞ宿題も、楽しんでやってください。

ポスターと読書感想文は合間に放り投げたので、良い結果が出たことはほとんどありません(笑)。
末の子が知らないうちに書いた短歌が、アイスを買ってほしいという内容で選ばれて恥ずかしかったり。いい思い出。

勉強をたくさんやらせるのもひとつの時間の有意義な使い方だと思います。特にお受験のあるご家庭では!うちは成績良い子いなかったので!

でも、もっとわくわくドキドキの夏休みがあってもいいじゃない?
無意味に思えた夏の日も、心の肥やしになるんじゃないかなぁと虫の声を聴きながら思い出すのでした。

それは全部、過ぎ去った話なのです。
時間は不可逆的で有限なのです。

では楽しい夏休みを。

※過去記事に、ある年の自由研究があると思います。興味があったらどうぞ。

※2 うちの子供たちは集中力がないので実験は2週間以上続かないことが判明。大変なところを夫のお盆休みが入るようにして、期間を調節してました! 長期的観察とかはできなくて、その子の個性にあったやり方がいいですね。1日使って、化学工作もいいと思います。うちもそういう年もありました(^^)

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