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歯列矯正は「知らなかった」が多すぎる②一般歯科で告げられた事実

↑の続きです。


矯正歯科で虫歯を指摘され、一般歯科で治療を受けることになった私は、今まで行ったことのない歯科に行くことにしました。



なぜかと言うと、一歳の息子も一緒に行くことになるため、連れて行きやすい雰囲気のところがいいと思ったからです。



なので歯科のホームページをいくつか見て、比較的近くにあって「大人も子どもも安心して通える」とアピールしている歯科(以下、一般歯科)に予約をとりました。



そして初診の日。



その一般歯科は開業してまだ数年なので、建物がすごくきれいでした。



診察室に呼ばれ、まずは衛生士さんが問診票をもとに話を聞いてくれて、実際に口の中を診たりレントゲンを撮ったりと、よくある流れで進んでいきました。



やがて40〜50代くらいの男性の先生がやってきて、衛生士さんから状況を聞くと、開口一番こう言いました。



「矯正歯科でまともに診てもらってないんでしょ?」







は???( ゚д゚)




私は何を言われているのかわかりませんでした。



すると先生が私に手鏡を持たせ、虫歯の箇所を指摘していきました。


そこで私は、奥歯が上下左右の3本ずつ全て虫歯になっていることを知らされたのです。



「矯正中は歯磨きがしづらいから虫歯になりやすい上に、歯が動くことでどんどん他の歯に虫歯が移っていっちゃうからね〜」



そういうリスクがあることは知っていましたが、私はショックでした。


2本だけだと思った虫歯が、まさか10本以上だなんて。



「ここの歯見て、色が変わってるでしょ。こうなったら明らかに虫歯なんですよ」


そう言って指摘された歯は、表面がかすかに茶色くなっていました。



ちなみにその歯は、矯正歯科で虫歯と言われた歯とは全く違うところの歯でした。



こんな、素人でも教えてもらえばわかるほどの虫歯を、どうして矯正歯科で指摘してもらえなかったんだろう…?


そう思っていると、先生が説明を始めました。



「矯正歯科ってね、見た目しか気にしないんですよ。

んで虫歯治療は自分のとこではやらないから、まともに見ないんですよ。」


「えっ…」と思いましたが、深く考える余裕もないまま、先生は矢継ぎ早に話し始めました。


  • 親知らずが一本残っているが、これを抜かずに矯正を始めたのがありえない。虫歯治療以前に今すぐ抜いたほうがいい。

  • それでいて矯正前に健康な歯を2本抜いたようだが、歯の矯正でよくあることとはいえこれもあまり良いやり方ではない。

  • 下の前歯をワイヤーで固定しているが、この段階に来たらこんなの必要ない、歯にとっては良くない。




先生は早口かつ強い口調で、こういったことを一気に話しました。



私はこれまで矯正でやってきたことを全否定されたようで、もうどうしていいかわかりませんでした。



ちなみに「一本残っている親知らず」というのは、実は横向きに生えているのです。


なので隣の歯を押す力が強く、痛みがなくても抜いた方がいい、とかなり前から色々な歯科で言われてきました。


しかし、縦に生えている親知らずより抜くのが少し大変ということも同時に言われていたので、ビビりの私はそれだけで動悸と震えが止まらなくなり、抜かずにここまで来てしまったのです。



ただでさえ10本以上の虫歯の宣告と矯正歯科の問題点の指摘を受けているので、さらにまた親知らずの抜歯を勧められて、私のメンタルはズタボロでした。



息も絶え絶えになるのを必死にこらえながら、親知らずの抜歯がとんでもなく怖いと説明すると、「じゃあ先に虫歯を治療しながら麻酔や歯を削ることに慣れればいいんじゃない?」と提案してもらえました。



しかし、問題はこれで終わりませんでした。

先生は、虫歯治療を進める上での問題点を話し始めたのです。


「虫歯治療をすると、歯の形や歯並びが微妙に変わってしまうので、リテーナーが合わなくなることがある。

その場合リテーナーを削るとか、最悪の場合は作り直しになるけど、矯正歯科が対応してくれるのかどうか?



じゃあ、矯正歯科に聞いてみます。と私が言うと、


いや、聞くだけ無駄だと思うよ?どうせやってくれねえよ?


と真っ向から否定してきました。


先生いわく、


矯正歯科は見た目を整えることしか考えてないから、患者に虫歯ができようが歯並びがまた戻ろうが「知らねえよ」ってことが多いわけ!


しかも自分のところで作ったリテーナーを他の歯科が合わなくしたり壊したりすると怒るし、すげえめんどくせぇんだよ。


だから上の歯は今ここで「はいじゃあ治療していきましょう」とは言えないわけ!

歯並びを優先するなら治療しないのもアリだし。



だそうで…(口調は本当にこんな感じです)



虫歯の治療でリテーナーが合わなくなるかもしれないということは、考えてもみなかったことでした。


リテーナーが合わなくなるのも嫌ですが、虫歯を放置するのも嫌です。



しかしそれに関してはこの場で結論が出ることはなく、「とりあえず下の歯から治療をしていきましょう」と説明を受け、この日は終了しました。



私はとにかくショックで全身に力が入らなくなり、重い体を引きずって何とか家に帰りました。


短時間で色々起こりすぎて、何をどう考えたらいいかわかりませんでした。



私の歯は虫歯だらけだなんて、気持ち悪くて受け入れられない。


虫歯だらけになるなら、矯正しないほうがよかったのだろうか。



というかこんなになるまでほっとかれるなんて、私の選んだ矯正歯科は大ハズレだったのだろうか?


今まで矯正に費やしてきた時間とお金は、無駄だったんだろうか…?



ちなみにネットで調べてみると、矯正のみを行う歯科が虫歯をまともに診てくれないということは珍しくないようでした。


そんなの知らなかった…


これは、知らなかった私が悪いのでしょうか。

歯の矯正をする人はみんな、事前にこういうところまで調べているのでしょうか?


私は何年も通い続けてきた矯正歯科に、不信感を覚えました。

そして同時に、一般歯科の先生の言い方がキツすぎることにも傷つきました。

事実だとしても、あんなに怒るような感じで言うのはいかがなものでしょうか。


しかし色々考えても、虫歯になった事実は消すことができません。


それから数日間は落ち込んでしまい、最低限の家事育児をこなすので精一杯でした。



ただ、リテーナーが合わなくなった場合の対応はすぐ矯正歯科に問い合わせをしました。


その結果を一般歯科に電話で伝えると、「次の診察の際に先生が直接説明しますので」と言われ、治療を受け入れてもらえるのかどうかといったことまでは教えてもらえませんでした。



また怒られるのかな…違う歯科に行こうかな…



かなり迷いましたが、焦って他の歯科に行ったらまたハズレかもしれないし、また一から状況を説明したり、レントゲンを撮り直したりするのは面倒だと思いました。


一歳児がいると身動きが取りづらいので、もう一軒あたってみるというのはかなりの負担です。


私の用事だけで息子を振り回すのも申し訳ないし…


それに何より、虫歯があるなら一刻も早く治療を始めたい。


とりあえずもう一回行ってみて、もし治療を断られたらそれから次を探せばいい、と私は考えました。


続きは↓


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