たいしたことじゃない

たいしたことじゃない ただの肉体的反応だ

自分にそう言い聞かせて 絶え間なく襲い続けてくる不安にただ耐える

たくさんの都合の悪い現実が 私の心臓をドンドンと叩いている

私を否定する言葉 私を狂わせる言葉

たくさんの間違いとたくさんの正しさが

私を内側から引き裂いて

何かが生まれようとしている?


たいしたことじゃない ただの肉体的反応だ

体中からこみあげてくる吐き気と 小さな腹痛が

私の眉間にしわを寄せ 見るものすべてに敵意を感じさせる

争いのない世界が欲しいのに 自分自身が争いを作り出そうとしている

誰かを傷つけたい 誰かから守られていたいのに


この醜い感情は 私自身のものなのか

それとも誰かに意識せず共感した結果なのか


たいしたことじゃない ただの肉体的反応だ

時間を置けば気分はよくなる マシになる

状況は好転する 私はそんなにひどい存在じゃない

何度も自分に言い聞かせる

根拠は全部 倍の疑念になって返ってくるから いらない


こういうときは 昔の私が自分のために用意した言葉が必要だ


人生は苦痛だ

私には私の地獄がある

誰もが己の生を悩んでいる

生きるのは難しいことだ

それでも生きると決めたのだ

人生は苦しいことばかりだ

楽しいことはいっときの気休めに過ぎない

この人生はずっと苦しいことが続いていく

それでもいいと決めたのだ

この苦痛は私が選んだこと

私が乗り越えるべきものとして自らの内に呼び込んだもの

だから自信を持って耐えるのだ

私に耐えられないものなど何もない

私は強い

この弱さを抱えてなお 前を向いて生きられるほどに

私は強い

全ての慰めにNOを言い 己の覚悟のみをもって耐えられるほどに

心臓が痛いのは 私が生きているからだ

恥ずかしい記憶や痛ましい記憶が繰り返し蘇ってくるのは

それだけ私が豊かな経験を得てきたからだ

私の頭にあらゆる疑念が湧いてくるのも

それがやってきても 受け止めて 自分なりに美しさを見出すことができるからだ

今まで何度も見出して 乗り越えてきたからだ

私はひとりぼっちじゃない

人の体は たくさんの心でできている

悩んでいるのは私だけじゃない

私の中には 悩んでいる私をちゃんと見て記憶してくれている別の私がいる

私の中には 悩んでいる私を影から支えて守ってくれている別の私がいる

たとえ現実に 私を愛し守ってくれる他者がいなかったとしても

私の中には たくさんの私がいる

そのすべてが私にとって気持ちのいい存在とは言えないけれど

それでも それらすべては 私のために存在する

この世界の全ては 私のためには存在していないから

私のために存在してくれるものなど なにひとつないから

それでいいのだと 決めたのだから

苦しいときは 自分の心に目を向けて

あなたは決して間違っていない

あなたは優しくて正しい人だから

どうか諦めないで 希望を捨て去ってしまわないで

あぁなんて暑苦しい希望だろうか。希望があるから疲れる。私はもう休みたい。でもうまく休めない。
頭がぐちゃぐちゃで、体は活動を求めているのに、頭がそれに答えてやるだけの気力を用意できない。
お腹が痛い。でも頭は痛くない。肌も痒くないし、節々がひどく痛むわけでもない。ただお腹が痛いだけ。

たいしたことじゃない。ただの肉体的反応だから。

大丈夫。大丈夫。落ち着いて。きっと平気だから。

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