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歴史・人物伝~エピソード編②:前田慶次(前編)「前田家ではなく上杉家を選んだ男」

歴史・人物伝~エピソード編の実質第1回で登場するのは、戦国時代に活躍し、漫画「花の慶次」でメジャーになった武将・前田慶次(利益)です。


前田慶次は、漫画「花の慶次」によって戦国武将の中でも屈指の知名度を誇る人物になりました。もちろん実在した人物です。加賀百万石の藩祖となった前田利家の兄・利久に嫁いだ母親の連子で、実の父親は滝川一益の一族出身だとされています。

前田家の当主になった利家とは折り合いが悪かったとされ、豊臣秀吉が天下を取った頃、前田家を出奔します。その後、縁あって上杉景勝の家臣となり、関ケ原の合戦後には上杉家とともに米沢へ移り、米沢でその生涯を遂げます。景勝の腹心・直江兼続の盟友だったとも言われています。

慶次が景勝に仕官した理由として知られるエピソードがあります。秀吉の宴席に紛れ込んだ慶次が、秀吉をからかって猿真似をしました。居並ぶ諸大名の中で、厳然たる態度だった景勝の前でだけは、悪ふざけが出来なかったそうです。

結果として、利家は100万石の大大名となり、景勝は30万石に転落しました。ですが、慶次の上杉家に対する忠義は揺るぎませんでした。米沢市には、慶次の供養塔や慶次清水と呼ばれる史跡があり、今も市民に親しまれています。(其の二につづきます)

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