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21/07/23|『ソムニウム』2ヶ月間のありがとう

昨夜は、ついにVISIONの『ソムニウム』最終話の配信でした!

4月初旬の撮影から約3ヶ月半、企画の準備から含めるとさらに倍の時間、この醒と冴弓の物語にご一緒してくださった皆様、そしてドラマ本編を観てくださった皆様、本当に本当にありがとうございました!なかなかチャレンジングな作品で、キャストもスタッフも、撮る直前まで頭を悩ませながら臨んだ物語でしたが、その思考の結晶がひとつでも、皆様に届いていたら嬉しいです。

今日はお一人ずつにお礼を。

まずは『12ヶ月のカイ』から唯一の続投キャラとして出演くださった、冴弓役の山本真由美さん。

カイの時は「与川」という苗字だけのミステリアスな役柄でしたが、今作で下の名前が付いたことにより、カイの時の「魔女感」よりかはもっと人間らしい、理性的だけど情熱も持ち合わせた人物に仕上がりました。冴弓の意思や思想が、実は『ソムニウム』でも『12ヶ月のカイ』でも物語のキーになっています。機械も命として扱うのか否か。「人間に近い、人間ではないもの」を生み出している彼女ならではの儚い夢を、あの『12ヶ月のカイ』とは全く異なるアプローチで表現してくださった山本さんには、本当に頭が上がりません。モニター越しでもいつも美しくて、眼福でした。

ある意味、「闇落ち」前の与川冴弓の物語『ソムニウム』は、山本さんがいてくれたからこその作品でもあります。

次に、私が以前からご一緒したいと勝手に思っていた方々、佐竹役の前野朋哉さんと、あかり役の久保陽香さん。

前野さんは『桐島、部活やめるってよ』や某携帯キャリアのCMでも有名でしたが、宇賀那監督の『魔法少年☆ワイルドバージン』が私は特に大好きで、ずーーーっとどこかでお仕事したいと思っていました。役作りはほぼ前野さんにお任せしてしまった部分がありましたが、ユニークな佐竹には編集時までもずっと笑わされっぱなしでした。よく分からんのですが、画面のパワーが凄いんですよね、前野さん。笑

久保さんも、インディーズ映画作品やCMでちらほら拝見してまして、このなんとも言えない男性がつい惹き込まれてしまいそうな雰囲気を、いつか撮りたいと実は画策していました。大人の女性として意思をちゃんと持ちつつも、頼りなさげで、やっぱり抱きしめたくなる。そんなあかりが、久保さんのお芝居でしっかり表現されていたと思います。

PCH役は、結局最後まで目元が明かされない役どころだったのですが、これも湯木優輝くんが見事に演じてくれました。

こんな美男子の目元を隠してしまうなんて、もったいない!」と衣装合わせでも撮影現場でも言われていたくらい、PCHのボディは本当はイケメンなんです…笑 もともとモデルとして活躍されていて、私の『追いかけてキス』シリーズの一番最初のエピソードにも出演してくれていた湯木くん。その時の「声」がすごく良くて、今回オファーで出演をお願いしました。企画時、PCH役は『12ヶ月のカイ』と同じにしても良いのではという話もありましたが、私は初期型と製品型で「声」を分けたかった。さらに、機械でありながらも「人間みを感じられる声」として湯木くんにお願いした訳ですが、我ながらこれは大正解だったと感じています。

そして、こちらも『追いかけてキス』シリーズから引き続き出演してくださった、土山茜さん、溝畑幸希さん。

醒に振り回される(都合よく利用される?)女性たち、という役どころではありましたが、土山さん(ハル役)の不貞腐れつつも醒が構ってくれると嬉しくなってしまう少女感、溝畑さん(エリカ役)の寂しい男を放っておけない世話焼き姉さん感が、まさにベストマッチでした。
余談ですが、『追いかけてキス』ではしっかりキスシーンがあったこの2人、今回はどちらもキス寸止めだったんですよね。どうでも良いけど、個人的には少し面白かったです。

それから、「インディーズ映画界のリリー・フランキー」と勝手に私が意識している、榎本桜さん。

榎本さんといい湯木くんといい塩野さんといい、『ソムニウム』はとにかく声が素敵な役者さんが多い!榎本さんは昨年のGWに開催していた配信映画祭でご一緒し、榎本さんが監督・主演された『宝物の抱き方』を拝見して「ひと耳惚れ」した、というのがきっかけです。売れる役者さんは皆声が良いですからね。比較的チンピラ役が多いと噂の榎本さんですが、今後もっと色気のある役柄が増えてくれたらいいなぁ!と個人的には…笑
冴弓がこの会社でPCHの開発を進める上で、榎本さんの片岡は恐らく欠かせない「調整役」だったのでしょう。冴弓の頑固なところを許容しつつ会社の意思にも沿う、大人な片岡を素敵に演じてくださいました。

そして最後、奇跡的としか言いようがない、藤田醒を演じてくださった塩野瑛久さん。

塩野さんのお顔とお名前が私の脳に刻まれたのは、皆さんもご存知の『HiGH&LOW THE WORST』。私は元々ドラマのハイローが好きで良く観ていたのですが、映画館でTHE WORSTを見た時、あの小田島の存在感の突出具合が異様で「これは多分覚えておかないといけない」と、ビビビ、と感じてしまいました。その当時はあいにくご依頼できるようなお仕事が無かったのですが、数年後、この『ソムニウム』の企画をLINEさんワンメディアさんと練っている時、どうしても藤田醒のイメージが塩野さんと結びついて離れなかったんですね。とは言えこのような(無名な監督の)一風変わった物語に快く参加してくださるものか…という不安が正直大きかったですが、結果的に出演はOKに。俄には信じ難かったですが、その連絡をいただいた時は本当に嬉しかったです。

あかりを失った醒の寂しくて浮ついてしまう一面と、PCHの開発に真剣に真摯に向き合う姿、塩野さんを通して、そのどちらともしっかり堪能いただけたのではないかと思います。

ちなみに私は、助監督時代から含めても現場のお芝居で感動したことはあまりない方なのですが、(撮影中は集中してますから感動している余裕はありません、でもマイママも結構感動したかな)塩野さん、山本さん、湯木くんのクライマックスのお芝居にはついうっかり感動してしまいました。1シーンほぼ1カットだったり、想いのぶつけ合いだったり、人の感情を一切感じ取ってはいけないお芝居の仕方だったり、我ながら無茶振りのある話だったと思います。けれど皆、真摯に向き合ってそこに集中して徹してくれた。日常生活ではなかなか味わえないような緊張感の中、ラスト1カットまで一丸となって臨んでくれたことがとても嬉しかったですし、そのような環境をなんとかこのチームで作り出せて本当によかったです。

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(企画を考えていた時の醒と冴弓の人物ツリー)
(これを基に脚本を書きましたが実際の人物象と違う部分も多々あります)


あともう少しだけ。

実はこの作品には、『マイライフ、ママライフ』や『12ヶ月のカイ』のスタッフが再集結して撮影に参加してくれていまして。

撮影の島さん、録音の内田さん、照明の酒井さん、なにかと無茶なスケジュールの中、いつもしっかりご協力くださりありがとうございます!縦型ドラマという慣れない画面ではありましたが、おかげさまで素敵に俳優陣を映し出すことができました。

メイクのじぇじぇ、今回が一番朝とか大変だったと思うけど、いつもしっかり付き合ってくれてありがとう!

演出部・制作部の福谷さん、秋山さん、夏目さん、ほぼ始発から終電までの3日間でしたが、大きなトラブルなく進行出来たのは奇跡です。間違いなく、みなさんのおかげです。なるべく「ホワイト現場」を目指している亀山組ですが、今回はちょっと時間的にはブラックでしたね…。すみません。次回こそはホワイトを目指します…!!

そして、弊社のプロデューサー陣、浦野さん、鈴木さんをはじめ、ONE MEDIAの皆様、LINEの皆様、美術物品の貸し出しやアクセサリーを提供してくださった皆様、このような「頭が痛くなるような世にも珍しい物語」を制作することを諦めず、一緒に挑戦してくださり誠にありがとうございました!クリエイターが自由に挑戦できるレアな機会をいただけたこと、非常に感謝しております。

長くなりましたが、年始からずっとずっと頭を悩ませてきた『ソムニウム』、ご視聴くださり皆様もありがとうございました!

次は『12ヶ月のカイ』へ、バトンタッチ。
良いお知らせができるよう、これからも引き続き精進してまいります。

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