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#073 先生の通知表

2022.7.4.
先日、6年生の子と話をする機会があった。
その子を担任したことはなかったし、学校内で接点はほとんどなかった。(私が1年生を担任していた時、その子は2年生だった…くらいの関係性)

「もう6年生なんだね。担任の先生は誰?」
「○○先生です。」
「おおー。それは楽しそうだね。」
「3、4年生の時は△△先生で、5年生の時は□□先生で〜。」
「すごいラインナップだねぇ。」
「☆年生のときはマジでヤバかったんですよ!社会の時間に、全員発表するまで授業が終わらなくて…給食の時間になっても終わらなくて…終わって10分でなんとか準備しました!それから、★年生の時は体育がめちゃくちゃ楽しかったです!」
「体育が楽しいってどんな感じなの?」
「とにかく先生がパワフルで。」
「いっぱい運動できたんだね!」

こんな話を延々として、帰り道の自転車で、名前の出た先生方のことを色々と思い出していた。

そしてふと、
私のことを回想するとき、子供たちはどんな風に話すんだろう?
と思ったのだ。

「怒ると怖かったけど、いつもにこにこしてる先生だったな。」
とかだったら本望である。欲を言えば、 
「○○の授業が楽しかった。」
とかがあったら、もう嬉しすぎて飛び跳ねちゃう。

そういった子供目線の評価を知るために、終業式の前日の宿題は「先生の通知表を書く」にしていた。
2〜3年目の頃からずっとやっているが、これがかなり面白い。
中には通知表の枠みたいなものを印刷して渡す人もいるようだが、それも面倒なので、私は画用紙半分(B5)をそのまま渡し、「好きに書いてきてよい!」と伝えていた笑。そうすると、
◆通知表っぽく仕上げてくる子(家にある自分のとかを参考に)
◆手紙形式にしてくる子
◆飛び出すカードにしてくる子
◆クイズとか出してくる子
など色々いる。

メリット①
子供の自分への評価がわかる。(ただし真面目に受け止めすぎない)

メリット②
最終日は受け取るだけなので、宿題チェックしなくていいし、宿題なしにもしなくていい。

メリット③
終業式の日に先生と子供とで通知表の交換ができる。

中学年くらいまでは、語彙力の関係もあって「楽しかったです!」「ありがとうございました」みたいなものが多い。高学年だと詳しく説明してくれたり、クセが強くなったりするので面白いのだ。

例えば…

男子でここまでちゃんと書いてる人なかなかいないように思う…。
時間は守れ!机上整理せよ!でも授業は結構面白かった!…ということかな?

開いたら…これだけだったとか笑。
おいおい〜。
まぁ、なかなかひねくれた子だったので、まず書いてきたことに驚いたし、評価結構高めだった笑。

ムスカのフルネーム分からないから幸せになれそうにないし、そもそも君は漢字の勉強をもっとせい!笑

私の細かい工夫がきちんと伝わっている子。
飛び道具系を楽しんでくれていたんだなぁというのが分かる。やってよかった。
「あの単元が〜」みたいな話がないのが、自分の教科指導力の浅さを表しているなぁ。反省。

そういえば、作文やらが得意ではない子が、「みゃー診断」というのを作ってきたことがあった。

答えた内容によって、みゃー先生レベルが分かるらしい。完璧にみゃー先生だとA◎になる。

つまり多分この子は私のことを…
いつも運動していて、健康で、字がうまくて、頭が良くて、ご飯残さなくて、優しい先生だと思ってくれているのだ。

うれしいなぁ。
直接そう書いていないところも彼らしいなぁ。
そして、なんて発想力豊かなんだろう。



通知表は法定文書ではなく、
出すか出さないか、どのように出すかは学校ごとに決めてよくて、
この業務過多の今、そこまでやる意味があるのかとか大変すぎるという声が多い。

でもなぜか自分としてはこだわってしまう部分があって、言葉選びにもいちいち迷い、どうにも作成に時間がかかった。
ベテラン先生のところには「所見の神様が降りてくる」ということもあるようだが、私は未だかつてお目にかかったことがない。

子供たちからもらった通知表のように、うれしいなぁとか頑張ろうという気持ちにさせられる通知表となっているといいなと思う。


#教員エッセイ
#通知表

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