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読書日記 2024年3月

今月はたくさん本が読めた。
速読が多いので雑ですが、これからは少し丁寧に読みたいと思います。


読んだ本の数:29
読んだページ数:11402


今月のおすすめ本は五冊あります。

機龍警察 シリーズ全巻。これはSF好きにはたまんないです。

リカバリー・カバヒコ 本書の魅力は優しさ。読後感は最高でした。

ヴォイド・シェイパ このシリーズはミステリーの大家の森さんが剣豪ものを書いたというだけでも読む価値ありです。少し哲学的です。

シンセミア 三部作の最初の作品です。この作品だけ圧倒的に面白かった。ぶっ飛んでいますが読む価値あります。

ゼロからの『資本論』資本論の入門書という位置づけだが、著者の意見が反映されていて面白い。



その他、読んだ本の感想。


ゼロからの『資本論』 (NHK出版新書 690)感想
マルクスの資本論は何度も挫折しているが、本書は著者の新解釈も含めて、とても具体的で読みやすい本であります。ただ、自分の都合のいいように議論を展開している風にも思えるところが多々あり面白いが、これは彼の理想であり、本当にマルクスがこんなことを考えていたのかなと疑問があります。中国よりも社会福祉国家にマルクスが近い話しは納得できました。そういう方向で世界は進めばかなり良くなると感じたが、最後の結末のコモンの再生とか、コミュニズムとかの話しは無理だよと感じました。それにそれが幸せだとは限りません。
読了日:03月02日 著者:斎藤 幸平

八秒で跳べ感想
スポコンものは好きな分野だが、野球、サッカー、ボクシングは多いがバレーは読んだことがなかった。この八秒というバレー独特の思考は興味深い。考えすぎ、優柔不断、自信も無くしている主人公のキャラはあまり好きにはなれないが、ライバルとのトイレでの会談の後、覚醒するのが面白かった。こういうスポコンは嫌いじゃない。
読了日:03月03日 著者:坪田 侑也

ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)感想
ミステリー作家森博嗣さんの時代小説。全部で五冊あるシリーズらしい。思考する武者修行の侍。それにしても考える男だと思う。師匠と死に別れ武者修行の旅に出る男の日々を描いたもの。「負けるたびに強くなれる。だが、負けたらそれでお終いだ」この矛盾に、この道の真理があるように思えた。この言葉がいい。
読了日:03月04日 著者:森 博嗣

ブラッド・スクーパ The Blood Scooper (講談社ノベルス)感想
剣豪なのに、常に何かを思考している。それが時にうるさく感じることもあるが心地よい。リリーズ第二作。今回は一所での事件に遭遇する。竹の石という秘宝をめぐる謎なのだが、かなり単純だし、話しはえんえんと進まない雰囲気はあるのに・・・という感じなのに、後半一気にスパークする。それにしてもゼンは罪作りな男だ。
読了日:03月05日 著者:森 博嗣

スカル・ブレーカ - The Skull Breaker感想
「ヴォイド・シェイパ」シリーズ3作目。今回も哲学的思考が多い。出生の秘密が少し明かされる。将軍の弟ということなのか。宿での戦いや、寺での戦いの様が興味深い。剣豪小説なのは確かだが、その思考の深さが面白い。ヤナギとの出会いが良かったな。
読了日:03月06日 著者:森 博嗣

フォグ・ハイダ The Fog Hider (講談社ノベルス)感想
シリーズ4作目。今回は哲学的思考は少なかったように思える、エンタメに少し傾いたような感じでした。仲間という形を作り敵と戦うことになります。それが前回までとは少し違います。「少しくらいの濁りは、あった方がよろしい。この世にあるものは、いかなるものも、必ず無駄なものが混ざっております」と言う言葉がいい。
読了日:03月07日 著者:森 博嗣

マインド・クァンチャ - The Mind Quencher (中公文庫 も 25-13)感想
ヴォイド・シェイパシリーズ最終巻。将軍の弟で、クーデターで将軍になるという展開、でも、最後の城から抜け出すところはゼンらしいといえもする。剣豪に将軍なんかできるわけがない。贅沢な生活よりも自由気ままな生活のほうが幸せに違いない。
読了日:03月08日 著者:森 博嗣

超コミュ力感想
タレント本は専門家の本と違いエビデンスとかはないけれど、この人の場合はコミュ力はテレビで実証済みなのもあり、その人の秘伝となると説得力がある。この手の本は読み散らしているのだが、かぶる部分が多く、それはエビデンスが証明されている方法であり、それと同じということは、この本の説得力も増す。読みやすい底上げ本なのだが、内容はかなり実践的で役立つと思われる。買って損はないと思います。
読了日:03月09日 著者:田村 淳

グランド・フィナーレ (講談社文庫)感想
芥川賞でいいのかと思ってしまった。幼児性愛者の話しだ。映画監督の主人公は小学生の娘を溺愛し裸の写真を撮影したりとヤバい。映画に出ていた出演者の子供たちにも手を出していた。だから、それがバレテ離婚され、それでも娘に執着しているという変態。そんな彼が田舎に戻り地元の小学生に演劇を教える。変態行為をするのかと思うとしない。二人の少女たちは生命を断つつもりだと気づく、それを思いとどまるようにと考える、この心境の変化はいかにもという着地。
読了日:03月10日 著者:阿部 和重

シンセミア(上) (講談社文庫)感想
下巻に感想
読了日:03月11日 著者:阿部 和重

シンセミア(下) (講談社文庫)感想
一度読みだしたら、もう止まらない。気がつくと12時間くらいぶっ続けで読んでいた。上下巻一気だった。とにかく登場人物が多い、こういうのを群像劇というのだと思うが、最初のほうは何が何だか、よくわかんなかった。下品すぎるし、理不尽だし、閉鎖的で暴力的、変態、ようするに毒どくしい。でも、この毒、つまり刺激が読者にはたまんない。こんなに登場人物が多いのに、最後にはすんなりとまとまるという、この作者の力量もすごい。最近、読んだエンタメ小説の中ではNO1クラスであると断言できる。
読了日:03月11日 著者:阿部 和重

ピストルズ感想
神町シリーズの第二弾という位置ずけなのか。シンセミアの続編ということになるのかな。この作品は、シンセミアから6年後という設定なのだと思う。この作品では、この神の町にずっといる魔女というのか、超能力者一族がいてという話し。本屋が、その菖蒲家の歴史を次女の小説家から語られるという話しだが、この歴史というのか、母世代の話しが出てからは面白かった。この作品もまた、シンセミア同様に不快さが充満していて、最後の父親が変態とカン違いされボコボコにされる場面などが強烈だった。こんな能力があれば楽しいのになと感じた。
読了日:03月13日 著者:阿部 和重

オーガ(ニ)ズム感想
作家である自分阿部和重を主人公にした本作は、神町のシリーズの三作目完結版となる。これはドタバタ喜劇としか読めない。あほらしい作品だ。その象徴は、オバマ大統領が、あのパン屋の甥に生命を狙われるのである。パン屋の背後には、あの菖蒲家がいる。オバマが、スターウォーズみたいに、ライトセーバーで戦うシーンはふざけすぎである。正直に言うと、この三部作ですがシンセミアだけで良かったと思います。
読了日:03月15日 著者:阿部 和重

最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術感想
堀江さんどくどくの思考法だし方法なのだが、これを一般化し採用するのはどうかとも思える。隙間時間を使えという発想はわかるし実際に僕も使っている。電車の中、病院の待ち時間、人と会う前の時間などだが、車の運転はしない、運転手を雇うとか、その余剰時間で仕事をするわけだが、一般人はそうはいかなかったりする。人間関係に関しても、堀江さんの立場なら気にいらなかったり斬るのは簡単だが、一般人はそうもいかない。堀江さんだからできることにも思えた。
読了日:03月16日 著者:堀江貴文

リカバリー・カバヒコ (文芸書・小説)感想
全体に優しさが満ち溢れていた。いい作品群だ。公園にあるカバの遊具。人はそれをリカバリーカバヒコと呼ぶ。痛めた身体の一部を回復させる効果があるという都市伝説。冒頭の奏斗の頭はありがちだが、共感できる話しだった。高校で進学校に通っている少年、今まではトップクラスの成績が今はどんぞこ。そこで出会うクラスメートの少女とカバの遊具。二人との出会いにより少年は大切な心を回復させる。なんかいい話しなんですよ。
読了日:03月17日 著者:青山美智子

これってシロ? クロ? 身近な法律の135の事例集感想
犯罪かどうかわからないグレーゾーンというのがある。そこが法律の難しいところ。本書は具体的に事例をあげて弁護士と著者の村尾氏がコメントを出すということで明確にしているが、事例が多くそれに単調であまり魅力的ではない文章なので途中で嫌になった。ただ、色んなケースに触れることができるので法律にあまり興味のない人にとってはとっつきやすい内容になっています。
読了日:03月18日 著者:高橋裕次郎,村尾遼平

機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ツ 1-5)感想
登場人物が多すぎて、ちょっと混乱します。機甲兵装と呼ばれる軍用有人兵器が普及した世界。三人のわけありの刑事たちが乗ります。かなり癖があります。面白いのはアクションシーンの描写、躍動感を感じます。最初の巻なので、導入だと思います。どうも警察組織の中にも敵がいるようです。続きが楽しみです。
読了日:03月19日 著者:月村 了衛

機龍警察 自爆条項〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
上下巻の感想です。タイトルの自爆条項というのが意味深だ。元北アイルランドのテロ組織にいた死神の異名を持つライザ警部の過去が明らかになる。彼女は、バンシーという機甲兵装に乗っている。これは最新鋭で、敵は、これを奪おうとしている。今回の敵は彼女の古巣だ。彼女の性格を熟知していて、どう脅せば機体を奪えるか知っていた。警部たちには契約がある。それが自爆条項。機体を奪われそうになったら自爆せよという決まりだ。それに反した時は、仲間の一人が彼女を殺し機体も破壊する。面白かった。
読了日:03月20日 著者:月村 了衛

機龍警察 暗黒市場 上 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ツ 1-10)感想
下巻に感想
読了日:03月21日 著者:月村 了衛

機龍警察 暗黒市場 下 (ハヤカワ文庫JA)感想
三体の新機種の乗組員の一人のロシア人ユーリ・オズノフに焦点が当たっていた。ドラグーンという新機種だ。この機種は最新鋭なのですが、それと近い新機種がブラックマーケットに出るという情報が入り、ユーリは潜入捜査に入る、昔の友達のツテを使い過去の事件を過去と対峙しつつも任務にという・・・流れ、最後の元上司の男気はなかなか良い。
読了日:03月21日 著者:月村 了衛

機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ文庫JA)感想
チェチェンの自爆テロ組織未旅団が日本でテロという話し。子供に自爆テロさせるというのがいただけない。その組織のリーダーの恩讐と言うのか、ある男への愛慕というのか、そんなことのために子供が殺害されるなんてありえないと感じた。寝返る少女が生き生きと描かれている。面白かった。
読了日:03月22日 著者:月村 了衛

機龍警察 火宅 (ハヤカワ文庫JA)感想
機龍警察シリーズ、番外編のスピンオフ短編集。正直に言うと、このシリーズは長編でこそ生かされるのであり、闘いの場面の少ない短編はちょっと・・・。最初の短編がいい。警察官になり、捜査のノウハウを教えてくれた先輩高木の見舞いに訪れた由起谷の話し。万年巡査部長と言われていた高木が、あるときを境に出世していく。その理由を見つけるミステリー。これが面白かった。
読了日:03月23日 著者:月村 了衛

機龍警察 狼眼殺手 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト『クイアコン』に絡む一大疑獄を扱った内容。関係者が次々と殺害されていく。それも予告殺人。護符殺人とでも言うのか。敵に雇われたライザの元同志であるIRFの狼眼殺手と呼ばれるエンダが殺し屋として暗躍しており、こいつが最強キャラ。今回は、ドラグーンを使った戦の場面がなくて残念。「ミステリが読みたい! 2018年版』国内篇第1位。
読了日:03月24日 著者:月村 了衛

機龍警察 白骨街道 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
続きがもう書かれてないのを見ると、この作品が最後になったのかもしれません。突入班の3人がミャンマーまで行って犯罪者の引き取りに行くのですが、それが罠だった。このミャンマーでの死闘が楽しかった。久しぶりのbattle中心でした。そして、京都での出来事。この二つが同時進行で動きます。
読了日:03月25日 著者:月村 了衛

チワワ・シンドローム感想
強者は叩かれる、故に弱くなりたい。こんな思想が蔓延していたのか知らなかった。好きな男の人が消えた、チワワのバッチをつけていた。それはチワワの暴動と関係があるらしい。これは彼を探す物語であり、その背景にある事件との関係を暴く物語でもある。それにしても、何なんだ、このインフルエンサーって存在、人気ユーチューブバーがそんなに人の人生を左右するものなのなのか。面白いし斬新だけどちょっと共感しずらい話しでした。
読了日:03月27日 著者:大前 粟生

風神の門(上) (新潮文庫)感想
下巻に感想
読了日:03月29日 著者:司馬 遼太郎

風神の門(下) (新潮文庫)感想
いつもの司馬さんとは違う少しエンタメよりの作品。真田十勇士と呼ばれている霧隠才蔵を主人公にした作品。山田風太郎の忍法帖シリーズに似たかんじがする楽しい忍者ものに、司馬さんらしい史実を取り入れた重さも含まれていてなかなか楽しい。
読了日:03月29日 著者:司馬 遼太郎

日本の税は不公平 (PHP新書)感想
自民党の裏金キックバックを著者は脱税だと言う。まったくその通りです。税負担がもともと議員はかなり免除されていて、本書の指摘どおりそれもかなり問題があると思われます。それと岸田内閣の少子化対策、防衛費増額のため増税しないというごまかしも本書では指摘されており、遠い未来の増税は不可避とのこと。高齢化社会における医療費の増大の問題や年金についても書かれていて、とても面白い本です。
読了日:03月30日 著者:野口 悠紀雄

ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫)感想
この時代には、二重底構造があったのですね。私は犯人を見たとパーティーで自慢していた少女が殺害された。その見た犯人というのが過去の事件の犯人だった。たくさんの人の証言から、嘘と真実を見極め、真相にたどり着く灰色の頭脳ポアロの活躍を描いたミステリー。アガサ・クリスティーのミステリーとしては少し欲求不満。絶賛とはいかないと思います。
読了日:03月31日 著者:アガサ・クリスティー

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