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【おしえて!妊活】 低用量ピルと妊娠

ひと昔前に比べ、ピルのハードルが低くなった昨今。
月経困難症や避妊目的で内服する方が増えていますよね。

ちなみに私も月経困難症&過多月経で、低用量ピルのお世話になりました。
低用量ピルのおかげで月経にまつわるストレスがかなり軽くなり、「ピル、最高!」なんて思ったくらいでした。

ホルモン剤を飲むなんてと敬遠されがちですが、副作用や合併症はどの薬にもあるし、症状のつらさは本人にしかわかりません。
低用量ピルに限ったことではありませんが、メリット・デメリットを知った上で本人が選択するのであれば、私はそれを尊重したいと思っています。

さて、需要が増えた低用量ピル。詳しいことは良く分からないけれど妊娠前にはやめるんだよね?って聞かれることがよくあります。
なぜやめなきゃいけないのか、どんなことに注意すればいいのか、結構大事なんです。耳寄りな情報を、これからご紹介しましょう。


妊娠しようと思ったら

不妊の原因となる子宮内膜症などの治療にも治療薬として使われている低用量ピルですが、内服中は卵巣をお休みさせるべく、排卵が起きません。

排卵が起きないわけですから、妊娠したいと思ったら低用量ピルの内服はやめますよね?


だけどすぐに妊娠したらダメなんです。
それには準備が必要になるんですよ。

もちろん妊娠に関係なく、低用量ピルには注意して欲しいことがあります。


低用量ピル内服のデメリット

低用量ピルの副作用としては、吐き気や不正出血、むくみ、乳房の張り、頭痛などがあると言われていますが、これも個人差があります。
(私の場合、副作用はまったくありませんでした)

血栓症のリスクも高いので、喫煙されている方や、血栓症や脳・心血管障害の持病がある方は内服できません。

そしてもっとも妊娠に対するデメリットがあります。

ビタミンB群の吸収やはたらきを阻害してしまう

ということなんです。


ビタミンB群って?

ビタミンB群は水溶性ビタミン8種類の総称です。

ビタミンB1 、ビタミンB2 、ナイアシン、パントテン酸 、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸 、ビオチン

ビタミンB群は、エネルギーを作り出す体内のクエン酸回路に大きく関わっています。(クエン酸回路はエネルギーを作る工場をイメージしてみて)

偏った食事や、もともと食が少なかったりすると、ビタミンB群はもちろん足りなくなって、カラダの中でエネルギーが作られなくなります。(工場の生産ラインの動きが悪いというイメージ)
ということは・・・・そうです、疲れやすくくなったり、疲れがとれないという状況に陥ってしまいます。


低用量ピルにはビタミンB群の吸収を阻害するデメリットがあるので、積極的に摂らないと、肌あれ・疲れやすい・食欲不振・貧血・皮膚炎・舌炎・口内炎・口角炎などの症状がみられる可能性があります。




妊娠するには

お気付きですね?
そうです、葉酸です。
二分脊椎予防に妊娠前からの葉酸摂取が推奨されていますよね。

ただでさえ不足しがちな葉酸、低用量ピルによる吸収障害があればかなり不足することが予測できます。

低用量ピルを飲みながらも将来妊娠を希望しているなら、葉酸だけでなく、他のビタミンB群も十分補給しておかなければなりません。


ビタミンB群の吸収障害の程度は食事の摂りかたや生活習慣などによって個人差があります。
どの程度ビタミンB群が補われているかは未知数なので、低用量ピルの内服をやめてすぐ妊娠することはちょっとまった方が良いと私は考えています。




妊娠のタイミングは?

願った時に妊娠できれば一番良いのですが、そうもいかないのが妊娠です。
低用量ピルを内服中からビタミンB群だけでなく、1日3食しっかりご飯を食べることが大切です。

ビタミンB群は、肉、魚、卵、牛乳、納豆、貝類などのタンパク質食品や、緑黄色野菜、ナッツ類、バナナなどにも含まれていますが、普通に食べていたら十分とれる栄養素です。

妊娠を意識しているのであれば、葉酸サプリやビタミンB群サプリをプラスしても良いと思います。

低用量ピルをやめてから、2~3ヶ月はしっかりと栄養を摂り、タイミングをとることを私的には推奨したいと思っています。



まとめ

いかがでしたか?
低用量ピル内服中の方の妊娠のタイミングをご紹介してみました。
ポイントをまとめています。

①低用量ピル内服中からしっかり食べる
②葉酸サプリ、B群サプリを併用する
③低用量ピル内服をやめてから①②を2~3ヶ月つづけタイミングをとる


低栄養ピルを内服していなくても、貧血気味だったり、疲れやすくて肌荒れや口内炎ができやすかったりする場合は、ビタミンB群不足によるエネルギー不足が考えられます。

ちょっとした不定愁訴的な不調は、栄養不足だったりするので、まずは欠食しないように、しっかり食べることで補ってみてください。

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助産師の視点から、こんな感じで妊活やプレコンセプションケアについて書いています。マガジンにもまとめています。


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罫線優しさ系


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パラレルキャリアをもつフリーランス助産師です。歩くパワースポットと呼ばれるくらい幸運体質な私が、妊娠/出産/子育て/女性の健康/の情報発信と日々のくらしのよしなごとをエッセイでつづっています。サポートしていただけたら最高にうれしいです!