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旅行中に聞きたい映画サントラ集

旅と音楽はとても相性が良いと思う。音楽はジャンルによって特定の文化と紐づくことが多く、異文化に入っていく旅の途中で聴くと気分がとても高まる。

僕は特に映画のサウンドトラックが好きで、ジョンウィリアムズからハンズジマーまでサントラはいっぱい聴いている。映画だと特に、その映画のロケーションと音楽が完全にシンクロするから、例えば中国に行くなら中国が舞台の映画のサントラを聴けばそれだけで相性がとても良い。

今回は、僕が思う旅行中に聴くべきサントラ、あるいはその中の特定のトラック含めて紹介する。
サントラとそれに合う場所の形で書くから、自分が行きたいところを探してみてね。

洋画

Ratatouille - パリ

これほどパリを体感できるサントラはないんじゃないかというほどパリ度マックスの曲。メインテーマはそもそもフランス語だし、これを聴けば東京にいてもパリにいるかのような錯覚ができる。
ちなみに邦題の「レミーとおいしいレストラン」があまりにクソなので必ずRatatouilleって言うように心がけている。

Davinci Code - パリ

特にルーブル美術館の三角形のピラミッドと映画が関係してるから、ルーブルに行った時に聴くと良い。
日本人は聖歌とかキリスト教風の曲をあまり聴いたことがないからDavinci Codeシリーズは良い導入になると思う。ただ映画自体は前提知識を含めてちょっと難しい。

Angels and Demons - ヴァチカン、ローマ

Davinci Codeの続編。この2作目はヴァチカンおよびローマが舞台で、サントラは1作目以上にカトリック教会の超神聖な感じが体感できる。マジで荘厳な感じを最大限引き出してるから、サンピエトロ広場とかで聴くとキリスト教にすぐにでも入信したくなるレベル。
Apple MusicとかSpotifyだと短いバージョンのアルバムしかなくて、YoutubeとかSoundcloud上にある長いバージョンに良いトラックが入ってるからそれを聞いた方が良い。

教皇の秘書長役がEwan Mcgregorだからオビワンにしか見えない

Mr. Bean's Holiday - 南フランス、コートダジュール

Mr.ビーンは元々イギリスのTV番組で、2回映画化されたんだけど、Mr. Bean's Holidayはその2本目。邦題は「Mr.ビーン カンヌで大迷惑」なんだけど、これも子供っぽくて響きがクソなので原題の方が良い。
一見単なるコメディー映画なんだけど、常に曇天のイギリスに住んでる人にとって南フランスへのバカンスがどんな意味を持つのか肌で体感できる。メインテーマがすごく明るく綺麗で、南フランス・コートダジュール・ビーチ・ドライブみたいな状況で大活躍。
ちなみにこれは「映画をテーマにした映画」でもあるので、カンヌ映画祭に行くストーリーも含めて映画好きにもおすすめ。

クラシックなMiniで南フランスをドライブできたら楽しいだろうね

New Cinema Paradise - シチリア島

主人公が、自分の育ったシチリア島の思い出を回想する言わずと知れた名画。メインテーマは、シチリア出身でもないのにノスタルジアを感じてしまうほど良い。
僕はヨーロッパ周遊でシチリアまで足を伸ばせなかったけど、次回はぜひ行きたい。実際に映画のロケが行われた村がシチリアにあるので、死ぬまでに絶対行きたいと思ってる。

映画を描く映画は良いよね

Harry Potter - スコットランド

未開の地に迷い込んでいくような感じが神。特にロンドンのキングスクロス駅からホグワーツエクスプレスで北上していく場面が好き。
色々な派閥があるけど、僕はアズカバンの囚人がダントツで好き。映画としての完成度が段違いだし、作曲もジョンウィリアムズ。
ただ全部の映画にそれぞれ良い曲があるからそれを聴き回すのも良いよね。

個人的ハリポタ見解
イギリス人にとって未開の地は常にスコットランドやアイルランドである。アングロサクソン系の都市部に対して、スコットランドなどの辺境はケルト人の逃避先だった。だからイギリスが舞台のファンタジーは必ずスコットランドかアイルランドに行くことになる。ハリポタもそうだし、ナルニア、ホビットなんかも思い浮かぶ。
一方、アメリカ人にとって未開の地はWild Westあるいはフロンティア、つまり西部劇の荒野の世界。数多くある西部劇映画には大体無法者や先住民と遭遇するし、アメリカでいうファンタジーであろう。
日本人にとっては恐らくトトロで描かれるような裏山・里山とかの森の中の霊的な空間だと思う。千と千尋とかもそういう側面があるけど、日本の場合島国だから先住民とかではなく八百万の神的な霊的世界がファンタジーの対象じゃないかな。まあ蝦夷地とアイヌの関係性は若干アメリカのフロンティアに似てるけど、規模感がやはり違う。
中世のドイツも日本にすごく似ていて、狼とか盗賊がいるような、黒い森と呼ばれるシュヴァルツヴァルトがそれに当たる。今でこそドイツの森はかなり減ったけど、昔は国土の大部分が黒い森で覆われていて、その世界観で一番わかりやすいファンタジーとしては、「赤ずきん」の話だろう。
他の国の例としてはロシアでいうシベリア、中国でいう西域とかもそうかな?正直あまり詳しくないけど、シベリアや西域に関するファンタジー的文学や映画は結構あるんだろうな。

僕の感想より

Narnia - スコットランド

ハリーポッターとシナリオが全く同じナルニア。第二次大戦時に疎開するためにロンドンから鉄道で北上し、未知の世界に迷い込む。
おすすめのトラックは2番目のEvacuating Londonで、映画の中ではオープニングシークエンスの時に流れる曲。曲名通り、鉄道に乗ってロンドンから避難するわけだけど、旅に出る感があってすごく良いよ。ハリーポッターとマジで一緒だけど。

Bourne - ヨーロッパ、特に東欧

ボーンシリーズはアクション映画の中でもサントラが良い。アクションのテンポ感・緊迫感と、一人で街を彷徨う物悲しさみたいなのが共存してる感じ。映画で出てくるベルリンやモスクワといった東欧の雰囲気とサントラがすごくマッチして、僕は東欧にはまだ行けてないけど、そこで聴いたらマジで寂しい気持ちになって感動すると思う。
日本でも、混んでる駅とかでイヤホンで聴くと自分がジェイソンボーンになったような感覚を味わえるから、通勤通学が楽しくなる。

社会主義時代の団地の感じとかにめちゃ曲が合う。

A Mi Manera - スペイン

A Mi ManeraはGypsy Kingsの曲で映画サントラじゃないけど超スペインを体感できるから一応載せておく。この曲は元々フランクシナトラが有名にしたMy Wayっていう曲のカバーなんだけど、アレンジを加えてスペイン語で歌ってるだけで一気にスペイン度が増してる。

The Last Samurai - 日本

日本の田舎に行くならこのサントラを聴くと良いと思う。外国人が日本テーマの映画とかサントラを作ると日本っぽさをマックスまで跳ね上げてくるから結構良い。作曲家はハンズジマーなんだけど、よく外国人がここまで日本風の曲を映画に合わせて作れるよなといつも思う。
ゲームとかも同じ理論で、対馬が舞台のゲームGhost of Tsushimaのサントラもかなり良い味が出てる。

日本人的な感覚が正しく表現されてるのか僕にはよくわからんけど、少なくとも雰囲気だけは侍そのもの。

KungFu Panda - 中国

日本でそこまで広まってないけど、KungFu PandaはDreamworksの大ヒット作。1作目が本当に素晴らしくてそれ以降続編やらアニメやら色々出てるらしい。
サントラが特に素晴らしくて、これもハンズジマー。カンフーとか中国的な世界観を体感できて、中国の秘境とかに行きたくなるね。

パンダがカンフーをやるっていうすごく安易な設定だけど、良い映画。

The Last Emperor - 中国 (特に紫禁城)

少し前に坂本龍一が亡くなっちゃったけど、ラストエンペラーのサントラは後世に残る作品。
映画自体は、2歳で清王朝の皇帝に即位した、何千年という歴史がある中華王朝最後の皇帝である愛新覚羅溥儀の物語なんだけど、そのシナリオそのものが超面白い。
そしてサントラがこれまた味があって、今すぐ北京の紫禁城に行きたくなる。

Seven Years in Tibet - チベット

チベットに行くのは少しハードルが高いけど、この映画のサントラは良い。映画の中ではチベットと中国の係争が描かれていて、チベットの人たちはかなり酷い目に遭ったのがわかるけど、その結果中国側がチベットまで鉄道を開通させて今では旅行がしやすくなってるみたいだからなんとも微妙な気持ちになる。
ちなみに作曲者は偉大なジョンウィリアムズ。

The Lion King - アフリカのサバンナ

ここらへんからちょっと雑になるけど、アフリカに行くならとりあえずライオンキングかな。やっぱり一番良いのはCircle of Life。
あとブロードウェイミュージカル版のサントラもかなり良くて、オリジナル映画にはなかった追加の曲があるから聴くべき。

Aladdin - アラブ諸国

ディズニー続きでアラジンなら中東圏、アラブ圏と合う。

Madagascar - マダガスカル、ニューヨーク

マダガスカルとニューヨークという、サバンナとコンクリートジャングルの両極を体感できる数少ないサントラ。特に映画のストーリーが、NYの動物園の動物たちがマダガスカルの野生の地に行くという感じなので、旅とも親和性が高い。

Titanic - 大西洋の海上

映画、旅、サントラといったらタイタニックをとりあえず入れときたくなる。昔に比べて、現代において船で旅することは極端に減ったけど、憧れはあるしこの映画はそれを体感できる。
ただ、海上でこのサントラを聴くと船がワンチャン沈みそうだから若干悩む。特に氷河がわんさか浮かぶ北大西洋の海上でこれを聴いてる人がいたらかなり勇気があると思う。

Finding Nemo - 海中、シドニー

個人的にピクサーの歴代No.1作品。正確にはオーストラリアとその沖合のグレートバリアリーフが舞台だけど、ニモのサントラは海中にいる感がものすごい。特にHaikuっていうトラックとか、静かで雄大な海の感じが素晴らしいし、とにかくメインタイトルが神曲なのでこれだけでピクサーNo.1の称号を与えて良い。

Pirates of the Caribbean - カリブ海

海賊船っぽい船で世界一周クルーズとかがあったら絶対人気になると思うんだけど、そんなことはどうでも良くて、パイレーツオブカリビアンのサントラはめちゃ神。作曲家はハンズジマーで、カリブ海の島々を巡るときは絶対聴きたい。
この映画シリーズは、トルトゥーガとかコルテスとか、歴史や地理の単語がちょくちょく入ってくるから、完全な空想だけど現実的な雰囲気があって面白いなと思う。旅にはぴったりだし、冒険をしたくなる。

Star Wars - 宇宙

僕が一番好きな映画だから入れざるを得なかった。将来的に宇宙旅行が普及する可能性は全然あるので、一応テーマからは逸れていないと思う。実際、前澤友作を含めて結構いろんな人が宇宙に行ってるから、イーロンマスクに全力で頑張ってもらって、宇宙でスターウォーズのサントラを聴ける日が来て欲しい。
一つだけ言えるのは、ジョンウィリアムズが世界一の作曲家だね。フォースのテーマを超える旋律はないんじゃないかな。

スターウォーズも結局旅の話だから全然OK

日本の映画、番組

魔女の宅急便 - ドブロブニク、ポルト、リスボン

ずっと観たことなかったんだけど、ヨーロッパ旅の時にNetflixでジブリが観れたから初めて観た。そこまで良い映画だとは思わなかったけど、旅・冒険・海外みたいなテーマで雰囲気は好き。
正式にはドブロブニクがモデルの街と言われてるらしいけど、僕的にはポルトとかリスボンの方が似てる気がする。ドブロブニクはマジで観光地って感じだけど、ポルトやリスボンは割と都市だし、坂や建物の感じが魔女宅に近いと思う。
サントラは良くて、まあ「海の見える街」が一番でしょ。

ポルトの方が似てね?

天空の城ラピュタ - モンサンミシェル、エズ

個人的にジブリ歴代No.1作品。冒険・旅・飛行機みたいな超楽しい映画で、サントラも素晴らしい。久石譲はすごいね。
この映画も歴史的なワードがセリフにちょっと入っていて、ラーマーヤナとかガリバー旅行記とか現実風で良い感じ。
現実世界でラピュタは何に似てるかって言うと、建造物の形的にはモンサンミシェル、ロケーションとか高低差を含めて雰囲気はエズに似てるかな?あとは山岳地帯の城の廃墟とかが似てるだろうけど、そういうのありすぎてここでは割愛。いずれにせよフランスに行けば体感できる。

鷲ノ巣村のエズはロケーションと、建物+植物の配置がラピュタっぽい。

エヴァンゲリオン - ルーブル美術館

サントラとは言えないけど。あでもエヴァンゲリオンの主題歌的な感じだっけ。エヴァンゲリオンは興味ないから見てないけど、宇多田ヒカルの曲は良い。
宇多田ヒカルは「ルーブルはなんてことはなかった」って言ってるけど、僕はなんてことはありまくって、正直予想以上のスケールと価値を感じた。モナリザは確かになんてことはなかったんだけど、というか激混みでまともに見れなかったんだけど、他の作品含めて1日かけても見切れないと思う。

世界に車窓から・世界の街道をゆく - 鉄道、街道

もはや映画でもサントラでもない気がするけど、TV番組からも少し。
世界の車窓からと世界の街道をゆく、似てる名前だし似てる番組だけどどちらもテーマ曲が素晴らしい。特に世界の車窓からは本当に楽しくて、テーマ曲、番組内容、解説とかが完璧だから全部Youtubeとかで公開してほしい。
テレビ朝日がこのまま衰退していって視聴率を取れる番組が少なくなった状況になったら年中無休で世界の車窓からを再放送しまくって欲しいなあ。

海外の鉄道旅をしてる時、車窓から外を眺めながらこの曲を聴くとマジで番組の中にテレポートしたみたいだから試して欲しい。本当に感動するレベルで体感できる。
街道の旅はあまりやったことがないけど、やる時には同じことをしてみようと思った。

世界遺産 - 世界遺産

こちらはTBSだけど、これも結構好き。世界遺産っていうありきたりなテーマだけど、全然面白いしオープニング・エンディング曲が良いのでたまに観る。
世界遺産に行ったときにはぜひ聴こう。

映像の世紀 - 負の遺産

歴史ドキュメンタリー番組で一番面白いんじゃないかな。歴史秘話ヒストリアも、Kalafinaのテーマ曲が良いしかなり好きだったけど、映像の世紀はすごい。
シリアスで重要な歴史的事実を、重要であることを感情的に理解することができる番組で、それはサントラがそれだけ良いからだと思う。いくら解説や映像で頑張っても、心情に働きかけて残るのは音楽だからサントラは超重要で、映像の世紀の特にオープニングやエンディングはびびるレベルで感動的。
すごく暗い音楽だからワクワクはしないけど、アウシュビッツみたいな負の遺産との相性がとても良くて、暗い過去を見つめる的な状況で活躍する。映像の世紀を見てると、改めて20世紀って結構ひどい100年間だったんだなと感じるよね。


以上、とりあえず思いついたサントラを列挙してみた。他にもあったら今後また紹介するかも。

サントラのほうが普通の曲よりも長く、深く楽しめると思ってるので今後も探していこうと思う。

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