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【5話】DDDJ2022 全チームの感想

DOUBLE DUTCH DELIGHT 2022の感想
全チームについて触れてます。

がっつり観戦したのははじめて。
10/8 東大阪で開催されたDDDJ2022に行ってきた。

自分はオープン部門で2012,2013、
一般では2014,2015に出たことがある。

DDDJは、ダブルダッチの全国大会。
3位入賞までがNYアポロシアターで開催される国際大会への出場権が獲得できる。

ダブルダッチプレイヤーが憧れるキラキラした象徴(大会)。

熱気むんむんで、地方予選においては、成人を迎えた演者の8割は涙を流すといっても過言ではない。まるで甲子園。

審査基準はフィギュアスケートっぽい。
高得点狙う技を組み込むと得点は上がるが、
ミスをすると大幅に得点が下がる。

もうちょっと緩くて自由。
何しても良い。
テーマ、曲、衣装、技、構成すべて自分たちで考えてパフォーマンスを創る。

選択肢が多すぎる。
だからこそ糸口がある。
誰も気にしていなかった無名のチームが、奇跡を起こして優勝なんてこともあり。

確実性のない、
予定調和ではない、
ハラハラドキドキする
このギリギリ感がたまらない。

縄を超えるだけといってもさまざまなアプローチがあり、縄を超えるだけなのに宙返りをしたり、縄を超えるだけなのに生き様を乗せてくる輩がいたりと職人だ。

誰がカッコいいか、どのチームがカッコいいかなんて吾が仏尊し。

そこで留まっても良い。
でもみんなは何がカッコいいのか知りたい。
演者も己が信じるカッコいいで勝ちたい。

根底にある、今まで生きてきた中で形成された価値観、認識がパフォーマンスというフィルターを通してぶつかり合う。

負けると自分を否定されるようで傷付く、悔しい。でも、自分の可能性を信じてチャレンジする。

チャレンジの回数には限りがあり、
その年のDELIGHTはその時限り。
もうやってこない。

その切なさが堪らないドラマを生む。

ポエった。

優勝トロフィー


DDDJ2022を通しての感想

冷徹な利己主義者かと思ってたが、歳をとったのか、本気でステージに立っているだけで素晴らしいなと気持ちが多少揺れるようになってきた。

感想まとめると、以下の2点。

  • 価値観の多様化、王道チームがほぼない

  • しなってる動きが湧く


昔はブレイクビーツ×アクロバットのような王道チームがほとんどを占めていた。
それが今回の大会ではほとんど見当たらない。

今回(DDDJ2022)においては、
ディスコやニュージャック、フューチャーファンク、トラップ、レゲエと多様化していた。

ダブルダッチの曲と、普段聴く曲のギャップを感じる人は一定数いるのでは?。現にSpotifyのヒットチャートとダブルダッチで使われる曲は乖離がある気もする。

時代の変化と共に演者の価値観も変化してきたのかなと思う。勝手な妄想だが、Spotifyのようなサブスクで、曲のディグが進み、単純に学生たちの音楽リテラシーが上がってきているのかもしれない。

Spotifyで80'sディスコとかクオリティ高めのプレリスト探せるし、レコメンド機能あるからディグれるよね。昔Apple Musicだけだったのが今はSpotifyや TikTokなどのSNSのバズ要素を加味したバイラルヒットチャートとか聴けるのは驚き。

※コスパ→タイパという価値観の変化


しなってる動きが湧いてたというのは、
単純に緊張して力みすぎた動きより、自然体でリラックスしてしている方が、音にハマっててお客さんの反応も良かったということ。

ここで言うのは、体幹のしなり。
鉛筆を揺らすとしなるみたいな。
よいしょ!じゃなくて、んっよいしょ的なタメの脱力的な。
漫画でいうと刃牙のシャオリー。。

その感じで、ジャンプしたり、回したりすると、レコードの溝にしっかり針がはまる感じがする。grooveと呼ぶのか。

しなるからね。手拍子の位置からずれていく。
ズレると強調される音ができる。
跳ねた感じのリズムやリズムの間が作り出される。このフレーバーね。

ダブルダッチもカウント通りに飛びましょうって時代じゃ無くなってきてる。ただ、前提縄はカウント通りなんだわ。だから基本に従うならオンビートで跳ぶこと。

あの舞台で、緊張しない方がおかしいのだと思うが、猛者が何人かいた。

ミスを減らすには?

ノーミスがはなかったのは、残念だったが、
コロナで動画審査ばっかりで、ステージに立つ機会が少なかったよな。

コロナで思うのは、効率化され過ぎてムダな会話する機会が減った気がする。そう考えると一見ムダに思える飲み会とかって案外良かったのかもしれない。別に飲みじゃなくても良いのだが。

飲み会って、めんどくさい先輩に飲まされるし、お金もかかるし、家帰れないし、最悪。

だけどこのムダな先輩との会話で、どういう思いで練習に向き合ってきたのか、どうやってミスを減らしてたのかを聞きたくもないの聞ける。そしてどのようなプロセスをとればよいのかイメージがつく。無意識に実行してたりする。

飲み会に行けという訳でなく、行き当たりばったり、偶然の融合って、ガチガチに決めて逆算して動くより、結果面白いものが生まれてコスパ良い。

クラブやバーに行って、スピーカーの爆音で聴くとブチ上がる音に偶然出会えることもある。

映画や、アーティストのコンサートからインスピレーションが生まれる。

クリエイティブな面でも、ミスを減らすというようなスキルアップの面でも生きる。

という角度も。。
答えはわかりませーん。
偶然の融合って良い言葉だね。

DDDJ2022出場全チームの感想

はい、ここからが
チーム毎の感想。
この感じワクワクしたで!
という点をさらっと。

2022パンフレット



MIGHTY90
岩手県立大学のチーム。女1名、男2名のチーム。明転した瞬間の出立ちからニヤッとしてしまった。男2人がマッチョで女の子がエキゾチックでなんか面白い。男の子がめちゃ動ける。このチームは3人だから、助走を十分にとった綺麗な一抜けアクロは入れることができない。独自の変化を遂げた感じがして大会を通して見え方が違った。レアだった。

SiLFY
無音でダブルダッチする箇所がDDDC vol8,9あたりのHONEYを彷彿させた。フュージョンという音ありきの競技なのに30秒くらい音を消すという行為。

Synappse
今20代前半の君たちが40年くらい前の曲でやるのエモくない?このチームは80sディスコ系で統一されていた。俺も含めこの時代を生きてないはずなのに中盤で流れるThe Way I Like Itにどこか懐かしさを感じられるセンス。音に合わせた縄の構成とダンスは、俺ら生まれてもないのに、あっ見たことある、聞いたことある!って錯覚してしまう。敢えてブレイクビーツっぽくリミックスした音で人が入れ替わって原曲でガッツリ。。そして、まだ来るかというくらいしつこいディスコ。いいね。SOUL TRAIN♪ 今50代を過ぎた大人達はバブルで元気だった日本を思い出すかもしれない。それがコロナで不景気になっちゃって更に幻感がしてエモい。もうあの頃の元気な日本は戻ってこない。。この当時の音楽ってビートがシンプルでよいよね。当時の近未来感的な。
アクロバットする女の子がキラームーブだったかも。縄回してるときから体幹えぐい。縄を回すという概念を広げてくれた感。
個人的には、金髪ショートの女の子がエンディング去り際の後ろ向く瞬間の顔で一瞬だけゾワっとした。ちょっと1人だけタイミングずらしてるが良いよね。勝手にその子が小学生の時にマンマミーアみて80sマニアになったと予想。

Bloody Velvet
1人ジェンダーレスっぽい男の子がいるんだけど、カツラ?が取れたりと、良い意味でのやりすぎ感があった。やりすぎという手段により、ルッキズムの歪んだ憧れをパロってる。古い価値観を煽ってる。受け止めることができない人たちに魅せたい。
とルッキズムの話をして煽ってみるが、このチームルックスが良かった。女の子イケてる。映え。

ram-tam tam
暗転してる時の歓声は今大会1番だった。それだけファンから期待がこもってた。
ヒップホップダンスは深く沈み込むダウンという固定概念へのアンチテーゼ。トラップミュージック、、そもそも聴くやん。ダブルダッチ界ではニュースクール90sや00sがヒップホップという変な常識があって。。そもそも今の世代ってトラップのが乗れるやん!?みたいな。
ニュージャック・MCハマーでビデオミュージックが盛んになり、みんなとび跳ねる時代がやってくる。だけどニュージャックが単純なステップばかりで下火に。そこから音楽バリバリのダンスビートからラップ中心の少しテンポを落としたミディアムテンポに移行。ニュースクールへ。しかしニュースクールにも飽きが来ててトラップみたいなヒップホップを聴く人が増えたよね。と言いつつブルーノマーズでニュージャックが再燃。
トラップ使ってるだけがgoalじゃなくて、縄があるからこそのシンコペーション。何の技にもカテゴリーされないユータが湧いてた。ラストはじめのステップもちょっとしたしつこさがあって良かった。まあ、ケンドリックラマーが俺好きなんだがね。 

MysticTopaz
女の子の3連テンツク。このチームで決定的に思ったのが女の子のスキルが最近高くね?みたいな。男はアクロバット、女はダンスって言うカテゴライズが最近消えた気がする。

Bølge
え、ほんまに5位通過?
金髪のステッパーおちがアイドルだった。ジャニーズか!。難易度高めのステップを跳ぶんだけど、シンプル跳ぶの上手いから余裕が生まれて凄みに繋がってた。職人だねぇ。
回し手でも本領発揮。
3倍速で回すという昔のフィギュアでいうトリプルアクセルくらいハイリスクなムーブがあるのだが、あり得ないくらい遊びながら回していた。具体的には、ジャンパーから完全に目を逸らし観客側を向く。しかも、移動しながら回している。

八咫烏
今大会トリ。ここまでノーミス出そうラストミスっちゃったりと、湧きたいのに湧けないお客さんから期待がかなり込められてた。彼らもプレッシャーに負けず、ノーミスまではいかないがミスの少ないバランスの良いショーだった。ちょっとスカッとした。全員うまい。

Caesar
1人バチバチの女の子いたな。あめつん。
彼女スター性があるよね。
だけど、スピリット仕込み?縄もうまいんだな。
そして、金髪の子もちょい湧き?ゾワゾワした。キャラ濃そう。

RAD NEW JACK
全員黒のアディダスジャージでRUN-DMC!?と思った。曲がニュージャックで統一。みんな好きだよね。最近kpopでもニュージャックサンプリングみたいな波が来てる。リクの頭が高くて面白かった。

$queak
このチームの今大会トップレベルにセンスを感じた。本当に大学生というくらい落ち着いた曲選。ガチャガチャした音を使うチームが多い中。質感のあるしっとりビートで雰囲気をつくる。来年も観たい。

Doo-Dah
初の名古屋からJAPAN出場なのかな?
素直なアプローチにみやすかった。本当に5位だったの?って思うくらいクオリティが高かった。まだ2年生なのかな。今後名古屋を引っ張っていくレジェンドになるのだろうか。

煌華
ネタが豊富でワクワクした。
アタラシがイケメンだし、ちゃんとかましてた。
2008年MoonBugがニコニコ動画にアップしたリミックスを使ってた。当時非公式にbeastie boys, duftpunk, cupsule (中田ヤスタカ)をリミックスした動画がバズって、bboy, ダッチャーそして東京ガールズコレクションまでも使ってた。そのリミックスをリバブルって感じ。

tricolore
衣装のこだわりが良かった。
50centのハウスリミックス使っていたような。

AuX.
アクロバットが凄い。3倍速も面白いネタやっていたような。

トンデミーヤ
名古屋のキッズ。スペーストラベラーズっぽいちょんまげの男の子がイカしてた。バタフライあとの銃ピースで止まってるがカッコよかった。あそこまでできないよね。全員の表情にお客さんが持ってかれてた。レゲエ?ソカ?的な曲だっま気がする。全員にソロがあるのがストリートっぽくて良い。

JAMBUDDY
1番音が盛り上がるところでステップではなくプッシュアップを入れてくるあたりにセンスを感じた。

Little Dynamite 
2000年代前半のヒップホップっぽい感じがした。カニエ、50centとか。懐かしいね。小学生〜中学にかけて聞いてたなあ。

MoNe
めちゃ安定してて魅せ方美味かった。
なんかストリートパフォーマンスとかやってそうとか勝手に妄想しちゃった。

HYPER×HYPER
エグい技あったよね。大学生のとき、どんなに早回し頑張っても勝てないようなアクロバットかましてくる輩がいて、それを思い出した。毎回崖に追いやられる感じ。そのおかげで自分も成長できた気がする。結構新技あったよね。んで女の子もなんか良かったんだよね。オーラ?

GENKAI GUMBALL
一般なのにここまでギリギリダブルダッチすんのやめてもらっていいっすか?w
工夫という次元では辿り着けない質感をだしている。チャッキーの縄技からクボくんのサイコ足腰からTタイシのシャオリーからのWヒカル、たいち面3倍。進撃の巨人の奇行種が何人かいた。

超 GOOD VIBE
リョータくんのステップが流石。つる、なじゅあたり、縄の外でも本気だった。ここも一般部門じゃなかった。かなりやってるね。


パフォーマンスと表彰式の間に収録した一言感想ラジオはこちら。

長くなりましたが以上です。


旅のしおり
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