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博物館デジタル化調査報告 No.19 〜カナダ国立美術館〜

こんにちは。ミューゼオ株式会社の奈良です。

第19回はカナダの首都オタワにあり、ガラス張りの特徴的な建築で有名なカナダ国立美術館。今やミュージアムの楽しみ方のひとつとして確立されつつあるデジタルを活用したさまざまな施策をまとめていきます!

国内のミュージアムではあまり見かけない施策も含め調査し、「デジタル化やDXは手段や方法が色々ありすぎて何から手をつけたらいいのやら…」と悩んでいる方の参考になればと思っております。

調査はミュージアムの公式HPを中心にミュージアムとしての取り組みやSNSの活用方法を調査し、個人的に好きなミュージアムストアの情報なども取り上げています。(TOP画像はカナダ国立美術館公式Facebookを参照)


カナダ国立美術館の概要

所在:カナダの首都オタワ
正式名称: National Gallery of Canada
略語:NGC

ガラス張りの美術館をデザインしたのは建築家モシェ・サフディである。彼は建造物のデザインだけではなくその周辺地域の活性化などもプロジェクトに入れ活動している。

サフディの21世紀のプロジェクトは、地理的な広がりが特徴的です。新興市場のプロジェクトに取り組み、より短期間に、より大規模なプロジェクトを完成させた。これらの画期的な開発には次のようなものがある。シンガポールの象徴であるスカイパークと一体化した複合型リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」、マーケットプレイスとガーデンを組み合わせた新しいコミュニティ中心の空港タイポロジー「ジュエルチャンギ空港」、100万平方メートル以上の住宅、オフィス、小売、交通、ホテルプログラムを備えた複合型開発「ラッフルズシティ重慶」などがある。彼は世界最長の「水平超高層ビル」を制作した。サフディと彼のチームは、スカイブリッジと多層階の接続性を利用して、超高層ビルをより利用しやすくした。

モシェ・サフディWikipedia日本語訳より引用

建築家モシェ・サフディ氏は1度は見たことのある建築の多くを手がけており、代表的なのはカナダのケベック州モントリオールにある近代的な立体集合住宅「アビタ67団地」や今やシンガポールの象徴となった統合型リゾート「マリーナベイ・サンズ」などがある。

アビタ67団地wikipedia参照
マリーナベイ・サンズWikipedia参照

Webサイトの内容

〈開館時間〉※月曜日・火曜日は休館 ※木曜日は20時まで開館
水・土・日曜日 10:00~17:00
木曜日 10:00~20:00

〈チケット〉※事前予約が必要
10:00~15:00まで30分刻みで予約可能。

【1】オンラインプログラム

1回50分のオンラインプログラムを提供。ギャラリーにおける特徴的な作品の紹介や展示室ごとの解説など様々なテーマが展開されている。

https://www.gallery.ca/learn/for-adults/adult-group-webinars

ADULT WEBINARS,カナダ国立美術館Webページ参照


【2】音声ガイドの公開

NGCでは音声ガイドをWebサイト上に公開している。どのような展示なのかを確認してから、または展示会後の復習としても活用できるようになっている。

https://www.gallery.ca/whats-on/exhibitions-and-galleries/canada-and-impressionism-new-horizons-audio-tour

CANADA AND IMPRESSIONISM: NEW HORIZONS - AUDIO TOUR,カナダ国立美術館Webページ
参照

【3】カレンダー機能を使ったイベント情報

多くのミュージアムでは「展示会ごとの」スケジュールを公開している中、カレンダーで日付を選ぶとその日に開催している展示会がわかるようになっている。ミュージアムを訪問するに日のイベントが分かりやすくなっている。

https://www.gallery.ca/whats-on/event-calendar/month

EVENT CALENDAR,カナダ国立美術館Webページ参照

SNSでの活動

NGCでは3つのSNSを利用して情報を発信。YouTubeも積極的に活用している。様々な媒体を使って作品紹介を発信しているため、自分の好きな媒体で情報をチェックできる。

Facebook

イベントについてがメインで発信されている。

カナダ国立美術館公式Facebook参照

Twitter

Facebookと同じくイベントについて投稿されている。

カナダ国立美術館公式Twitter参照

Instagram

作品や展覧会について投稿されている。

カナダ国立美術館公式Instagram参照

YouTube

〈チャンネル登録者数〉1.56万人
〈本数〉約570本
〈配信開始〉8,253 回視聴2009/06/17(12年前)
〈最高視聴〉7,670,385 回視聴
 内容:創造性の心理学を探る


Store情報

こちらからはNGCでしか買えないようなアイテムを紹介。オンラインでも購入可能だ。

●カナダの葉を加工したオブジェ
カナダの首都オタワにある美術館ならではのアイテム。カナダの葉から作られているため細かい部分まで表現されている。

Copper Maple Leaf Ornament参照


●マイボトル
NGCならではの柄が入ったボトルは全18種類も展開。アーティストとコラボしたボトルなども販売している。

Water Bottles参照


●陶芸キット
オリジナルの器を作るための粘土やペンキ、その他の道具なども入った陶芸キット。ろくろや焼成が必要ないため自宅で完成させることができる。

Club Terracotta DIY Pottery Kit参照

まとめ

▶︎オンラインでのイベントも多く開催されている
▶︎音声ガイドの公開はウェブ上での集客に効果がありそう
▶︎情報の発信はそこまで積極的ではないが写真を活用しているため目に留まる投稿が多い

カナダ国立美術館ではオンラインにおけるイベントの開催やWebページ上での音声ガイドの公開などの点でデジタル化をしていました。他のミュージアムにおいても取り組みやすい良い事例だと思いました。

次回は美術史美術館について調査していきます。ウィーンの美術館ではどのような取り組みがあるのか。お楽しみに!



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