World Fragment's Vol.1

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<title> no name </title>
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※※※取扱注意※※※
――機微情報を含む――――

――当研究区画外への持出しを禁ず――――

[2058/12/24]
 当研究所にて所有、秘匿している被検体のうち、本計画で使用するものについては以下のとおりである。いずれも、計画の根幹となる「人形」を生み出すための重要な因子となると思われる。

・Subject No.002 / codename = "creation"
 抗体の異常な産生能力を有する個体。これまで、単体としてヒ素や水銀、無機化合物のフッ化水素やシアン化カリウム、有機化合物のアコニチンやテトロドトキシン等について、被検体に対し致死量を超える過剰投与、または強制吸引を行ったが生存。
 現在は複数の毒素の混合物ならびにVXガス等の合成物に対する耐性を評価中。

・Subject No.005 / codename = "R"
・Subject No.006 / codename = "L"
 男女の一卵性双生児。これまでに実施した様々な思考実験及び五感刺激の結果から、意思や思考、五感の大部分を何らかの形で共有していることが確認されている。
 時間の経過に伴い、いずれの個体についても自我が失われつつあることから、速やかな研究の遂行が望まれる。

・Subject No.008 / codename = "beast"
 本来脳が有している抑制作用に先天的な欠陥があり、筋出力の制御が困難な状態となっている。そのため、通常の人体は自動的に2~3割程度の筋出力に抑えられているのに対し、当該個体については常に8~9割の筋出力を示す。
 その過剰な力は周囲のみではなく、被検体自身の筋骨にも損傷を与えることから、拘束具等の外的要因により肉体の動作を制限し、被検体及び周辺設備を保護する必要がある。

・Subject No.009 / codename = "immortal"
 多くの生物が進化の過程で失ったとされる再生機能を有する個体。身体の一部を欠損した場合、付近の細胞が脱分化し正常な組織を再構成することが確認されている。メカニズムは不明。
 なお、頭部に致命傷を与えた際のバイタルサインの低下から、通常の生物同様に、脳や心臓等の生命維持に不可欠な臓器を損傷、欠損した場合は死に至るものと考えられる。

以上


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