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Jefferson Airplane 『Surrealistic Pillow』

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🎧 Jefferson Airplane 『Surrealistic Pillow』

60年代後半に流行したサイケデリックサウンドの代表格。

サンフランシスコを中心としたドラッグカルチャー、フラワームーブメント、ピッピーカルチャーなどの映像には欠かせないJefferson Airplaneが1967年にリリースした2ndアルバム。

出会い

私が洋楽を聴き始めた頃は既にJefferson Starshipに改名されており、旧名がAirplaneだったという程度の認識しかなかった。

しばらくしてMTVが出現した頃には更にStarshipに改名され、「We Built This City(シスコはロック・シティ)」「Sara(セーラ) 」「Nothing's Gonna Stop Us Now (愛はとまらない)」などのビッグ・ヒットを出したが、当時Jefferson StarshipもJefferson Airplaneも聴く機会は無かった。

White Rabbit

初めて聴いたのは1986年公開の映画『Platoon』で、主人公達がベースキャンプにで大麻(?)を吸っているシーンで流れる「White Rabbit」。Jefferson Airplaneと言えばこの曲と言える代表曲。

ちなみに赤いバンダナを巻いているのは若き日のJohnny Depp。


小説「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」から歌詞、Miles Davisの「Sketches of Spain」から曲の影響を受けたGrace SlickがJefferson Airplane加入前に作った曲。

幻覚を見ているようなイントロ、妖艶で震えるようなGrace Slickの歌声、トリップしている歌詞、この曲を聴いてファンになりレコードを買った。

「White Rabbit」

One pill makes you larger
And one pill makes you small
And the ones that mother gives you
Don’t do anything at all
Go ask Alice
When she’s ten feet tall

And if you go chasing rabbits
And you know you’re going to fall
Tell ‘em a hookah smoking caterpillar
Has given you the call…
Call Alice
When she was just small

When the men on the chessboard
Get up and tell you where to go
And you’ve just had some kind of mushroom
And your mind is moving low
Go ask Alice
I think she’ll know

When logic and proportion
Have fallen sloppy dead
And the White Knight is talking backwards
And the Red Queen’s off with her head
Remember what the Dormouse said
Feed your head
Feed your head

一つは大きくなる薬
一つは小さくなる薬
それはお母さんが貴方に与えたの
何かしちゃ駄目
アリスに聞きに行くの
彼女が10フィートの大きさの時に

水パイプを吸ってる芋虫に伝えて
貴方を呼んでるそいつに
アリスを呼んで
彼女が小さくなった時にね

チェス盤の上の男たちが
立ち上がって行き先を言ってくれるわ
そしてあなたがいろんなキノコ食べた
そして気分が沈んでくるわ
アリスに聞きに行くといいわ
彼女は分かってるから

論理と調和が
音を立てて崩れ去る時
白の騎士が後ろから話しかけ
赤の女王が「首をはねてしまえ!」と叫ぶの
ヤマネにどうすればいか尋ねてみなさい
頭に栄養を、頭を気持ち良くするのよ

Somebody To Love

「White Rabbit」と並ぶ代表曲。映画『St.Vincent(ヴィンセントが教えてくれたこと)』で、酔っ払ったベトナム帰還兵のBill Murrayがジュークボックスでかけながら踊っている。

『Rushmore(天才マックスの世界)』の記事でも書いた通り、コメディアンから役者へと変貌したBill Murrayは本当に深い。

ネタバレになるので書けないが、やさぐれたオッサンが隣に越してきた子供のおかげて新しい人生を歩み始めるこの映画は必見の価値がある。その冒頭シーンだが、後から考えると映画のストーリーと曲の内容がリンクする。

Grace SlickがJefferson Airplaneの前に在籍していたThe Great Societyの曲で、Darby Slick(Grace Slickの義理の弟)が作った。

Grace SlickはJefferson Airplane加入時にこの曲と「White Rabbit」を提供したが、この2曲が代表曲になった事でバンドの中での彼女の立場を確立し、のちのStarshipまで彼女が中心のバンドとなった。

Woodstockでもライブ映像。

「Somebody to love」

When the truth is found to be lies
And all the joy within you dies

Don’t you want somebody to love
Don’t you need somebody to love
Wouldn’t you love somebody to love
You better find somebody to love
Love, love

When the garden flowers
Baby are dead, yes and
Your mind, your mind is so full of red

Don’t you want somebody to love
Don’t you need somebody to love
Wouldn’t you love somebody to love
You better find somebody to love

Your eyes, I say your eyes may look like his
Yeah but in your head, baby
I’m afraid you don’t know where it is

Don’t you want somebody to love
Don’t you need somebody to love
Wouldn’t you love somebody to love
You better find somebody to love

Tears are running
Down and down and down your breast
And your friends, baby
They treat you like a guest

Don’t you want somebody to love
Don’t you need somebody to love
Wouldn’t you love somebody to love
You better find somebody to love

真実が、嘘になってしまったら、
貴方の渇望の中でだけ、喜びが満たされるの

愛する人が欲しくないの?
愛する人が必要じゃない?
愛する人を愛してあげたくないの?
あなた、愛せる誰かを見つけた方が良いわよ
愛して、愛して

庭の花々が咲き乱れてる時に、
愛しい人よ、全部が死んでるの
そうよ、そうしたら、
貴方の精神が、貴方の精神の全てが、凄く真っ赤に染まっているの

愛する人が欲しくないの?
愛する人が必要じゃない?
愛する人を愛してあげたくないの?
あなた、愛せる誰かを見つけた方が良いわよ

貴方の瞳ったら、貴方の瞳ったら、
彼の瞳みたいに見えるわ
ああ、そうよ、でも貴方の頭の中が、ベイビー
私は怖いのよ、どこにあるか貴方ったら、全く分かっていないんだもの

愛する人が欲しくないの?
愛する人が必要じゃない?
愛する人を愛してあげたくないの?
あなた、愛せる誰かを見つけた方が良いわよ

涙が流れ落ちて行くの
下へ下へと落ちて行くの、貴方の胸までよ
貴方のお友達がね、ベイビー
お客様みたいに扱ってくれるわよ

愛する人が欲しくないの?
愛する人が必要じゃない?
愛する人を愛してあげたくないの?
あなた、愛せる誰かを見つけた方が良いわよ

このアルバム

ご存知だとは思いますがStarshipとは全く別のバンドと言っていいです。実際違いますけど。Peter GabrielのGenesisとPhil Collinsのそれと違うのと同じです。Starshipの曲も好きですが私はJefferson Airplaneの方が好きです。

上記2曲がバンドのイメージになってしまっているが、アルバムを通して聴くとそうではない事がわかります。Grace Slickはこのアルバムから加入しており、彼女が唄う曲以外はバンドの創設者Paul Kantnerと Marty Balinによるフォークロックやブルースロックが中心になっています。

そこにGrace Slickのトリップした歌声がミックスされ、サイケデリックな部分と古き良きアメリカのトラディショナルな部分を持つ聴き応えのあるアルバムになっています。

Wikiによると現在まで脱退や分裂ですったもんだしていたようだ。方向性の違いってやつですね。2018年にMarty Balinが亡くなっているので、当初の中心メンバーでのJefferson Airplane復活が無くなったのが残念。

余談

昔MusicLifeに書いていたゴシップ記事で、パーティーで酔っ払ったGrace SlickがLed ZeppelinのJimmy Pageの股間を掴んで「やらせろー」ってわめいていたというのを読んだ。ロッカーはそうじゃなくちゃ。Grace Slickファンとしては事実であってほしい。

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