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なぜスタートアップは如何なる場合でも「自信」を失ってはいけないのか

※表紙「進撃の巨人」/諫山創 講談社より引用

エンプロイーサクセス事業「Well」を開発・運営するBoulderの牟田です。
弊社も先日に2期目を終えて、3期目に突入しました。今日は学びというよりも起業してからの所感になりますが、今回は「自信」について書きます。

「自信」を大きく分けると2種類ある

自信には大きく「根拠のある自信」「根拠のない自信」と2種類に分けることができます。今回書きたいのはどちらというと後者の「根拠のない自信」で、なぜ「根拠のない自信」をスタートアップが失ってはいけないのかを個人的な感想としてのまとめになります。

理由1「自信がなければなにもはじまらない」

我々スタートアップがチャレンジしていることは主に下記3つに当てはまるとことだと思っています。

1.ほぼすべてのスタートアップと言っていいほど「普通に(セオリ)」やっていたら必ずうまくいかない。
2.過去の事例がうまくいっているからと言ってうまくいくわけでもない。
3.今後のトレンドや追い風があるからと言ってもうまくいく保証もない。

つまり、どんなに優れたスタートアップであり、優れたマーケットで戦っているとしても、うまく行かない大変な時期必ずは来るし、想像し得ないハードシングスも来ます。

このような変動性の高い環境で大切なのは今この瞬間何にフォーカスし、フォーカスと決めたことをどこまで強度高く執行できるかがスタートアップにとって唯一信じられる真実だと思います。
フォーカスしたことをチャレンジして失敗すれば貴重な学びになりますし、なかなか成果が出ない無風状態であってもひたすらチャレンジし続けられるエネルギーを自信がもたらしてくれます。
事業においても無風状態を突破してうまくいけばスタートアップにとっての生命線、「モメンタム」が生まれて新しいチャレンジする機会を生み出して好循環をもたらします。

学習面でも「Sカーブ」法則というのがありますが、なにか新しいことを学習しようと思ったときに、非連続な成長をするには無風状態を突破しなければ次の成長サイクルにいけないと言う風に言われています。

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成長を続ける人は「S字カーブ」を何度もつなぎ合わせられる人。「最初のサイクルが終わった=壁にぶつかった」と感じても、また次の「立ち上がり」が始まるまで努力を続けられるかどうか。そこがミソです。見かたを変えれば、壁にぶつかることも一つの成功体験です。だって、壁にぶつかるまで努力を続けた、ということなのですから。悲観することなんて、まったくありません。成長を感じられなくなった事柄は、すでに習得した事柄。最初のハードルを越えて、一つの成功体験を積めたと胸を張って次に進めばいいのです。
柳沢 幸雄. 自信は「この瞬間」に生まれる (Japanese Edition)

ここでなぜ「自信」が重要なのか、上述したようにスタートアップのチャレンジ(特に初期)はほぼ確実うまくいく根拠がないことなので、もし自分達のチャレンジしていること、メンバーが自分自身に対して自信がないスタートアップならば、おそらくひたすらなんとなくの不安に襲われ続けます。
このような状態が続くとパニックゾーンに陥ってしまい、強度の高い行動ができなくなります。

スタートアップでチーム単位でこの状態に陥ってしまうと悪循環に陥ってしまい、本来うまくいくはずの計画もうまくいかなくなりますし、言い訳があふれるチームになってしまいます。そうなってしまえばどのような偉大なアイデアや大きなマーケットであっても失敗することが予言されていると言っても過言ではありません。

理由2「自信がなければ組織に負け癖という名の悪魔が潜むようになる」

人は失敗を恐れるものだとよく思われがちですが、逆説的に人は失敗の方に慣れています。(e.g:今日こそ早起きしようと思っていてもできなかったり、ダイエットしようと思っていてもうまくできなかったり...)日々生活しているとうまくいくことよりもずっとうまく行かないことの方が多いし、人は本来成功よりも失敗することの方が身近な存在です。

スタートアップの場合、日々失敗とうまく付き合って行かなければいけません。失敗から何を学ぶか、そしてどう次うまくいくかを考え続けることがスタートアップの醍醐味であり、楽しさでもあります。
一方で自信がないスタートアップだと失敗を学ばずそのまま認めるようになっていき、何がうまく行かなかった要因なのかを深く学ばない(学べない)ままうまく行ってないことを日々のスタンダードな状態として受け入れてしまいます。そうすると組織に「負け癖」という名の悪魔が潜むようになり、チームの表情から英気が失われ、セールスから開発までとあらゆるところに悪影響を及ぼします。

どの顧客も笑顔の少ないうまくいってなさそうなセールスパーソンから製品を購入したいと思えないでしょうし、うまく行かないだろうと思ってる製品を開発させることは拷問でしかないでしょう。

採用観点も同じように悪影響が大きいです。優秀な人であればあるほど、自信を持つ未来を信じ進み続けている人と一緒に働きたい、負け癖という悪魔に取り憑かれた組織には優秀な人がジョインしたくないし、そうすると組織もスケールしなくなります。

理由3「組織の主体性が失われて、変化を好まない組織に」

これは至ってシンプルな話です。自信を失ってしまうと、そもそも新しいチャレンジしたいと思えなくなります。
スタートアップで新しいチャレンジやオリジナリティがないことをやらなくなったらスタートアップとは呼べません。そして自信がない状態が続くと責任を持ちたくなくなる組織になっていき、変化を好まない組織になってしまいます。
そうするとよく言われる「大企業病」がスタートアップでも起き得るようになってしまいます。組織の中に評論家が生まれてチャレンジしている人の失敗をみて安心したり、場合によっては批判するような人も出てきてしまいます。
※大企業病について:CIAが組織をダメにするバイブルがまさに大企業病を生み出す手引書のようなものなので、反面教材としておすすめです。

まとめるとスタートアップに自信がある状態とない状態のメリット・デメリットは下記のようにまとめることができます。

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人生は宝くじじゃない、根拠のない自信で偶然を支配しよう。

ピーター・ティールの「Zero to one」に私が好きな「人生は宝くじじゃない」という言葉があります。

起業は、君が確実にコントロールできる、何よりも大きな試みだ。起業家は人生の手綱を握るだけでなく、小さくても大切な世界の一部を支配することができる。それは、「偶然」という不公平な暴君を拒絶することから始まる。人生は宝クジじゃない。
ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ. ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか (Japanese Edition) 

スタートアップをはじめる時はどの起業家にもきっと最初は「根拠のない自信」があったはずです。しかし長らくやっているとその「根拠のない自信」の重要性を見失ったりもする場合がある気がします。

私達のチャレンジしていることに永遠に自信を持ち続けてスタートアップから一緒にまだここにない人類の課題を解決する革新的な製品を生み出して行きましょう。

牟田吉昌(Yoshimasa Muta)
株式会社Boulder founder CEO
幼少期に中国の長期滞在経験あり、バイリンガル(日本語・中国語)
学生時代にスタートアップ立ち上げ等を経験後、株式会社リクルートホールディングスに新卒入社し、「AirPAY」に従事
その後株式会社フラミンゴにジョインし、取締役COOに就任
2019年4月に株式会社BOULDERを創業
エンプロイーサクセス事業「Well」をリリース、開発・運営
Twitter:@Yeahman18Roots

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