WastedTime下北沢のオーディオシステム等に関する雑文。

去年の6月にオープンしましたBar WastedTime下北沢。
おかげ様で様々なお客様がご来店頂いております。いつも本当にありがとうございます!
さて、このお店はロゴにも「with Good Music」とあるように、お客様に音楽も楽しんで聴いて頂ければ、店主喜び庭駆け回るバーなんです。

今回はWastedTime下北沢のオーディオシステムや音楽環境の側面を、店主の「自己満足的価値観」満載で書かせて頂きます笑。
多少なりともご興味のある方は、鼻で笑いながら読み飛ばして頂ければ幸いです。

まずはお店の音源環境のコンセプトから。

お店で使うメインのオーディオソースは,早くから「CD」と決めていました。

今や当たり前のネット対応(youtubeやAppleMusicなどのサブスクモデルなど)での音源視聴は当面導入しないと決めています。
僕は心血を注いでアルバム制作をして来たミュージシャンやスタッフの皆さんの思いを多少なりとも共有して来ましたし、音質や音場バランスへのこだわりも存じ上げています。
従ってお店では彼らがリスナーに伝えようとした音質・音場を出来る限り「素直」に「シンプル」に再現したいと思っています。もちろん限界はありますし、理想には程遠いですが・・。

なので圧縮された音源、ネットで配信される異物混入された音源は、付加価値やその他の事情が無い限りあまり選択しない様にしています。
忙しい時やプレイリストを流すためにiPadは繋げていますけど・・。
まあ最近は圧縮・通信技術が進歩してますので、昔の様な音質の違和感はほぼ無いのですけどね。

また当店ではアナログレコードは様々な理由で、音源としての選択肢には入りませんでした。

その理由は長くなりますのでここでは割愛しますが、単純に言うと「個人的な合理性」を中心理由として、フィジカルなパッケージとしてLPレコードではなくCDを選んだという事です。

むろん重要なのは、CDパッケージにも小さいとはいえジャケットもありますし、歌詞や参加ミュージシャン・スタッフのクレジットやライナーノーツも付いている事です。
お店でCD聴きながら、プロミュージシャンが「ちょっとクレジット見せて!あーやっぱりドラムはガッドかー・・。」という確認が出来るのも、パッケージだからこそなんです。

店内のCDラック及びオーディオシステムの一部。2018/3月

では店内のオーディオシステムのお話に移ります。 

僕は基本的に音楽のリスニング環境は、音の入り口と出口が「最重要」だと考えています。

音源ソースとして選んだ「CD」、その音の「入り口」としての再生機器に、フラットな音質で安定しており、枯れた技術であるレーザーピックアップに定評があり、操作性に優れたパイオニア製品のDJデッキ「CDJ-400」2台を使用しています。

Pioneer DJ CDJ-400、2007年発売。

このCDJは渋谷のライブハウス時代から使っていたものですが、とあるお店から譲り受けたお下がりです。購入してもう7,8年経った製品ですが、不都合なく稼働しています。プロ用のDJデッキは耐久性があり、駆動系は本当に頑強ですね。

ラックに収める形の「CDデッキ」は大きさの割りに操作性に不満があり、僕はあまり好きではありません。

このCDJの使い勝手、特にスロットインは重宝しています。
また2台ある事で、ある程度のDJプレイも可能です。
ただCDJとはいっても、CDを再生する機能以外はまず使いませんが笑。

お店に設置したCDJ400×2機、本当に長く使ってます。

 そして僕が最も重要だと考える、音の「出口」であるスピーカーですが、かなり悩んだ末、新品の「JBL4307」を選択しました。

JBL4307、モニターブルーのフロントバッフルは憧れでした。

スピーカーメーカーは最初から、70年の歴史を持つ「JBL」と決めていました。これはもう「ただ好きだから」としか言いようがありません。
創立者のジェームズ・B・ランシングの名前から付けられたJBLブランドは、古くは日本で「ジムラン」と略され、50年代以降、全米の映画館の音響やライブ・コンサートのスピーカーユニットとして絶大な信頼を得ていました。

他の有名スピーカーメーカーであるアルテックやタンノイなどには、僕にはクラシックやJAZZのイメージがあり、自分が好きなロック・ポップスはJBLが最適と思い込んでいました。
20歳前後、自宅での最初のオーディオシステムを購入した時、昔から憧れていたJBLのスピーカーが物凄く欲しかったのですが、あまりに高額で手が届かなかったのです。
その後エンジニアの先輩宅に遊びに行ったときに、6畳間の半分近くを占めて鎮座するJBLスピーカー(多分4343)に度肝を抜かれ、その音に心を打ち抜かれた記憶は鮮明です。

とにかく僕を含むロック世代はスピーカーと言えば、そのルックスを含め何が何でもJBLという世代なんです・・。あ、達郎さんのご自宅のリビングのスピーカーもJBLでしたよ笑。

現在のJBLはハーマンインターナショナル社のスピーカーブランドとして、廉価なコンシューマー向けの製品も数多く作って評判も高いメーカーです。
最近は製品組み立ての多くは中国の工場で行っているようですが、このご時世では木材等の調達含め致し方ない事でしょう。
でもJBLはオーディオマニア向けの片側38cm×2ウーファーを擁する巨大スピーカーも、現行機種で販売している誇り高いメーカーなのです。

JBL2×38cm 3ウェイ フロア型スピーカーProject EVEREST DD67000
なんと一本300万円!

渋谷でのライブハウス時代もメインスピーカーはJBLでしたが、SR(PAシステム)仕様だったので、CDなど録音物を聴くにはいまいち物足りなさが残っていました。

JBLモニタースピーカーの現行機種は2000年代以降一新され、旧型の伝統を受け継ぎながらユニットがフルモデルチェンジしました。
設計思想に音源のデジタル化への対応を打ち出しています。
70年代以降、名機とされた4310から発展した30cm-3Wayという4310~4312シリーズは、新ユニットを搭載し、今でも幾つかのモデルが現行販売されています。

JBL4312E、名機の伝統を受け継いでます。

もちろん素晴らしい製品であることは疑う余地が無いのですが、ただそのシリーズは今のお店にとって価格や大きさが釣り合わないと感じていました。なによりも4310~4312シリーズは、僕にとっては「今さら感」が大きかったのも事実です。

そこで候補に上ったのが2008年に販売開始され、10インチ(25cm)径ウーファーを採用した3ウェイの「JBL4307」です。

現在、お店の左側に設置したJBL4307、横置きも好きなんです。

別の候補として8インチ(20cm)径ウーファーとドライバー+ホーンの中高域ユニットを持つ2ウェイの4306も魅力的でしたが、悩んだ末にどうしても3ウェイに心惹かれ、現有のJBL4307に決定しました。後悔はしていません笑。

写真はJBL4306、これも素敵なルックス。

またJBL4306~07シリーズは許容入力が150Wと高く、4312シリーズの100Wに比べ(店でライブを行う可能性含め)、入力余裕と安全性も考慮して選択したわけです。

現在お店に設置された4307は期待にたがわず、3Wayの特質である素直で伸びのある中高域と芯のある低域で、ロック・ポップス始めあらゆるジャンルの音源再生に威力を発揮しています。店内の音場に合わせて、スピーカーのアッテネーター・ボリュームの中音域を少しだけ持ち上げています。
新品で購入した4307は三か月目くらいでエイジングをこなしたようで、落ち着いた良い音で鳴っています。

 さて音の入り口と出口は決まり、次に選んだのがプリ系とアンプです。
上述したように僕は音の入り口と出口には多少のこだわりがありますが、その間の増幅装置(いわゆるアンプ)や、音源選択装置(いわゆるミキサー)にはシンプルでフラットな音信号送信機能と、適切な出力と、操作性があれば良いと考えていました。
プリコントロールに「CD」の音色や音圧を可変させるイコライザーなど必要ないと思いました。つまりよくある「プリメインアンプ」は欲していなかったのです。
ただし映像関係の音源やライブ等を行う可能性含めて、入力数はそれなりに必要だと考えていました。そこでいろいろ捜したところ現有のアナログミキサー、 MACKIE ( マッキー ) / MIX12FX にたどり着きました。

MACKIE ( マッキー ) / MIX12FX、大変な優れもの。

これは12chの入力数を持つ、やたら廉価な、それでいて必要十分な機能を持つアナログミキサーです。なんと1万円台です。
ステレオチャンネルとして4系統あり、CDJ2台からのL・R信号を受けても残り8chの余裕があります。残りのステレオチャンネルにはBL/DVDデッキの音声とiPadの音声入力をあてがい、ライブ等に4chのモノラル入力が使えます。

このミキサーは、4系統のステレオチャンネルには、イコライザーを付与していません。
したがってCDからの音信号は全くフラットなまま、アンプに送られます。

お店で使用中の MACKIE  MIX12FX 、ラインフェーダーを無くし、コンパクトにまとめたところも秀逸。

利用環境を考えれば、CDJに付き物の「DJミキサー」は必要ないと思いついたのが、設置のコンパクト化に貢献しました。これは自分を褒めてあげたい思い付きでした笑。

 さてオーディオシステムの中でメインのアンプリファイアー(音信号増幅装置)の持つ意味合いはかなり大きいと考えられています。
それはその通りなのですが、僕個人は若い頃からアンプの違いによる音響変化をあまり感じられませんでした。いやもちろん違いがあるのは判りますよ笑。ただそれほどの重要性を感じなかったのです。
何より僕は基本的にオーディオマニアではありませんし、アンプにこだわってあれこれ音質を試す事が如何に大変か、周りの方々の話を聞いていて、そこには行かない様にしようと思っていました。

音源信号を増幅させる装置として、アナログのそれも真空管を多用したアンプはマニアの中では上級とされています。そのこだわりは全く否定しませんが、マニアではない僕はこの店舗に於いての実用性のみを考えました。

僕が選んだメインアンプは、開発から20年以上の歴史を経て、各メーカーでかなり技術が枯れてきた(進んだ)デジタルアンプでした。

デジタルアンプのメリットは高効率、低発熱、小消費電力です。そして低価格。お店のスペースも限りがありますし、電気代は高いし、夏場に暖房点けるようなアンプは選べませんでした。

まあ理想を言えばCDからのデジタル音声信号をそのままアンプに送るべきですが、そこはミキサーの価格と操作性に日和ってしまい、一度アナログを通すことになってしまいました笑。

そして実用性と出力量、価格でCLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / DCP400 というデジタルパワーアンプをチョイスしました。

CLASSIC PRO  / DCP400、出力100W×2(8Ω)薄くて軽いです。

ミュージシャンの方なら大抵お世話になってる、楽器・音響機器等を通信販売するサウンドハウス。クラシックプロはそのオリジナル製品です。
まずオーディオマニアの方が選ぶ製品ではありません笑。

その良さは何より軽さと価格です。重量はわずか3.2kg、価格は二万円台です。マニアな真空管一本の値段より安い笑。

渋谷のライブハウス時代から使用してきたクラシックプロ製品ですが、耐用年数の短さを差し引いても十分利用価値のある製品です。
新品で購入して、もう9ヶ月経とうとしていますが、全く問題はありませんし、ガリも出ていません。
店内の広さを考えれば、100W×2という出力数は必要ありませんが、何事も余裕は大事です笑。

このデジタルアンプはスッキリした明るい音質で、低域は少し弱いですが、お店はディスコやクラブではないので、会話も邪魔せず十分です。
現在の店内で、アンプのボリュームレベルは3~4の目盛りで十分です。

このアンプのOutputはスピコンで、そこからJBL4307へバナナプラグで接続しています。このケーブルもクラシックプロ製品、非常に安いですが必要十分だと感じています。

店舗内のCLASSIC PRO DCP400のボリュームレベル、右が上がってるのは店内での音場バランスを取るため。

 さて、これでWastedTime下北沢のオーディオシステムは完結しています。
つまりCDJ⇒アナログミキサー⇒デジタルパワーアンプ⇒スピーカーだけです。シンプルこの上ないですよね笑。

手間暇かけて音源をMIXし、マスタリングに時間をかけたCD音源を、出来る限りフラットな状態で聴ける環境を目指しました。

店内でほとんどの時間に流れるのは、CDによる音源です。それも70年代以前のアナログレコーディングによる音源です。

その時代だったらLPレコードだろ?とか、やっぱ真空管アンプじゃないの?とか言う声も聞こえてきますが、そんなお店は数多くありますので、その音質を求められる方はぜひそちらへどうぞ。

何年か前、知人が恵比寿に凄く良い音質で聴かせる店があると言うので連れて行って貰った事があります。もちろんアナログレコードで高価な真空管アンプとスピーカーで聴かせるそうです。
夏場だったので、サンダル履きで行ったのですが、なんと入り口でその履物じゃ入れないと入店拒否されました笑。
当然「じゃいいです」って帰りましたが、ドレスコードだか何だか知りませんが、その精神性が嫌いです。
きっとおしゃべりしたら怒られるんでしょうね笑。

そこまでじゃないにせよ、自分がワガママで自己満足的なのも重々承知ですが、僕の基準は「素敵な音楽>マニアックな音質」なのです。

でもね、イヤフォンで直接鼓膜を刺激する音響よりは、あいだに空気が介在するスピーカーで聴く音楽に感動したいと思いませんか?
複数人で同時に良い音楽を聴く快楽を楽しみたいと思いませんか?
音質云々より、これ良い曲だよねー、とか、この演奏ヤバいよねー、とかをみんなと一緒に話したくないですか?
音楽なんてそこらのコンビニやファミレスや居酒屋チェーンでも流れてますよね?今時、音楽なんて大した娯楽では無いですよね?

そんな風に思う音楽好きの方、音場・音質の違いなんて判らないって思う方は、ご自身が聴きまくった(できればCD)音源を持って、ぜひご来店ください。

それまでと違う、CD制作者が本来意図した「音楽」が聴こえてくるのを保証します。

この稿終わり。

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Mutsumu Nakajima

無差別音楽コラム

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