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Rickie Lee Jones 『Rickie Lee Jones』

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🎧 Rickie Lee Jones 『Rickie Lee Jones』

現在も現役のアメリカンシンガーソングライター。
これは1979年のデビューアルバム。

出会い

兄が友達から借りてきたレコードでセカンドアルバム『Pirates』を聴いた。Deep PurpleやCheap Trickを聴いていた私だったが、そのピアノとハスキーボイスに一気にファンになった。後で分かるが『Pirates』はファーストアルバムとは少し異なり、ピアノがメインでホーンも抑え気味のより大人っぽいアルバムだった。数年後にファーストアルバムのCDを買って、『Pirates』とは異なるフォーク、ブルース、ジャズなどのサウンドに改めてファンになった。

Tom Waits

しゃがれた声でブルースを唄う超絶シブいシンガーだが、私の世代にはミュージシャンとしてよりもJim Jarmuschの映画に出ている俳優として知られているTom Waits(Tom Waitsについてもいつか書きたい)。彼女はデビュー前からTom Waitsと付き合っておりデビュー前後に分かれている。彼女は女性版Tom Waitsといったサウンドだが音楽的な影響は受けたのか、そもそも同じセンスなので気があったのか。どうでもいいがTom Waitsの5thアルバム『Blue Valentine』の裏ジャケにはデビュー前の彼女が写っている。

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恋するチャック

Rickie Lee Jonesといえばこの曲。
チャックと聞くと人を殺しまくる邪悪な人形か、日本語バリバリの筋肉ムキムキアメリカ人を思い出すがそうではない。
Tom Waitsと付き合っていた頃の共通の友人Chuck E. Weissの事で、彼の様子がどうも変だとなったある日ChuckからTomに電話が入る。電話を切った後Rickieが「どうしたって?」と聞いた時にTomが言った「Chuck E’s In love」(チャック、恋してるって)がタイトルになっている。実際に恋した相手はチャックのいとこらしいが、歌詞の最後に出てくる恋の相手は実際とは異なったオチがついている。

How come he don't come and P.L.P. with me
Down at the meter no more?
And how come he turn off the TV
And hang that sign on the door?
Well, we call, and we call
"How come?", we say
Hey, what could make a boy behave this way, yeah?

Well, he learned all of the lines now
And every time
He don't, uh, stutter when he talks
And it's true, it's true
He sure has acquired
This kind of cool and inspired sort of jazz when he walks
Where's his jacket and his old blue jeans?
If, if this ain't healthy, it is some kinda clean

But that means that Chuck E.'s in love, my, my
Chuck E.'s in love, love, love, love
Chuck E.'s in love, uh-huh
Chuck E.'s in

I don't believe what you're saying to me
This is something that I've got to see
Is he here?
I look in the pool hall
But is he here?
I look in the drugstore
But is he here?
No, he don't come here no more

Well, I tell you what
I saw him
He was sittin' behind us
Down at the Pantages
And whatever it is
That he's got up his sleeve
Well, I hope it isn't contagious

What's her name?
Is that her there?
Oh, Christ, I think he's even combed his hair
And is that her?
Well, then, what's her name?
Oh, it's never gonna be the same
That's not her
I know what's wrong
'Cause Chuck E.'s in love with the little girl singing this song
And don't you know

Chuck E.'s in love, yeah, yeah
Chuck E.'s in love, love, love, love
Chuck E.'s in love, my, my
Chuck E.'s in
Chuck E.'s in love
Chuck E.'s in love
He's in love, love, love with me

どうして彼は私に寄りかかって来なくなったのかしら?
パーキングメーターの前でやってたみたいに
どうして彼はテレビを消しちゃって
あんな貼り紙をドアにぶら下げておくのかしら?
何度も彼に電話して
「どうしたの?」って聞いてるのに
一体何があの子そんな風にさせてるの?、

今の彼ってセリフを覚えようとしてる人みたい
いつだって彼が話す時にどもったりしたことなんて無かったのに
それは本当のこと
彼はちょっぴりジャズから影響されたクールな歩き方をしてるし
彼の着てたジャケットやジーンズはどこに行ったのかしら?
それはくたびれた感じだったし今の方が清潔じゃない?

チャック・E.は恋をしてると思うわ
チャック・E.は恋をしてると思うわ

あなたの言ったことが信じられないの
これは自分の目で見て 確かめないと
彼はここ?
ビリヤード場で見かけたわ
彼はいる?
ドラッグストアで見かけたわ
彼はいる?
彼はもうここには来ないよ

私は彼を見かけたわ
彼パンテージ映画館で私たちの後ろの座席に座ってた
彼が隠そうとしているものが何かわかないけど
それが私にもうつらなければ良いけど

彼女の名前は?
その子はどこにいるの?
彼は彼女の髪の毛をきれいに解かしてるの
それって彼女?
彼女の名前は?
もう今までとは違うのね
でもそれは彼女じゃない
なにかへんなの
チャック・E.は恋をしてる
この歌をうたってる小さな女の子に
分からない?

チャック・E.は恋をしてる
私にね

このアルバム

タバコをくわえたジャケットの通りのサウンドだが、歌詞は恋、若さ、都会の暮らしなど身近な内容が多い。Linda RonstadtやCarol Kingのメロディーに、フォーク、R&B、ジャズの要素をミックスしたサウンドといった感じだが、今聴くとそのホーンとジャズっぽいサウンドはSteely Danに近い部分もあるように感じます(10年後の1989年にWalter Beckerのプロデュースでアルバムをリリースしている)。レコーディングには、Randy Newman、Jeff Pocaro(TOTO)、Micheal McDonald(The Doobie Brothers)など当時の有名ミュージシャンが参加しています。

金曜日の夜に酒でも飲みながら静かに過ごしたい時に聴くには最高のサウンドで、Linda Ronstadt、Carol King、Karla Bonoff、Fiona Apple、Steely Danなどが好きな方におすすめです。しかしデビューアルバムでこんなシブいシンガーって。リリース当時は25歳。デビュー前にクラブなどで唄っていただけあって貫禄がありますね。
25歳の頃は通勤電車でヤンマガの「ゴリラーマン」を読んで笑ってましたけど何か。




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