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風にのれ!

ここ最近、気づいてからはもう半年くらい、烏丸三条というまちなかに、トンビが常駐している

ピューヒョロロロロと聞こえたかと思うと大きな翼を広げほとんど羽ばたくことなくそれはそれは気持ちよさそうに風にのる、その悠々した姿に見惚れてしまう

空高く風にのるトンビはそうも思わないが、会社の窓のそばを横切るその影は小型のヘリコプターと見まがうほどに大きい


『風にのれきみの声援きみの汗』とかいうスローガンで行われた1997年の全国高校総体の開会式でマスゲームに参加し、風にのった私の声援私の汗

高校2年にあがるとき、3年間クラス変えのない文系のコースに移った

その文系クラスは4分の3が女子・理系は逆という構成で、その3年間同じメンバーの計2クラスの女子生徒が、市内の他の高校生たちと行う大規模マスゲームの練習に以前から参加しているようで、そのクラスに入った私もやる流れになり一生懸命練習に励んだ

西京極陸上競技上での練習では暑さで倒れたりする人もいたが、帽子・サングラス・首タオルの完璧な日焼け対策が印象的な振り付けの先生の指導のもと熱心に練習し、皇太子殿下夫妻(令和天皇・皇后両陛下)をはじめ観客の前で、不思議な振り付けで踊った事をうっすら覚えている

そして今、Coke ONで自動販売機を使う度、協賛していたコカ・コーラ社からアクエリアスをもらって帰った事を思い出す

その時はなんとなく参加したが、持ち回り開催ということは45年に1度ほどの確率での地元開催なので大変貴重な体験をさせてもらった事になる

(※1963年〜2003年までは持ち回り開催、それ以降は単独開催もあるが地域開催など
※2010年に沖縄県で開催され、47都道府県全てが担当したことになった
※2024年は北部九州大会(主に大分・佐賀・福岡・長崎)となる)


観客席からは美しく見えるであろうマスゲームも演者側からは見えないし、そのコントラストが楽しめるが単体で見ると妙な服(体の左右を上から順に互い違いに色分けしたような服、軍手も靴下も左右違う色)で、振り付けの独特さに気を取られていた

そして何より自分とはレベルの違う、各県代表として競技に出場という形で参加する選手たちが羨ましい気持ちが強かった

もう一つ、個人的に本当にありがたい経験は、1993年の全国中学校剣道大会が京都で開催されたとき市内の中学校の剣道部の部員が各県の代表の中学校の名前の書かれたプラカードを持ち、担当校の試合の度にそれを持って会場に行くという仕事をした事

私自身は弱小校なので全国どころか、京都の強豪校しか知らないが、いつも1人残って試合を見るくらい剣道が好きだったので沢山試合が見られると喜んで参加していた

担当した中学校の選手たちは、リラックスした雰囲気で、和気あいあいとしており、私の着ているピンクのストライプのシャツ(制服のブラウス)を指差し『マクドナルドの店員さんみたい!』とからかったり、とても和やかで面白い人たちだった

しかし、坊主頭の彼らは見事な勝ちぶりであれよあれよと勝ち進み、男子団体の部で優勝したのだった

栃木県代表の小山第三中学校という強豪校だったのだ

試合以外の朗らかな彼らの姿と、試合が始まると強く華麗な姿で勝ち上がるそのギャップに興奮しっぱなしだった

高校総体のマスゲームも、全国中学校剣道大会も偶然参加出来て経験出来た、どちらも本当に貴重な思い出

あの日あの時あの場所に生まれていなければ。。。

今ならはっきり言える

体力的にも時間的にも若いときは何でもやってみる、という考え方は今は大賛成、遠回り・無駄を受け入れることも全てが経験となる

10知って9削るのと、調べ尽くしたり選り好んで最善の1をすることは、同じなようで同じではない

便利なツールや、情報の多い現代では遠回りで無駄とも取られるし、やみくもに時間やお金を体力をすり減らせと言う意味ではなく、差し出されたり巡ってきた『機会』を楽しめる余力があるうちにありがたく受け取ってみようという精神があっても良いのではないかなと思う

嫌いを通し、何でも拒み、それで快適と信じていた世界はとても狭かったのだと気付いた今、私は心からそう思うし、今からでも遅くはない!と少しずつ変わろうとしている

風の時代、風にのるトンビのように、悠々と生きたいものだ



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