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【イギリス保育園で学ぶ】私を好かない赤ちゃんと仲良くなった話

10月から働き始めて、丸4ヶ月が経つ。

夫はイギリス人だし家庭での会話は英語が大半ではあるが、夫以外の人間と英語を話すのが非常に苦手な私には、週5日40時間イギリス人の中で働くことは、簡単なことではない。

そんな自分ではあるが、ベビークラスに配置され、8人の女性スタッフたちに囲まれなんとか働いている。

未だに世間話はついていけないし、指示も聞き返す。

会話のキャッチボールにはなかなかならない。

一方、見習いの身ではあるが、ベビー期を過ぎた子供2人がいるからか、どんどん仕事を振られた。

各ベビーにはそれぞれ担当のスタッフがいて、私他2人は補助。

担当スタッフは、タブレットで写真やおむつ替えの状況、食事の量などを親に送ったり、お迎え時に話をしたりする。

補助員は、親とのやり取りは一切ないが、それ以外、ベビーと触れ合う時間はほとんど変わらない。むしろ、タブレットに没頭しない分ベビーと遊んでいるかもしれない。

ほとんどのベビーと問題なく過ごせていた中、一人だけ、私と目が合うと泣きそうになる15ヶ月位の女の子がいた。彼女は、決まった大人にしか寄り付かない子であった。

ある日、私は3人のベビーを連れて、隣の部屋に行くように言われた。その部屋に行ったら数時間その子達を付きっきりでみなければならない。不運にもその中に彼女がいた。彼女はドアのところから動けず私の方に来ようとしなかった。泣きそうな声で眉毛を八の字にしながらこっちを見ている。目が合うと泣いてしまうので、できるだけそらしつつも彼女の安全を見守った。

幸運にも、この前日に、子供用番組をみて歌を覚えていたので、大人は誰も見ていないし、歌ってみることにした。英語バージョンの♪い~と~まきまき。

Wind the bobbin up
Wind the bobbin up
Pull, pull, clap, clap, clap
Wind it back again
Wind it back again
Pull, pull, clap, clap, clap

Point to the ceiling
Point to the floor
Point to the window
Point to the door
Clap your hands together, one, two, three
Put your hands upon your knee

発音はあっているのかいまいち自信はないが、大きい声で楽しそうに、振り付けも交えながら歌った。すると、なんということか!

その女の子が floorの箇所で床を指し、doorの部分でドアを指さしている。
そして、歌の終わりに、イエーイといって拍手をしてくれた。

その後この歌を永遠に歌い続けた。

これをきっかけに、本人から抱っこを依頼されるようになり、彼女の数少ない信頼のおける大人の仲間入りを果たしたのである。歌ってすごいな。

これ以降彼女とはとても仲良くなり、今では部屋に入ると寄ってきては抱っこや膝に座って本を読む仲になった。

彼女が最近覚えたであろう単語は、これ。

Done
Back

私と他の子が絵本を読んでいると、彼女が一目散に寄ってきて、Done(おしまい)といって、その本を無理やり閉じ、持っていこうとした。続いてBack(もどす)と行ってその本を本棚に片そうとする。たまらなく可愛い。

自宅で我が子の1-2歳期の動画や写真を見返して思った。親としては、他人に預けることは不安がたくさんあるはず。ベビーは保育園では20人のうちの一人ではあるが、私はいちスタッフとして、ここにいる全てのベビーのこの愛おしい時期にたくさん愛情をかけて精一杯お世話したいと改めて思ったのである。





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