一人一人の読み手に寄り添える小説を、オムニバスで。
中学時代、修学旅行で三十三間堂の千体仏を拝観した際、ガイドさんから聞いた話が、未だに記憶に残っています。
無数に並んだ仏像は、どれも同じような姿形をしているのですが、実は1つ1つ顔が異なり、探せばどこかに「自分に似た顔」があるのだとか…。
聞いた時に、何となく「いいなぁ」と思ったことを覚えています。
自分に似た顔の仏像が1つでもあれば、親近感が湧いて、普段は縁遠いお寺や仏像も「身近なもの」に感じられるのではないか、と。
その時に感じた「いいなぁ」を「目標」という形に落