メモ:コミュニティの健康診断
「コミュニティ・データサイエンティスト」という聞きなれない職業。
コミュニティの健康診断ができるというお話を聞く会に参加しました。
コミュニティの熱量がデータでわかっちゃうなんて、どういうこと?
ゲストの鈴木駿介さんは、「コミュニティの力で、日本を芸術文化大国に。」を掲げるオシロの熱量研究所の所長さん。
法則
コミュニティのメンバーアクションには、1%の法則がある。
Arthur C. (2006), "What is the 1% rule?"
発信をする人:コミュニケーションをとる人:見るだけの人(ロム専)
=1:9:90
これが、オシロのコミュニティでは割合が大きく変わります。
Creator :Booster :Audience
=20:50:30
メンバー同士(n:n)のコミュニケーションを大事にしているのが現れているのでしょう。
ロム専の活動量も計測できる仕組みが面白そうです。さらに、「やさしさ」を可視化するような仕組みも研究中だそう。すごい!
コミュニティの成長スパイラル
4つの段階を踏んでコミュニティが成長していきます。
↘ はいる → なじむ → はずむ → にじみでる ⤴
はいる:立ち上げ時は、熱量の高いメンバーを集める
なじむ:新しいメンバー同士、新旧メンバー同士がなじむ
はずむ:なじむとコミュニケーション量が上がり参加度が高まる
にじみでる:参加度が高まると満足度が高まり、口コミ、発信する
⤴ 口コミ、発信により新メンバーを呼ぶ
コミュニティに入る前には「aboutページ」でどんな活動をするのかを説明。入会後は目に付くところに「welcome記事」を置き、ガイドラインや、最初にやってほしいことなどをまとめておく。
これで、「期待値を調整する」ことができるんじゃないかと。
雑談がしやすいスレッドがあると「おはよう」「おやすみ」「ランチにカレー食べたよ」とか、軽いコミュニケーションをとりやすくなる。
新旧メンバーがなじむには、「傾聴と承認」を大切にしていくことがコツ。オンラインでこれを実現するのは「いいね」をつけたり、投稿に反応したりすることですね。
そして、アウトプットは「にじみでる」ものであって、いきなりできることではないのですね。ものすごく納得です。
成長の段階を、「コミュニティ・データサイエンティスト」がデータで出してくれるのは、健康診断のようなもの。いずれは「コミュニティ・ドクター」や「コミュニティ・薬剤師」がでてくるかもしれませんね?(あずさん、うまいこと言う)
おわりに
私が参加している朝渋オンラインのコミュニティは、早起き村の村長のもとに集まったメンバーを「村民」と呼んでいます。役割として、Creator :Booster :Audience を意識してみると、自分が貢献できることはBoosterとして「いいね」を押したり、コメントを書きに行くことかなぁ、なんて思います。
コミュニティづくりの教科書
さらに「イベントを盛り上げる神業」を知りたい方には、河原あずさんが共著のこちらの教科書がおススメ。巻末に101の神業が載っています。
参考リンク
参加者の中にオシロの中の人がお二人いらっしゃって、チャット欄で参考リンクを教えてくださいました!なんてありがたい。復習に役立てます。
ユーザが書いたコンテンツや構築したサービスで成り立っている大規模なマルチユーザ・コミュニティやオンラインのソーシャル・ネットワークには、ある共通点がみられる。ほとんどのユーザは書き込むという形での参加をしていないという実態だ。つまり、表に姿を現すことなく、読んでいるだけのユーザがほとんどなのである。
ユーザごとの参加割合をグラフにしてみると、Zipf 曲線になる。
大まかに傾向を読むと、90 : 9 : 1 になる。
90%のユーザは単なる読者である(読んだり、眺めたりするだけで、自分で書き込むことはない)。
9%のユーザはときどき書き込むことはあるが、他の優先事項に時間を奪われてしまう。
1%のユーザはとにかくたくさん書き込む。書き込みのほとんどは、この1%のユーザによるものである。Web上に変化があれば、数分と経たないうちにコメントを書き込んでいて、まるでそこから離れる時間が全くないかのような人たちである。
1つ、最初に重要だと定義づけているのが「いきなり熱狂させすぎない」というところです。けっこう大事にしています。
コルクに導入された「バディ制度」は、徐々にコミュニティへ慣れていく仕組み。
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