「アウトプットの質と成長の落とし穴」
「急がば回れ」という言葉がある。
危険な近道を通るより、安全な回り道をした方が、結果的に早く目的地に着くという意味だ。
転じて、急いでいる時こそ焦らず、順を追って進めた方が、結果的にうまくいくという意味でも使われる。
使い古された言葉だけど、改めて考えてみると意外と重要な教訓だと思う。
だって人間は、中長期的な視点で物事を考えるのが苦手だから。
人の脳は、そういうふうにできていない。
目先の利益を、優先してしまいがちだ。
特に焦っている時なんて、じっくり思考する時間がないのだから、余計近道がしたくなる。
近道を行く方が、直感的なんだ。
話は変わるけど、
アウトプットの質を高めるには、一時的に質を犠牲にして、とにかく実行してみた方がいいと、最近気づいた。
なぜなら、経験やデータに基づかない人の仮説・見積もりは、とても精度が低く、楽観的で、ほとんど役に立たないから。
それは、ほぼ間違いなく、現実とマッチしない。
つまり、経験値がない(あるいは少ない)状態で、どれだけ質を追求しても、それは上手くいかないんだ。
だけど、なんとなくブログの初投稿とか、ビジネスアイデアとか、そういうものって、最初に結構頑張ってしまうんだよね。
完璧主義的な人ほど、最初からしっかりやってしまう。
けっこう後になって、ある程度自分が成長してから見返すと、初期のアウトプットがダメダメだったことが分かったりする。
なので、「良いアウトプットをする」のではなく、
むしろ、最初は「アウトプット自体」に集中し、慣れることが重要だ。
実際に、アウトプットすることで、経験やデータを得る事ができる。
人の意見や反応を、得る事ができる。
それが、結局1番の学びになるんだと思う。
つまり、質を高めることにつながる。
直感に反するが、アウトプットの質を高めるには、質を犠牲にしてひたすら実行することに振り切ってしまう期間・段階を設けることが有効だ。
遠回りは、半直感的なんだ。
でも、実際は、驚くほど多くの人が「近道」をしようとする。
仕事や、コミュニケーション、人に何かをお願いすること、記事を書くこと、プロダクトの開発など、
あらゆるアウトプットに言えることだけど、始めは理想通りには出来ない。
その理想と現実のギャップに、プレッシャーや焦りを感じてしまう事もある。
そして、焦っている時、早く結果を出したいと思う時こそ、目先の結果を求めてしまう。
だから、上手くやろうとしてしまう。
でも、その「近道」には落とし穴があるんだ。
初めから、上手くはできない。
ほとんどの場合、その時に費やした労力は結果に反映されないんだ。
質に執着して、アウトプットに余計に時間がかかったり、実行自体が怖くなったりもする。
何より、色んな理由をつけたり、考えているふりをして、今すぐに実行をしない言い訳になっている。
だから、質を高めて「上手くやる」には、とにかく実行して、できるだけ多くの学びを得るしかない。
そのためには、一時的に質を犠牲にして、実行に全振りしていいと思っている。
回り道をした方が、結果的に上手くいく。
きっと、本当に単純で簡単なことなら、初めから良い結果を出せることもあると思う。
でも、たいてい自分を焦らせる問題というのは、そうじゃない。
簡単に、結果はついてこない。
だから、現状の「質」に執着しすぎず、
ダサい状態のアウトプットを恐れず、
何度も何度も実行して、感覚を掴む必要がある。
大量の経験から得られた学びを反映させることで、初めて本当の成長が実感できる。
そして、目先の結果ではなく、長いタイムスパンで思考することを意識しないといけない。
初めはダサいものを量産していたとしても、その方が、結果的に遠くまで行けるんだと思う。
「急がば回れ」
使い古された言葉だけど、改めて考えてみると意外と重要な教訓だよね。
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