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UFO 『Strangers In The Night』

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🎧 UFO 『Strangers In The Night』

1979年にリリースされたイギリスのハードロック・バンド UFOのライブ・アルバム。

出会い

私のように80年代から本格的に洋楽を聴き始めた世代は、Michael Schenker Group(以下MSG)からUFOに入った方が多いのではないかと思う。UFO=Michael Schenkerが元いたバンドというイメージかもしれない。

私はMSGのファースト・アルバムを聴きすぎて早々に飽きてしまい、このアルバムからUFOに入った。といってもこのアルバムと『Lights Out』の2枚しかもっていない。

このアルバムは買ったのは田舎のレコード店にこれしかなかったからだが、MSG以上に聴きまくった。ちなみに『Lights Out』は後輩から貰った。

ベストアルバム

熱心なUFOファンの方はスタジオアルバムを聴いているのでしょうが、私はこのライブアルバムをベストアルバムとして聴いている。というか、このアルバムを先に聴いたせいかスタジオアルバムを聴いてもなんとなく物足らない。

UFOで一番有名な曲「Doctor Doctor」はライブの方が迫力も盛り上がりもあるような気がする。Cheap Trickの「I Want You To Want Me」がスタジオより『At Budokan』の方がイイのと同じ感じ。

Michael Schenker

1978年のアメリカツアーのシカゴとルイビルでの公演を録音したライブで、Michael Schenkerはこのツアー(このアルバム)を最後に脱退している。元々脱退したギターリストの代わりにScorpionsから引き抜かれた彼だが、MSGでのインタビューでUFO在籍時にヴォーカルのPhil Moggからひどいイジメを受けていたと言っていた。脱退前にも一度失踪騒ぎを起こしている。UFOの人気が上がったのは彼のおかげなのに本当ならひどい話だ。

バンドを脱退後に、このライブのギター部分のオーバーダビングを依頼された彼はそれを拒否、ライブで録音したままを正確に届けたいという思いがあったらしい。確かに。ただ、このアルバムの選曲には不満があったらしく、もっといい状態の物を使うべきだったと言っている。

Reissue

これをCDで初めて聴かれた方、もしくはCDでしか聴いた事がない方は、オープニングのどなり「Hello Chicago! Would you please welcome from England!U・F・O」の後、「Hot 'n' Ready」が始まると思っているでしょうが、レコードでは「Natural Thing」で始まる。1999年に発売されたCD版は「Hot 'n' Ready」と「Cherry Cherry」の2曲が追加されて、なんとオープニング曲が変わっている。

実際の公演では「Hot 'n' Ready」がオープニング曲だったようだ。Cheap Trickの『At Budokan』やKissの『Alive』のように、普通はどなりに被せるぐらいの間でイントロが始まる(少なくともレコード上は)と思うが、レコードを初めて聴いた時どなりからイントロまでに変な間があるなとは思っていた。とはいえ、ライブアルバムのオープニング曲をそんな簡単に変更する感覚が理解できない。元のレコードを気に入っていただけにがっかり。しかもWikiを見ると追加した2曲は上記2箇所ではなくオハイオ州の2都市で録音された物らしい。そこまでして追加する意味は何だと言いたくなる。しかも追加した2曲がぱっとしない。

さらに、元から入っている「Mother Mary」と「This Kids」の2曲はスタジオ収録の曲に観客の声を入れたものらしい。レコードは擦り切れるほど聴いたが全く気づかなかった。レコードのライナーノーツにもジャケットのクレジットにも記載されていないが本当ならさらにひどい話だ。

2020年にはDeluxe版が出ており8CDsだそう。レコード版と同じ内容の2枚と、6箇所の各公演が6枚というセットになっている。Amazonでレビューを見るとレコード版と同じものが出てうれしいと書いている方がいたが本当にそう思う。探せばあるのかもしれないが、本当にその2枚組だけでいいと思うのだが。
とはいえ、こんなに再発されるのはこのアルバムに根強い人気があるからだろう。ということにしておこう。

このアルバム

ハードロックというジャンルになるが、シンプルでメロディアスな曲はパワーポップと言ってもいいでしょう。Michael SchenkerのMSGとは一味違う泣きのギターと、後にMSGにも参加するPaul Raymondのキーボード(電子ピアノ)の絡みがUFOサウンドの魅力。特に(レコードでは)A面最後の曲で、このアルバムの最高の盛り上がりを見せる「Doctor Doctor」がオススメ。このアルバムからシングル・カットもされている。

いろいろ書きましたが自分が持っているハードロック系のライブアルバムの中でも、Queen『Live KIllers』、Aerosmith『Live Bootleg』、Cheap Trick『At Budokan』、Whitesnake『Live At Hammersmith』と並んで好きなレコードです。既にファンの方も多いと思いますが、まだの方はぜひ。特にMSGはもちろんWhitesnake、Rainbow,Scorpionsなど70年代〜80年代のハードロックがお好きな方には超オススメです。



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