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マイカレンダー2021夏号|番外編 〈月〉のカードで考える松村流睡眠法

「マイカレンダー」2021年夏号「タロットで占う際の潜在意識の使い方」(P76)では、松村 潔先生に「潜在意識」についてお話をうかがいました。

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 いわゆる無意識的な領域で感じ取ったものを、意識的な部分に伝達し、言語化する……というプロセスが、端的に表されているのが〈月〉のカード。

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月は、論理的に思考する「人の脳(大脳新皮質)」
犬は、感情や衝動を感じる「哺乳類脳(大脳辺縁系)
ザリガニは、生命維持に関わる「虫脳・爬虫類脳(脳幹)」

 下から上へと進化の過程をたどっており、虫脳・爬虫類脳や哺乳類脳が「古い脳」に当たります。人の脳は進化の中で「新しい脳」です。
 タロットカードを見た時に、古い脳が0.3秒以内に働いてキャッチしたことは、右脳を経て、左脳に伝わって新しい脳で言語化される、ということに。

 タロットカードでは〈月〉が目を閉じていますが、これは「人の脳が寝ている」状態。だからこそザリガニと犬は活動することができます。つまり人の脳が寝てくれないと、古い脳は働きません。
 そして〈月〉のカードの後ろにある城壁は、脳の関門を表しています。寝ている時にこの関門は開いて、起きて覚醒した時には閉じられます。閉じると人の脳だけが動いて、虫脳や哺乳類脳にはつながらなくなるのです。
 
 なるほど……。このお話を聞いて、よぎったのは、現代病とも言える「不眠」。これももしかして、この〈月〉のカードに何かヒントをもらえるのでは? ということで、本題であるタロットからはちょっと脱線して、お話をうかがってみました!

眠るためには「人の脳」を退屈させなければならない

――もしかすると現代人は、月(人の脳)ばかり使っていて、手前にいるザリガニ(虫脳)と犬(哺乳類脳)をちゃんと使えてない人が多いかもしれないですね。

松村:だってやり方を学校で教えてくれないでしょう。

――教えてくれないですよね。ちなみに最近「よく眠れない」という人が多いですが、これは虫脳、つまり〈月〉のカードに描かれているザリガニがまったく活動できていないということになるのでしょうか。

松村:「眠れない」っていうのは、結局「自問自答が多い」ってことでしょ。考え事をしてるわけだから。それは「人の脳」が起きている状態。
 さっき言った(マイカレンダー2021年夏号参照)タロットにおける「集合無意識みたいなものにつながった時」というのは、だいたい「人の脳」の部分のスイッチが切れることを言う。つまりそれが「寝た」ということになるわけ。眠れないという人は自問自答が多くて、人の脳が起きたままだから、眠りに入れない。だから、そういう時は古い脳につながることをすればいい。例えば「単調なものに集中する」とか。

――単調なもの……羊の数を数える、というようなことですか?

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松村:それもいいけど「数を数える」ってところが、もう単調じゃないと思うわけ。

――さらに単調なこと……ってどんなことでしょう?

松村:例えば四角形の図をひたすら思い浮かべるとか。でも次第に他のことを考え始めるから、そしたらまた引き戻して四角形をひたすら思い浮かべる。で、また他のことを考え始めたら、四角形に戻る……っていうね。こうやって同じことを繰り返しているとだんだん退屈してきて、「人の脳」のスイッチを切ることができるんですよ。

――自分を退屈させることで、眠りに導くんですね! 寝る際に「今日はこんなことがあった」「あれどうしよう」と自問自答をして眠れなくなり、「あぁ、眠れない……」「あっ、そういえばあれどうなったろう」とスマホを見る、なんてことを繰り返して「あ……、もう明け方だ」みたいなことをやりがちです、現代人は……。

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松村:それ、ずっと「人の脳」を起こしたままになってる。つまり、人の脳がずっと興奮している状態。それは眠れないに決まってるよ。
 人の脳に刺激を与えずに、単調なものに集中する。だって四角形なんか思い浮かべても何の意味もないじゃない? 「これ、いったい何なんだ?」って思うでしょ。

――確かに、人生において四角形のことを思い浮かべる機会って、なかなかないですね……。

松村:でも他のことをすぐ考え始めると思うから、そしたらまた四角形に引き戻す。別にそれは三角形でもいいよ。

――単調な図形であれば、ということですね?

松村:そう。複雑なものだと、また「人の脳」が好奇心を持っちゃうから。

――好奇心も「刺激」なわけですね。穏やかな眠りを取り戻すためにも、「寝る前の四角形」やってみたいと思います!

 ちなみに松村先生には「マイカレンダー」2019年秋号「夢は何でも100%答えてくれる」(P66)という記事でも、夢や眠りについてお話をうかがっています。先生が夢をテーマにした本の執筆中に見た、不思議な夢とは? 夢に答えを探しに行く方法とは?
 興味がある方はそちらもぜひ、ご一読ください!

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PROFILE

【お話】松村潔
まつむらきよし●魚座。1953 年生まれ。占星術、タロットなど神秘主義分野の研究を行う。最新刊『人間は宇宙船だ〜次元を越えて隣の地球へ〜』(ナチュラルスピリット)が発売に!
http//www.tora.ne.jp/

文/マイカレンダー編集部・山田



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