銭湯GOGO

最近、銭湯に行く機会が増えた。

つい半年前までは「銭湯は知らない人がいるから嫌だ同じ湯船につかりたくないサウナの入り方がわからない水風呂が冷たすぎる」と言っていた僕がこんなにも銭湯に行くことになるとは、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』3巻の効果はとてつもない。

僕はすぐ何かに影響されるので、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』の3巻で銭湯・サウナの入り方が紹介されているのを読んであっという間に行きたくなり、実際行ってみたらめちゃくちゃ良くてハマってしまった。

『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』でも触れられていたけど、気分が落ち込んだときに銭湯に行くと基礎体温が上がり超ハッピーな気分になれるので、気分が落ち込んだときには積極的に銭湯に行くことにしている。

とはいえ、近所にある銭湯はサウナ込みで560円。もやしとチキンラーメンを主食にしている人間がホイホイ行ける場所ではない。「ライブですべった」「ドトールで店員に睨まれた」ぐらいの少しの落ち込みで行っていたらあっという間にお金を溶かしてしまう。なので「ライブでめちゃくちゃすべった上に財布を盗まれ膝も折られた」ぐらい落ち込んだときだけ銭湯に行くことにしている。

先日「ライブでめちゃくちゃすべった上に財布を盗まれ膝も折られた」ぐらい落ち込んだ出来事があったので、「これはもう行くしかない!!!!」と思って意気揚々と銭湯に乗り込んだところ、なんとその日は休みだった。「家を出る前にやっているかどうか調べた上で乗り込んだのに休み」というわけがわからない状況に愕然としながら、今後どう過ごすかを真剣に考えた。この落ち込みの沼から早急に脱出する必要がある。


そもそも、銭湯と出会う前は落ち込んだときにどうやって沼から脱出していたんだろう。よく考えてみたら脱出していなかった。落ち込んだらずっと落ち込んだままにしていた。

今まで生きてきてうまく行かないことは山ほどあったし、落ち込んだことなんて数えきれないほどある。人と喧嘩をした。テストの点数が悪かった。仕事でミスをした。時間をかけて作ったネタをお金を払って舞台上で披露したらすべった。そんなことばかりだ。そういう時は好きなものに没頭して忘れようと思い、読書をしたりアニメを観たりゲームをしたりして脱出を試みてきたが、それらをやりながらもずっと頭の隅に沼は絶えず広がっていた。実際に忘れたとしてその問題が消えるわけではないのだから、忘れたところで解決できるわけでは無い。いつかはそれらに立ち向かわなければいけない。

「立ち向かう気力を蓄えるためにも一旦リセットする」ということが有益だとはわかっているけど、どうにも自分は苦手みたいだ。では落ち込んだ後すぐに打開策を打ち出し、問題解決に向かうかと言えばそういうわけでもない。そんなすぐに行動することもできず、ひたすらその事実を反芻しずっと落ち込む。何も変わらない沼を眺めつづけている。眺めつづけているとだんだん疲れていくので、「もうどうしようもないけどとりあえず寝よう」と思って床につく。起きたらなんとなく状況が好転した気がするが結局何も変わっていない。(これが朝の一番ムカつく所)

そういう状況にいつの間にか慣れていたけど、あまり良い方法では無いなーと思っていたところでサウナに出会った。サウナの中にいたら余計なことは何も考えなくて済む。熱いから。「熱い」以外のことを考える余裕が無い。自ら何かに熱中して忘れるのではなく、無理やり一つのこと以外考えられない状況に追い込むことが大切なのかもしれない。

そう思って銭湯が休んだ日は家でお酒を飲んで酔っ払い、何も考えられない状況に追い込もうと思ったが逆に「こんなことをしても何もならない」という後ろめたさはしっかりと残った。仕方ないのでニコニコ動画で音MADを観たら少し気分が良くなった。沼から脱出するには音MADかもしれないな、と思いながら寝た。




明日トークライブあります。是非


頂いたサポートでドトールに行って文章を書きます