コンドームには外箱や内箱に取扱説明書がついていますが、しっかり熟読しているという人は意外と少ないのではないでしょうか。
Amazonなどの商品レビューでは「破れた！この商品は粗悪品だ！2度と使わない！」などのコメントをしている人を見かけますが、実はコンドームの破れや脱落の原因は「取扱説明書の通りに正しく使用できていない」ことがほとんどだったりします。今までは大丈夫だったかもしれませんが、今の使い方だといつか「ヒヤッ」とするようなことがおきてしまうかも？この機会にぜひ一度、コンドームの使い方を振り返ってみましょう！

正しい装着で得られる３大メリット。

①　先端の気持ち良さがアップする。
　コンドームを正しく装着できると実はメリットが３つもあります。これは覚えておかないと損！ですよね。コンドームの先端と亀頭部分が綺麗に密着するように装着できると、先端の違和感（コンドームをつけている感じ）が少なくなります。ぴったりとフィットさせることでコンドームとの一体感が生まれ、先端の刺激がダイレクトに伝わるようになります。つまり、正しく装着できた方が、気持ち良さが増す！ということです。このフィット感を得るためには「サイズの合ったコンドーム 」に出会うことも重要なポイントとなります。

②　性交痛を和らげる
　セックスにおける痛みのことを「性交痛」と呼びます。痛みを感じていてもパートナーに言えず、我慢してしまう人も少なくないようです。性交痛の原因には個人差がありますが、その中でもコンドームが原因となっているものもあるようです。
　例えばサイズの合っていないコンドームや、空気抜きが不十分なコンドームを使用すると、コンドームの表面にシワができることがあります。挿入後、このシワが作る「ちょっとした引っかかり」によって、デリケートな粘膜に擦り傷を作ってしまうのです。
　コンドームがぴったりと密着して装着できていると、コンドームの先端や胴部分に余計なシワができにくくなります。介護施設や医療機関で褥瘡（床ずれ）を防ぐ為に、シーツをピンと張ってシワをなくしているのと同じことですね。
　どちらか一方が痛みに耐えているセックスは長続きしません。「痛い」と言われたことがない、という人でも、相手に余計な痛みを与えないよう、シワを作らない「密着装着」を心がけましょう。

③　安心＝快感スイッチ
　人は不安やストレスを感じたり、気になることがあると交感神経が優位になります。交感神経が優位になると体は緊張状態になり、男性なら勃起しにくくなったり、女性なら濡れにくくなったりしてしまいます。気持ちいセックスには交感神経ではなく「副交感神経」を優位にすることがポイントです。そのためには「安心して、リラックスできる」ということが不可欠なのです。
　「破れるかも」「外れてしまうかも」「なんだか痛い気がする？」などと気になることが山積みでは、セックスに集中できるわけがありません。不安材料をやわらげるためにも、「しっかり空気抜き」「密着装着」で、安心・安全・快適なセックスを心がけましょう。

【オマケ】包皮が潤沢！な人のためのヒトテマ
　仮性包茎の割合が多い日本人男子は、根元に皮があまってしまうということもしばしば。根元に追いやられた包皮が、動いているうちにコンドームを押し上げてしまい、これもコンドームが外れやすくなってしまう原因となります。これまでに同様の経験をしたことがある人や、皮が余っているという人は、コンドーム装着時に「ヒトテマ」かけましょう。
　コンドームを根元まで巻き下ろした後にもう一度ゴムごと皮を引き上げるようにして、皮とコンドームをなじませるようにしましょう。このヒトテマで一気にフィット感も増します。

参考資料
　和歌山県和歌山市のホームページ　より抜粋
　健康局健康推進部保健対策課　感染症予防対策グループ

ちなみに、「仮性包茎」は病気でもなんでもありません。普通の状態です。治療が必要な包茎は一部の嵌頓（カントン）包茎と真性包茎だけです。包皮が潤沢＝気持ち良さにつながるという説もあるようですので、無闇に包皮を切ろう！なんて思わないようにしてくださいね！

1．空気抜き、してる？

　コンドームが破れたり、脱落してしまう原因として、意外と知られていないのが精液だまりの「空気抜き」が挙げられます。
スタンダードタイプのコンドームの先端（頭部）には、哺乳瓶の乳首のようにぴょこんとした突起があります。ここを精液だまり、と呼びます。
コンドームを装着するときはこの精液だまりを指の腹でしっかりつまみ、男性器の先端（亀頭：きとう）に密着させるようにして装着します。つまんだ部分の裏側を亀頭部分に密着させるようにかぶせるのがポイントです。空気抜きで先端をつまむ際には、爪の先端がゴムに当たらないようにしましょう。先端に対して横から垂直につまむのがオススメです。

　もしそれでもコンドームの内部に空気が入ってしまいそうだったら、小学校の理科の授業で使ったアルコールランプを思い出してください。

火がついているアルコールランプを消す時には、上からかぶせるのではなく、フタを炎の根元部分（横）から滑らせるようにしてかぶせませんでしたか。
（伝わりますでしょうか。）
コンドームをつけるときにもこれと同じように、つまんだコンドームをフタに見立て、亀頭部分に横から滑らせるようにして載せてください。先端にしっかりと密着させててから、ゆっくりと巻き下ろせばOKです。

２．あなたのカラダの「油分」は大丈夫？

これも取扱説明書に必ず書いてあるのですが、ラテックス製のコンドームと油分は相性最悪（すぐに破れてしまう）です。油分というと、食品をイメージしがちですが、どちらかというと肌を保湿するものに注意が必要です。

例えば、
　乳液、軟膏、ファンデーション、ハンドクリーム、リップクリーム、
　口紅、ボディクリーム、ヘアオイル・・・

　普段何気なく使っているものの中にも油分って結構含まれているんですよね。しかも、これから・・・というときには多くの方がシャワーを浴びていると思います。お風呂上がりに保湿をするという習慣がある人は、手や口などに使用する場合には少量に止める、しっかり塗り込むなど、必ず余分な油分が残らないよう注意しましょう。
　他にも、このようなオイルを含むものと一緒にコンドームを入れて保管、携帯している人はすぐにやめましょう。特にメイクポーチなどに入れている場合は化粧品の油分がコンドームの外袋につきやすく、コンドームを取り出す際に油分に触れてしまうおそれがあります。コンドームは買ったときの箱や、カバンの中でも潰れないハードケースに入れて持ち歩くようにしましょう。布製のケースだとカバンの中で押しつぶされて個装袋に傷つき、コンドームが破れる原因にもつながります。
　もちろん財布の中、なんてもってのほか！キャッシュカードや硬貨などの硬いもので押しつぶされているうちに外袋が破れ、中身の劣化にもつながります。お守りがわり（なんの効果があるのかは不明）に入れている、という人は構いませんが、そのコンドームを実戦では使用しないようにしましょう。

３．ヒリヒリ？かゆい？　
　それってラテックスアレルギーかも？

花粉症をはじめ、様々なアレルギーがありますが、コンドームの素材の一つであるラテックスにもアレルギーを持つ人もいます。装着する側は自分でコンドームをつけるので、あれ？と気付きやすいのですが、受け手側はアレルギー症状に気付きにくく、単なる「性交痛」と思い込んでいる人も少なくありません。
　コンドームを使うその前に、「自分がラテックスアレルギーかどうか」また、「相手がラテックスアレルギーかどうか」を確認するようにしましょう。（内科やアレルギー科で相談してみてくださいね。）

　ラテックスアレルギーの人はラテックス製のコンドームを使用するとアレルギー症状が出てしまうので使用することはできませんが、ラテックス製以外のコンドームを使うことで回避できます。「ラテックスアレルギーだから」はコンドームをつけない理由になりません。もしアレルギーを理由にコンドームをつけようとしない相手に出会ったら「非ラテックス製のコンドーム、買いに行こうか」の一言で回避しましょう。

　ラテックスアレルギーの人が使えるコンドームについては、こちらで選りすぐりの10種をまとめましたので、よろしければご参照ください。

　ちなみに、ポリウレタン製コンドームは油分で溶けてしまうこともないので、オイル系ローションとも相性が良いです。先ほどの油分問題がどうしてもクリアできない場合や、オイルローションを使ったプレイが好き、という方はポリウレタン製のコンドームを選択するというのも一つの手ですね。

 次に使うときまでに・・・

「空気抜き」
「油分に気をつける」
「ラテックスアレルギーかどうか、自分も相手も確認する」
この３点を確認してみましょう。この他にも保管場所について（高温になる場所は避ける、揮発性物質と共に置かないなど）の注意事項もあります。コンドームを購入したら、中に入っている「取扱説明書」をぜひ読んでみてくださいね。
　そして、装着側のみなさまは実戦を迎えるその日まで、スムーズな装着ができるよう自主練に励みましょう！特に薄モノと呼ばれるポリウレタン製コンドームは巻き下ろしにコツがいるので十分練習してから臨んでくださいね！

それでは、素敵なコンドームライフを！コンドーム選びを前戯に！

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ラテックスアレルギーでも使えるポリウレタン製です。