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仕組みと仕掛け


「仕組み」「仕掛け」ということを考える機会があった。

友人が「仕組み」を作る人間になりたいと言っていて、それに感化されて「仕組み」という言葉を考えることが増えた。


一方でデザインとかの本を読むと「仕掛け学」なんて言葉がよく出てくる。
「仕組み」と「仕掛け」というものを考えていて自分の中で納得のいく定義ができたのでこれは書いておきたいと思い、ワインの投稿の間に入れ込むことにした。


「仕組み」と「仕掛け」
なにかきれいな例はないかと考えていたら思いついたのが
「回転寿司」と「回転しない回転寿司」だ。

たまに回転寿司に行くと本当においしい。

それはさておき回転寿司は「仕組み」の産物だ。


寿司を回転させる。それによって食欲が増すというのは研究レベルで出ていると聞いたことがある。
さらにそれによってサービスのコストも下がる。新規性もかつては高かっただろう。
これははっきりと成果が出ることも見えるし、定量的な部分にまで落とし込むことができる。
昨今の回転寿司では客の人数とか年齢層とかもトラッキングして回すネタや量を調節しているのだろう。
これははっきりと「仕組み」化されたものだと思う。



一方で「回転しない回転寿司」とは何かという話だが、以前福岡県の上毛町というところに伺ったときに、大分県の地獄温泉の近くの回転寿司「亀正くるくる寿司」がおいしいということを聞き訪ねた。

するとそこには開店前の行列。

満を持してお店に入ると全く動いていない回転寿司のレーンが。
どうやら忙しすぎて回している場合ではないようだ。
お店の人が紙に書かれた注文を持っては厨房に戻る。
そしてその店の光物のおいしさと言ったらまさに破格だった。



違和感や面白さなどを凝縮することで一歩上のサービス体験を与える。
これによってファンやバズを生むのだ。
面白さなんて定量的には測れないし、バズなんてどう生まれるか仮説を立てようにも分岐が多すぎる。
けれどこれも立派な戦略で、こういったものが「仕掛け」だと私は思う。
「仕掛け」は何重にも置いとかないと爆発力を生まないが、その爆発力はかなりの効果を生む。

ナポレオンの村の原作でもある「ローマ法王に米を食べさせた男」の中に出てくる、ブランドの逆輸入なんかも仕掛けだ。
海外に輸出してしまうことによって地元で、そして日本でバズを作っていく。
無理やりワインに絡めるとすれば「勝沼醸造」のフランス輸出も近いものがあると思う。

これが私の思う「仕掛け」だ。

定量的に見る。仮説が立てられる。そういったものは仕組化されるもの。
定性的に見れない。仮説検証が難しい。そういったものが仕掛けるもの。

定量的な「仕組み」を作るのも面白いが、「仕掛け」によって爆発的な効果を生むのも面白いと思う。

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