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藤井風「帰ろう」|この曲を語りたい 01

趣味はなに?と聞かれたら、音楽を聴くことと答える私。
ただ、音楽の良さを語ることが毎度できない。

ということで、「この曲を語りたい」シリーズを始めてみることで、音楽の良さを語れる人を目指していきたいと思う。

第一弾は藤井風の「帰ろう」

好きな歌手と聞かれたら、私は藤井風と必ず答える。毎日聞くわけではないけど、この世界に藤井風の音楽があることを知っているから、安心して生きられている部分があったりする。

そんな私が最初にいいな!と思った藤井風の曲が「帰ろう」

「帰ろう」はどんな曲?

端的に言えば、藤井風の死生観を表している曲と言えるだろう。

MVを見てみると、それがよく分かるのではないかと思う。

いろんな世代の方々が、一本に続く道を歩いて行き、大切な人とお別れするMVだ。

藤井風の死生観として印象的なのは、
1.死を帰ると表現すること
2.「忘れる」「手放す」「流す」など持たないことに価値を見出していること
といえるのではないか。

あえて歌詞をピックアップしてみると、

去り際の時に何が持っていけるの
ひとつひとつ 荷物 手放そう

「帰ろう」藤井風


私のとっての「帰ろう」


受験期の中でできることを1つでも増やして、他者と差をつけなければならないとせき立てられて苦しかったときに救われた曲だった。

私には藤井風の最初から何も持っていないんだから、すべて手放そうという考え方がとても新鮮で、ぶっささる考え方だった。

怖くはない 失うものなどない
最初から何も持ってない

ああ すべて与えて帰ろう
ああ 何も持たずに帰ろう
与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとう、って胸をはろう

憎み合いの果てに何が生まれるの
わたし、わたしが先に 忘れよう

「帰ろう」藤井風

私たちは最初何も持っていなかったんだ。
今持っているように思えることはこの世界に生まれてから与えられてきたことなんだ。
ならば、それを返そう。
返すために生きよう。

決してだれかよりも自分が優れて「持てる人」になるために努力するのではなくて、返すために努力するんだ。
そう思ったら救われた思いだった。

今できないことに向き合っている自分、境遇に嘆きたくなる自分、あれやこれや今までの人生を憎んでしまう自分、いろいろあったけど、そんなことすべて忘れよう。
そして、たくさん与えられてきた恵みを返すために生きよう。

みんなみんな少しでも酔い大学に行けるように努力しよ、とせき立ててくるが、だれもがよい人生を過ごせるように祈って、私は私が返せるモノを帰すために努力しよう。

そんな受験期を過ごしたからこそ、今の私があると思う。
決して優れた人間になろうとするのではなくて、いかにすれば少しでも社会に貢献できるか。
たくさん与えられてきた恵みを返せるのか。
そう考えて生きられるようになったと思う。

ということで、私にとって藤井風の「帰ろう」とは、
私の苦しみを解き放ち、生きることに前向きになれた曲、と言えそうだ。

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