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童謡「通りゃんせ」から怖さを抜こう。

——「通りゃんせ」から怖さを抜こう!!

〈ミャー沢〉 
色んなことがやりたくなるニンゲン。
今回は記事を書くことに挑戦する。
毎晩、眠る前には聖書を読んでいるらしい。

——いきなりどうしたの、ミャー沢さん?

〈ミニ沢〉 
ミャー沢が勘で作ったパペット。
うっすらとセメダインの香りがする。
まだ試した事は無いが、吸水性がすごく良いらしい。

ミャー沢:君も日本人なら「通りゃんせ」という童謡を、一度は聴いたことがあるだろう?
ミニ沢:タオル地のぬいぐるみが、ミャー沢さんの言う「日本人」に入るかは分からないけど、まあ聞いたことはあるよ。
「とーりゃんせ とーりゃんせー♪」ってやつだよね。

ミャー沢:それそれ。どこで聴いたのかな? 信号機とか?
ミニ沢:「ラグナドール」ってゲームの動画で聞いたよ。
ミャー沢:へえー。

ミャー沢:この童謡は江戸時代頃から子供たちの間で歌われてきた、いわゆる「わらべ歌」なんだけども、
ミニ沢:うんうん。
ミャー沢:インターネットを覗くと、「通りゃんせ」は実は怖い歌であるなんて噂がよく出てくるんだ。
ミニ沢:そういえば、そんな話も聞いた気がするな。
ちょっと調べてみよう。「と、お、りゃ、ん、せ、」っと
——どれどれ、——ええっ!

ミャー沢:お、何か見つかったかい?

(Googleで「通りゃんせ」と検索すると1番上に「ゆずの曲」が出てきます。)

ミニ沢:——「通りゃんせ」って「ゆずの曲」なの!?

ミャー沢:それ、たぶん違うやつ。
うん。今思ったけど、怖い話についてはやっぱり書かなくてもいいかな。
通りゃんせ 怖い」とか調べればすぐ出てくるし。歌詞見よう。歌詞。

表記等参考:Webサイト『世界の民謡・童謡』

ミニ沢:そもそも何でミャー沢さんは、この童謡から怖さを抜きたいと思ったの?
ミャー沢:私にはインターネットで童謡について調べるのにハマっていた時期があってね。
ミニ沢:何が目的だったの、その時期。

ミャー沢:当然、何故「通りゃんせ」が怖い歌だと言われているのかについても調べた。
まあ、結局色んな話が出てきてよく分からなかったんだけどね。
ミニ沢:そういうこともあるよね、インターネット検索って。
ミャー沢で、自分で結論を出した。
ミニ沢:そんなことしていいの!?

ミャー沢:結局ね、歌の背景とか意味とか関係なしに、
何故我々がこの歌を怖いと感じるかっていうと——

ミニ沢:いうと——?

ミャー沢:やっぱり歌詞に「こわい」って書いてあるからなんだよ。

ミニ沢:——そりゃそうだよ。

ミャー沢:そのことに気づいたら、なんか逆に怖くなくしてみたくなった。
ミニ沢:
ああー、ミャー沢さんってすぐ逆に行こうとする癖あるもんね。
ミャー沢:ポケモンのアニメを見たことが無いまま成人を迎えたよ。
ミニ沢:見ていいよ。今からでも。

ミャー沢が高校生の頃、うろ覚えで描いたポケモン。

ミャー沢:ただ「こわい」って書いてあるだけで怖がるんならさ!
歌詞をよく見てみなよ!! 「七つのお祝い」とも書いてあるじゃないか!
お祝いだよ? ここにクローズアップしたら、
おめでたい感じの歌と捉えることもできるんじゃないかね!? ねえ!!!

ミニ沢:急に感嘆符をいっぱい付けてしゃべらないでよ。

ミャー沢:そんなわけで、これから実際に「通りゃんせ」から怖さを抜く作業をしていくよ。
令和時代の子供たちも安心して歌えるようになるといいね。
ミニ沢:まず最近の子って童謡を歌うのかなぁ。


手順1 歌詞の表記を変える

ミニ沢:「歌詞の表記を変える」ってどういうこと? 替え歌でも作るの?

(あごを重点的になでています。)

ミャー沢:違う違う。それは「歌詞を変える」だね。
そうだなあ——日本語には「ひらがな」「カタカナ」「漢字」という3種類の文字があるだろう?
歌詞の表記を変える」というのはね、この中から歌詞に使う文字の種類を新しく選び直すということさ。
表記が違うだけでも、印象は大きく変わるんだよ。

ミニ沢:ほんとかなぁ?
ミャー沢:そうだなぁ、例えば「かえるのうた」という表記を——

(「いらすとやさんに素晴らしい素材がありました。)

ミャー沢:ちょっと難しい漢字を使って「蝦(かえる)の唄(うた)」にしてみると——どうだろう?

(頑張って描きました。)

ミニ沢:——京極夏彦先生の小説?

ミャー沢:そう。ちょっと難しい漢字を使うと
京極夏彦先生の小説のタイトルみたいな重厚な印象になるんだ。
ミニ沢:うーん、かなり画像の力を借りた気もするけど、
確かに「ひらがな」を「漢字」にすると、結構イメージが変わるんだね。
それじゃ通りゃんせでは歌詞をどんな風に変えるの、ミャー沢さん?

ミャー沢:まずタイトルの「通りゃんせ」は——

ミャー沢:カタカナで「トーリャンセ」にしよう。

(ミャー沢:なんとか描きました。)

ミニ沢:ボカロ曲か何かみたいだ

ミャー沢:恐らくカタカナ表記にすると、意味がよく分からなくなって、
雰囲気だけが残るんだ。不思議とノリも良くなった気がするね。

こんな感じで、歌詞全体をちょこちょこいじっていくと——

ミャー沢:これが——



ミャー沢:こうなったよ。

ミニ沢:怖くなくなったというか、雰囲気ぶち壊しって感じだね。
ミャー沢:いやはや面目ない。

ミニ沢:基本的には、いっぱいカタカナに変えて感嘆符とかも付けたって感じだけど、ところどころ違うこともしてるね。

例えば「天神様」を「天ネ申サマ」にしたのはどうして?
ミャー沢:神社が関わると和風ホラーみたいな感じがして、
何だか怖そうから、ネットスラングの「ネ申」を使って品格を下げたんだ。

ミニ沢:「お札を納めに」の「納め」が「収め」になってるのは?
ミャー沢:」だと何だか「納税」みたいで怖いから、「収納」の「」に変えたよ。
ミニ沢:全体的にフワッとした理由だなぁ。


手順2 楽曲アレンジを加える

ミャー沢:よし、いよいよ音楽の部分だ。

ミニ沢:何だか難しそうだなぁ。楽曲アレンジなんてミャー沢さんに出来るの?
ミャー沢:高校時代に吹奏楽部だったから。多分、何とかなるよ。
ミニ沢:高校時代に吹奏楽部だったら何とかなるの——?

ミャー沢:さて、「通りゃんせ」から怖さを抜く為に今回はこの曲を——

(「いらすとや」さんに可愛らしい素材がありました。)

ミャー沢:バンドサウンドにアレンジするよ。
ミニ沢:軽音部じゃないのさ。
ミャー沢:
何とかする。
ミニ沢:ミャー沢さん、ギターとかベースとか弾けたっけ?

ミャー沢:まずベースドラム無料の音源を使うから、演奏できなくても大丈夫。
ミニ沢:ギターは?
ミャー沢:ギターは持って無いから——

ミャー沢:「ミンミン」で代用しようか。

ミニ沢:それは本当に何?
ミャー沢:3弦のギターみたいな民族楽器だよ。
これの音を思いっきり加工して、エレキギターっぽくする計画さ。
ミニ沢:心配だなぁ。

ミャー沢:パーカッションの音も幾つか入れよう。陽気な感じが出る。

ミニ沢:ギターは持ってないのに、トライアングルは持ってるんだね。
ミャー沢:好きなんだ。ちいちゃい楽器が。



ミャー沢:——アレンジの方向性が決まってからは、けっこう真面目な作業が続きました。

(GarageBandをいじくるミャー沢)

ミニ沢:オラッ!

(100円ショップで買ったタンバリンも使いました。)

ミャー沢:これは録音中に思いついたのですが、
「7つのお祝い」という歌詞を強調するために、
「ハッピーバースデートゥーユー」のフレーズを混ぜたりもしました。
どこに入っているか探してみてください。

ミニ沢:——ミャー沢さん、僕の声は録音するかい?

ミャー沢:——そんなこんなで完成だ。
果たして、「通りゃんせ」から怖さを抜くことは出来たのか。

ミニ沢:みなさんでお確かめください。

よろしくお願いします!

↓完成したものがこちらになります。

おしまい

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