窓を眺める人

囚われの身で窓の外を見る。窓には電車が走る。
窓は開かず、音も聞こえず、ただ見ることしか叶わない。
規則正しく電車は走る。
ほら、また来る。よく見ると人が乗っている。
私とは違う世界の人のようだ。
窓の外をぼんやりと眺めていると、あまりの現実感のなさに映像でも見ているかのようだ。
天気も変わる。バスも走る。歩く人の姿はあまり見られない。
私はずっと窓の外を見ている。囚われの身として。

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