神丘家の伝説 評伝 神丘風3

前回は狂気の犬っこまつりについて書いた。そして今回も犬っこまつりである。風がその誇りと権力をかけて作り上げた雪像の運命は。

さて、折からの突風にあおられた雪像は、ゆっくりゆっくり倒れ始めた。そして轟音をたてて倒れた。うまい具合に日本海に沈んだため被害は少なかったが、この事故をめぐり秋田めんくいテレビと秋田貝新報が責任の追及をはじめた。いわく、風は今回の事故についてどう責任をとるのか、いわく、多額の金で東北一帯の雪を略奪したせいで、山から雪が消えてスキー客が消えたのは風のせいだ、いわく、しょせん金持ち自慢で祭に参加したのではないか。

どれももっともな意見だったので、風はさっそく県内の記者とメディアの主要幹部を買収。応じない者は首にしてなまはげ館に送り込んだ。非道である。また、たけや製パンの幹部とも関係をもち、県内の給食のパンには笑顔の風がプリントされた。洗脳である。さらに稲庭うどんの麺の袋には、風の名言である「すべての風は空へと通ず」がプリントされ、関東で販売された。頭が空にぶっとんだようである。こうした風の活動の資金源は、風がオーナーを務める「おはよう納豆」の売上金であった。

このたび重なる風の暴挙に激怒したのは、麻梨衣杏永遠網であった。彼女は「庶民の気持ちを考えるべきよ!「パンがなければフカヒレを食べればいいのに」とか、何様のつもり!?」と、色々と名前負けしている言葉で妹をたしなめた。
しかしながら、風の様々な行動の目的は秋田を東北で最高の県にすること。それが理解できない姉とは、いずれは戦わねばならない宿命であった。

姉の行動を邪魔に感じた風は、黒く塗られたなまはげのマスクと黒いマントをつけ、シュコーシュコーと息をしながら自宅を警備する姉のもとに向かった。しかし麻梨衣杏永遠網は、ながい自宅警備の最中になまはげを好きなだけ召喚する術、「ワルイコハイネガー」と、アゾット剣を武器に妹に立ち向かった。カーミオーカ卿VS魔術師、杏永遠網。避けられぬ宿命の戦いはついに佳境へ。次回、ついに完結。

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