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ドイツを食べ歩く 〜懐かしき友人との再会

2022年の晩秋、休暇を利用して親友と会うため、ドイツを旅行してきました。
私は日本国内でシェフを務めており、特に関心を寄せたのは”料理”です。
歴史のある街並みの感想と、賞味したドイツ料理を日記風に紹介します。

【コロナ禍における空港・飛行機内で】

・出国便
私が最後に国際線に搭乗したのが2020年2月のセブ島行きなので、コロナ禍においての渡航は初となる。
出国便はScoot航空(シンガポールの航空会社)で、途中シンガポールのチャンギ国際空港を経由した。成田空港でのチェックインは「空港内でのマスク着用のお願い」「検温」以外は以前と変わりなくスムーズに出国できた。チェックイン時にはワクチン接種証明を提示することもなかった。

飛行機内ではマスク着用のアナウンスはなく、乗客のほとんどがマスクを外し過ごしていた。到着したチャンギ国際空港やブランデンブルク国際空港においても同様にマスクを着用している人は少なかった。

国によってはこんなにも違いがあるのかと驚いたのと共に、コロナ以前の世界に戻りつつあるなと実感が湧いてきた。

・帰国便
ミュンヘンでチェックインする際にワクチンの摂取証明書もしくはPCR検査の陰性証明書の提示を求められた。
帰国便はエティハド航空(Etihad Airways)である。
ミュンヘンから経由地のUAEまでと、UAEから成田空港への便では対応が違った。ミュンヘン⇨UAEの便では日本からの出国便と変わらない対応であったが、UAE⇨成田の便では搭乗中のマスク着用を求められ、機内にいる間マスクを外していると定期的に着用するように声をかけられた。もちろん、空港に到着してからもマスク着用をお願いされた。同じ航空会社であっても目的地によって対応が違うのかもしれない。

・成田空港に到着してからの手続き
 日本に入国する前にVisit Japan Web(https://vjw-lp.digital.go.jp/)に登録する必要があった。検疫、入国審査、税関申告をオンライン上で完結できるサービスである。
事前に登録しないとその場での登録や申請書の記入など入国まで時間を要する。私は事前に登録したが、それでも入国に30分は要したので注意が必要だ。

【ベルリン(Berlin)】

ベルリンは市街地の至るところに歴史的建造物が多く存在する都市である。そのためどこを散策しても非日常的な空間が広げられていた。
特に有名どころである「ベルリンの壁」や「ブランデンブルク門」は圧巻であった。
以下に、訪れた場所とその概要と感想を記す。

・ベルリンの壁
ベルリンの壁は1961年から1989年までベルリン市内に存在した壁である。冷戦下において壁を作り東西の行き来を遮断した。壁を越えようとするものは射殺され少なくとも136人が亡くなったと記録されている。

ベルリンの壁
ベルリンの壁を広場側から撮影

ベルリンの壁が崩壊後、市内の至るところに壁が残されていた。シュプレー川沿いの約1.3kmの壁は、イーストサイドギャラリーとして残っている。
そのイーストサイドギャラリーには24の国の118人の芸術家によって、壁そのものにアート作品が描かれており、有名な観光地として現存している。

パッと作品を見てみると一見落書きのように見えるが、作品一つ一つにメッセージが込められているのがわかった。24もの国のアーティストによって描かれているためそれぞれの国の文化や個性がでているように感じた。
特にドイツ人が描いた自国の「ドラッグ、酒、テクノミュージック」を現した壁画にとても感銘を受けた。

・虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑
通称:ホロコースト記念碑
2005年にベルリンのブランデンブルク門の南に建設された、ホロコーストで殺されたユダヤ人犠牲者のための記念碑。約2万m2の敷地にグリッド状に並ぶコンクリートの石碑2,711基が設置されている。
石碑のサイズ→厚み:0.95m 横幅:2.38m 高さ:0m~4.5m

ホロコースト記念碑

敷地内は中央に向かって傾斜が下がっており、進むほど石碑がどんどん大きくなり、最終的には見上げる程の高さになった。
ここに訪れたのが夜だったのでまるで肝試しをしているような恐怖感があった。中央に行けば行くほど外の音が遮断され、規則正しい格子状のブロックが奇妙な怖さを与えてくる。行くなら昼間をおすすめする。

ホロコースト記念碑・内部

・ブランデンブルク門
ベルリンのシンボル。夜はライトアップされている。
高さ:26m  幅:65.5m  奥行き:11m

ブランデンブルク門・昼
ブランデンブルク門・夜

・その他観光地

ベルリン大聖堂
ベルリンテレビ塔

【ニュルンベルク(Nurnberg)】

ニュルンベルクは、ベルリンからみて南西に位置する都市。
中世の風景が残る美しい城壁に囲まれた旧市街や、職人の町など、メルヘンで平和な景色が広がるバイエルン州第2の都市。

ニュルンベルクの街並み

ナチス政権下時代、ナチ党大会が1933年から1938年にかけてニュルンベルクで行われた。1935年の党大会の際、ヒトラーはニュルンベルクに臨時国会を召集し、そこでユダヤ人から市民権を剥奪する法(『ドイツ人の血と尊厳の保護のための法律』)が定められ、これは一般的にはニュルンベルク法と呼ばれている。

このようにニュルンベルクは、ナチス党政権下のドイツを象徴する都市となった。第二次世界大戦中、ニュルンベルクは連合国軍による空爆の優先目標であった。イギリス空軍とアメリカ空軍の航空機による爆撃でニュルンベルク旧市街は破壊され、全市域が甚大な被害を負った。(wiki参照)

ニュルンベルク街中

復興時、真新しい近代的な街ではなく、中世ヨーロッパの当時の街の姿を再現した。また、世界三大クリスマスマーケットのうちの1つでもある「世界一有名なクリスマスマーケット」が開催される。
国内外から毎年200万人以上が訪れるため、知名度が高く世界一有名と言われている。

<世界三大クリスマーケット>
世界最古のマーケット:ドレスデン(ドイツ東部)
世界最大のマーケット:シュツットガルト(ドイツ南西部)
世界一有名なマーケット:ニュルンベルク(ドイツ南西部)

ベルリンと比較すると非常に穏やかな街だと感じた。
むしろ「いい意味で何もない街」であった。
クリスマスマーケットが開催される広場付近は観光地化されており、お土産屋やショッピングモールがあったが、それ以外の場所は中世ヨーロッパを感じる街並みや広い公園があり、人も少なく過ごしやすい地域であった。

ニュルンベルクで過ごした4日間のほとんどはビール片手に公園で日向ぼっこしたり、街中を散策したりと、現地人の休日のような過ごし方をし充実した。

【ドイツの食文化】

ドイツはその昔、食材が不足しがちな国だった。
ヨーロッパの中でも北に位置し農作物が育ちにくい気候風土が理由である。痩せこけた土地で作物がなりにくく、また厳しく長い冬を乗り越えるために、工夫を凝らした保存食の料理が発達した。

代表的なもので、「ソーセージ」「マリネ」「ザワークラウト」「ピクルス」がある。
他にもジャガイモを使った料理が多く、ドイツでは「ジャガイモでフルコースの料理ができないとお嫁に行けない」という言葉があるくらい「ジャガイモ料理」の種類が多い。
しかし現代においては毎日主食で食べるわけではない。

またドイツは世界移民人口国別ランキング(2020年のデータ)においてアメリカに次ぐ2位の移民人口が多い国である。

ベルリン市内には様々な国の飲食店があった。今回、ドイツ料理のみならず、トルコ、イタリア、インドなどの料理も食べた。

イタリアン:クリームパスタ
インド:インドカレー
トルコ:ケバブ

・白ソーセージ(友人宅ににて)

白ソーセージ

茹でて加熱する。この白ソーセージは皮を食べない。
フォークとナイフでうまく皮を剥いて中身だけを食べる。
ハニーマスタードをつけて食べると最高に美味い。

・ソーセージ&フライドポテト(約6€)

ソーセージ&ポテトフライ

ベルリン市内の有名ソーセージ屋。常に20人くらい行列ができている。ケチャップにカレーパウダーがかかっており、ピリッとした風味がソーセージとの相性抜群でビールがすすむ。

ニュルンベルク滞在時は友人宅に宿泊していたため、食事は手作りのものを食していた。

・ドイツビール

ドイツビール

・ドイツワイン(ZIBIBBO Terre Siciliane IGT /2021)約10€

ドイツワイン(ZIBIBBO Terre Siciliane IGT /2021)

白ワインでありながら力強さを感じられた。
ソーセージや生ハムといった塩分の強い食事との
相性が良く、最後まで美味しく飲めた。

・ドイツワイン(INESSA Terre Siciliane IGT GRECANICO 2021)約12€                

ドイツワイン(INESSA Terre Siciliane IGT GRECANICO 2021)

辛口ですっきりとした味わいの中にフルーティーさも
感じられた飲みやすい白ワイン。チーズとの相性がよく
チーズを一口食べながらワインを口に含ませると口いっぱい
に豊かな風味が満たされ非常に美味しかった。

・ホットワイン

ホットワイン

【ドイツ旅行全体の所感】

今回ドイツを選んだ理由が、ドイツ人の恋人と同棲するために移住した友人に会いに行くことだった。共通の知り合いであるアイルランド語学留学が終わった友人とも合流し三人で再会した。

ドイツでは、マスクをしている人がほとんどいなかったのが驚きであった。
友人曰く、バスや電車などの公共交通機関以外では室内でも着用を推奨されているわけではないとのこと。
人の表情を見ながら当たり前に会話できることがすごく嬉しく感じた。

私はこれまで10ヶ国を訪れてきたが、今回のドイツ旅行は2年半ぶりの海外であった。コロナ前まで年に数回海外に行ってたので、当たり前に感じていた”現地の食事とお酒を現地の人と交流しながら楽しむ”ことを思い出し、
自分のライフスタイルには海外に行くことが大きく影響しているのだなと改めて認識できた。

ただ、語学力の乏しさに負い目を感じた。
ニュルンベルク滞在時に、チュニジア人の友人も来て5人でパーティをしていたのだが、僕以外全員英語が話せるので、置いて行かれてる感じがした。
今までノリとお酒の勢いでなんとかなったが、ちゃんと会話したいと思い、次回海外に行くまでに最低限のコミュニケーションができるよう英語を学ぼうと決意した。

・初めてドイツに行くならベルリンには必ず行ってほしい。
ベルリンは歴史的建造物が多く4日間の滞在では物足りなさを感じるくらい観光名所が多かった。

今回訪れたベルリンの壁だけでも、深く歴史を知ろうとしたら一日では足りないと感じた。他にも伝統的なテクノミュージックが流れるナイトクラブやカジノなど行ってないところもあるので、まだまだベルリンには多くの魅力があるのだと思う。難民や移民が多いため、様々な国の料理が楽しめるのも一つの醍醐味だと思う。

・ニュルンベルクに行くならクリスマスマーケットが開催される時期がおすすめ。
世界一有名なクリスマスマーケットが開催される。訪れた時はその準備中だったが、それだけでもこれから始まる高揚感が伝わってきて、実際に開催されたらより楽しいんだなっと感じた。

それ以外に観光名所になるのは郊外になるので、ニュルンベルクだけで観光するなら、クリスマスの時期にマーケットを楽しんで、残りの時間は街並みを散策するのが良い時間の使い方と感じた。

【今回の旅のメモ】

1.目的
 旅行、休暇、親友に会うため

2.場所
 ドイツ連邦共和国(ベルリン州、バイエルン州ニュルンベルク)

3.期間
 自 令和4年11月1日(火)
 至 令和4年11月10日(木)

4.費用
 航空券(往復):126,983円
 現地交通費(高速バス、電車):約5,000円
 食費:約20,000円
 その他雑費:約10,000円
 ーーーーーーーーー
 合計:161,983円

日程概略

ベルリン(Berlin)
ドイツの首都。16ある連邦州のうちの一つで
都市州である。市域人口はおよそ370万人で
ドイツ最大の都市である。(Wiki参照)

ニュルンベルク(Nurnberg)
バイエルン州に属する郡独立市。人口50万人
を超える都市でドイツ史にとって極めて重要な
都市である。(Wiki参照)

ミュンヘン(Munchen)
バイエルン州最大の都市であり、ドイツ国内
で3番目に大きな都市でもある。市域人口は140
万人を超える。(Wiki参照)

株式会社myコンサルティング
BRIDGE 店長 西片和規
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