あひるの部屋8回目 ゲスト ことりさん

今回のゲストは「うたの日」の同期で、鳥仲間のことりさん。小説と映画をメインにお聞きしました。ことりさんが紹介された作品たち、ぜひ読んでみてくださいね。

あひる 「では、よろしくおねがいします!」

ことりさん「はーいよろしくー!」

あひる「ではまず、短歌をはじめたきっかけを教えてください!」

ことりさん「まずことりアカウントを作った理由から。
もともと、身近にあまり本について話す友人がいなかったので、読書アカを作ろうと思って「ことり」を作成しました。そうしたら、言葉遊び系のフォロワーさんとどんどん繋がって。だんだん短歌が流れてきて面白くて、ひとつふたつ流したら反応があって。それがとても嬉しく楽しくて。
その後、メールで新聞歌壇に出せるんだ!と気づき、購読していた日経新聞に大好きな穂村さんが選者でいらっしゃると知って。
投稿したらわりにすぐに、下段だけどとっていただき…調子にのって今に至る、です。」

あひる「そうだったんですね。
うたの日デビューも同じタイミングですか?」

ことりさん「そう、Twitter以外、何かに出してみたい、っていうのがあって。
うたよみんとうたの日、ほぼ同時くらいに。たしかあひるさんも同期ね!」

あひる「わたしもことりさんは同期という感覚です!ことりさんは、うたの日のマイページで自分らしさが出る歌を歌うのが目標とありますが、近づけていますか?」

ことりさん「私は妄想癖があって変身願望もあって「別人」になり詠むことが多いけど、
それでもやっぱり私の人生や好きな本や映画や歌のなかに、その短歌の「種」になる部分はあると思う。いつもそれを考えては詠んでます。
近づけてるか?は自分じゃ分からなかったりして(笑)たまに迷走しますね。」

あひる「あ、私も基本的には自分のことを詠まないので、そこはとても共感します!
ことりさんといえば、本と映画についても詳しいイメージです。
まず、本についてお聞きしますね。お好きな本と作家を教えてください。」

ことりさん「これはたまにTwitterでも発言してるけど、たくさんいすぎて!だけどあえて挙げるとしたら、江國香織さんと村上春樹さん。
江國さんは詩やエッセイも、女性としての共感があるし憧れの女性。村上春樹さんは人生のあちこちで逃避の場だったり癒しの場だったり。
本単体でいうと「愛の試み」という福永武彦さんの本はバイブルです。」

あひる「やはりその二人ですね!
お二人の作品では、特にどれがお好きですか?
福永さんは未読なので、読んでみようと思います。」

ことりさん「「愛の試み」はたぶん大学時代に出会った本。良いですよ。
江國さんは詩集「すみれの花の砂糖づけ」。小説なら「東京タワー」かな。
村上さんは長編なら「国境の南、太陽の西」、短編なら「蜂蜜パイ」が特に好きです。
どれも知ってる街並みが出てくるから、というのもあるかもしれない。」

あひる「すみれの花の砂糖漬け、いいですよね。江國さんの本はタイトルの美しさも印象的です。
国境~の切なさは染みます。私も大好きです。私は「風の歌を聴け」が大好きです。
江國作品や村上作品との出会いはいつでしたか?私は高校の時でした。」

ことりさん「村上作品はたぶん大学に入ったころ。
一番はじめが「国境~」だったのかも。(恋愛の「れ」も知らない頃?笑)それから過去作にさかのぼり貪るように読んでた時代。
江國さんはそのあとくらい。たぶん弟に「きらきらひかる」を勧められたのがきっかけ。彼とは読書の趣味がとても合うのです。」

あひる「大学の頃に出会われたのですね!(絶対知ってますよね(笑))姉弟で本の趣味が合うのはいいですね。しかも弟さんも趣味がいいなあ…。
続いて、映画についてお聞きしますね!映画も大学の頃に一番ご覧になったのでしょうか?」

ことりさん「(恋愛についてはいまだに謎です~一生かけて解いていく!)映画は、とても趣味の合う友人がいて。お互い誘い合ってはミニシアターから大きなとこまで、よく行ってました。
大学後半から社会人なりたて、くらいかな。いまは互いに家庭もあるし彼女はカナダに行ってしまったので…。それからはひとりでふらり、が多いかな。」

あひる「(ことり先生に学ぼう…!)いいなあ、映画友達…。ことりさんの頃だと、シネマライズやユーロスペースをはじめとした、ミニシアター全盛期のイメージですが、特に思い出深い作品はありますか?」

ことりさん「渋谷のシネマライズだったかな?で、「トレインスポッティング」はインパクトあったな。あと断然好きなのがBunkamuraのル・シネマ。
あの落ち着いた雰囲気とかかる映画が好みで。
フランス映画、パトリスルコントの作品はよく観ました。「髪結いの亭主」とか。
あと恵比寿ガーデンシネマ!あそこで「男と女」の再上映が観られたのは幸せでした!」

あひる「トレインスポッティングは凄かったみたいですね。リアルタイムでは観ていないので、うらやましいです。Bunkamuraはなんといっても、映画のセレクトがいいですよね。ウォン・カーウァイの作品をスクリーンで観れて嬉しかったです…。
リアルタイムではないと思いますが、「男と女」を初めてご覧になったきっかけはなんでしょうか?」

ことりさん「たぶん誰かのおすすめだったと思うんだけど、記憶になくて。ただ一番初めはレンタルしたのを部屋で一人で、だったと思う。
その時は恋人もいなかった時期じゃないかなー。」

あひる「それがまさかのベスト映画になるとは…!
髪結いの亭主もそうですが、フランス映画がお好きなんですか?」

ことりさん「はい、好きですねー。「で、どういうこと?」っていうラストも多いけど、それも踏まえて。村上春樹的な?面白さ・不思議さがある。
ハリウッド映画やSF、アクションものはあまり積極的には観ないかも。」

あひる「なるほど、そういうことだったんですね!
ウォン・カーウァイやチェン・カイコーなどのアジア映画がお好きなのも、同じ理由ですか?」

ことりさん「そうね。あとは雰囲気、衣装かな。
この前あひるさんと盛り上がった「花様年華」もそうだけど、好きな要素が詰まってる。本も映画も音楽も、やっぱり素敵な(切ない)恋愛ものが好きなのね。昔からそこはブレてない。」

あひる「たしかに恋愛映画が多いですし、音楽を含め空気がとても素敵ですよね。江國作品や村上作品に似た部分を感じます。
そろそろ締めにはいりますが、ことりさんから「これは話したい!」ということはありますか?」

ことりさん「いまさら改めてこの読者さんに言うことでもないかもしれないけど。
一人の人間ができる経験、何かを共にできる人って限られてる。本も映画も、それを凝縮した形で得られる素敵なもの。しかも同じ感性を持つ人と繋がりを持つための良いツールだと思います。短歌や詩や俳句もしかり。これからも皆さんといろんなことを共有できたら幸せです!」

あひる「最後に最高に素敵な言葉をありがとうございます!」

ことりさん「なんか村の長老みたいな発言に 笑
こちらこそ楽しかったです。マニアックな趣味にお付き合いいただきありがとうございました~!」

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