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私の普段の仕事紹介 〜Webサイト制作現場のど真ん中より〜

第2子出産から2か月。ほぼ24時間共に過ごし、すっかり赤子脳になっております。はうー。

そんな近況ですが、今年は本格的に中小企業診断士としても始動予定です。そこで、今までの私の経歴をご存知ない診断士仲間の方向けに、改めて自分の仕事について明文化しておきます。

個人事業で、Web制作事務所を営んでいます

自己紹介記事にも書きましたが、2011年よりozone notes(オゾン・ノーツ) という屋号でフリーランスのウェブ制作者として活動しています。

中小企業診断士の集まり等では、「企業内診断士ですか、独立診断士ですか」という2択で尋ねられることが多く、ちょっと悩んで独立診断士だと回答しています。(この質問から、診断士になる前に既に独立している人は少数派なのだなぁと感じます)

Web制作の工程の中でも、特にマークアップ・フロントエンド・WordPressを中心とするCMS実装を専門としています。

・・・と、普段はこういう説明をするのですが、Web業界外の方にはこの説明ではなかなか伝わらないと思います。もう少し具体的にご紹介します。

「会社やお店のホームページを作る仕事をしています」

これは、親戚や地元の人など、直接ビジネス的な関わりのない方に職業を尋ねられた時の回答です。「Web制作」という言葉さえ通じないことがほとんどなので、こういう説明になります。
さらに、

「町の飲食店やお医者さんのホームページを作ることもありますし、誰もが知ってる世界的大企業の、この事業部の、この商品の、このページだけ、という仕事もあります」

と付け加えます。

私の顧客はこういう方々

当方の業務は、100%BtoBビジネスです。
顧客は大まかに

  1. 中小企業(主に小規模)

  2. Web制作会社やデザイン会社、広告代理店等

  3. フリーランス仲間

の3種類に分かれます。
1が直請け案件(クライアント企業と直接契約)、2と3が外注受託案件(下請けとして稼働)にあたり、その割合は売上高ベースでおおよそ半々くらい。利益率は外注案件の方が良いので、利益ベースだと4(直請):6(下請)くらいです。

以前はもう少し直請けの割合が多かったのですが、第1子妊娠のタイミングでいくつか契約を終了しました。今は出産前ほど時間が取れないため、手離れの良い外注受託の割合を意図的に増やしています。このあたりはライフステージに合わせて調整しています。

Web業界は分業化がかなり進んでいます

Web業界外の方に「ホームページを作っている」と話すと、デザインからプログラムまで全部できると思われることもあります。また、「デザイナーですか」もしくは「プログラマーですか」と訊かれることも多いです。

残念ながら、私はどちらでもありません。デザインも、プログラムも、業界外の方よりはちょっとできる程度です。私の専門は、デザイン工程とプログラム工程のちょうど間にあたる部分です。

昨今のWeb制作の現場は多くが分業制であり、案件規模によっても様々ですが、典型的には以下のような役割の人たちが協力して1つのサイトを制作します。

  • ①ディレクター
    クライアントと制作チームの間に立ってプロジェクトを指揮する現場監督。仕様策定・設計も担当することが多い

  • ②デザイナー
    主に視覚的な成果物を作成する。見た目がきれいなだけでなく、サイトの使いやすさや売上向上、ブランド育成のためのビジュアル提案が求められることも多い

  • ③コーダー
    デザイナーが作成したデザインを、Webサイトとして機能するようにHTMLやCSSなどの言語を使って組み上げる。

  • ④プログラマー
    Webサイトに、フォームやカート等、動的なシステムを組み込む

※厳密な職種の定義は、制作会社や個々人によっていろいろで、統一されていません。あくまで一例です。

私は、上記の中で主に①と③、加えて④のうち比較的シンプルな機能のものを担当しています。

直請けの案件の場合は、私がディレクションをして、デザインは外部のデザイナーさんに依頼。仕上がったデザインを自分でコーディングしてサイトとして完成させる。機能的に込み入ったプログラムが入る場合は、その部分をまた別のエンジニアさんに依頼する、という流れになります。
外注案件の場合は、発注元の代理店さんや制作会社さんの方でディレクションを行い、私は③の部分だけを担当する、というお仕事が多いです。

説明の便宜上大まかに4つに分けましたが、近年の業務はもっともっと細分化されています。例えば、今はCMS(専門知識がなくても管理画面にログインしてクライアントさん自身でサイトの文章・画像等の更新ができるシステム)を導入するサイトが大部分を占めます。このCMSの中で最もシェアが高いのが “WordPress(ワードプレス)” です。

近年ではWeb制作業でない方にもかなりWordPressが認知されていて、素人でも簡単にプロっぽいサイトやブログが作れると吹聴されることも多いですが、実はまともに制作・運用しようと思うとかなり難易度が高いのがWordPressでもあります。

制作会社さんのニーズとして「コーディングまでは自社でできるけど、CMSの実装は詳しい人に任せたい」というケースが結構多いので、「WordPressできる人誰かいないー?」ってことで私にお話が回ってきます。

一番多いご依頼はWordPress関連

私はかれこれ15、6年くらいWordPressを使ってきて、ありがたいことに同業者の中では「WordPressなら野村に聞こう」と思ってくれる人が増えました。意識高い言葉を使うと「セルフブランディング」の成果なのでしょうが、あくまで結果論であり、したたかに狙って築きあげたポジションではありません。ただ、自分が好きなこと、学び続けるのに苦のないことに絞って、アウトプットを続けてきたらこうなりました。

ブログを書いたりWordPressのテーマ(テンプレート)やプラグインを作成・配布したり、WordPressコミュニティの勉強会・イベントに参加したり、時に開催側や登壇する側に回ったりすることで、自然と周りが評価してくれたという感じです。コミュニティ活動を通じて出版社の方からお声掛けいただき、制作者向けのWordPressテーマ制作についての書籍を執筆する機会をいただいたのも良い思い出です。(中小企業診断士受験と第2子を希望する事情で改訂のお話を断ってしまったので、大変申し訳なく思っております)

最近は既存サイトの拡張・トラブル対応の相談多め

開業から13年経ち、手がけたサイトはかなりの数になってきました。Web制作の市場もかなり成熟し、新規開業でない限り、Webサイトを作ったことのないクライアントはほぼ絶滅。ゼロからのサイト制作案件の比率が下がり、今までのお客様からのリニューアル・拡張のご依頼の割合がかなり高くなっています。

そして、増えたのが

「今のサイトを制作した業者に不満がある/連絡が取れない」

などといった理由で、他社が制作したサイトの保守や改修を依頼されるケースです。
事情は様々ですが、サイトリニューアルで何もかも解決するわけではありません。自分の儲けを求めるなら全部作り直させるのがいいのですが、それでクライアントの利益になるとも限りません。誠実な仕事を求めるなら、安易に「作り直しましょう」とは言えないものです。

ということで、小規模企業さんを中心に、予算はそんなに出ないけど困っている方からのご相談にしょっちゅう対応しています。儲かりません。
自身のスキルアップと信用構築、先方の将来的な事業伸長を期待してお引き受けしていますが、結局のところ人助けです。ボランティアじゃないのでもちろん正当な対価はいただきますが、とても稼げるアピールできるようなものではありません。
仮にクライアントさんが儲からないのに自分が「稼げる!」なんて言ってたら不誠実このうえないですし、あくまでクライアントさんの事業が上手くいくために必要十分な報酬を慎ましく頂戴しています。

どうやって集客してきたか

独立当初から、営業活動は特に何もしていません。強いて言えば、

  1. ブログやTwitter(当時)での発信と、Web系の勉強会やコミュニティ活動(診断士でいう研究会のようなもの)への積極的な参加

  2. いただいたお仕事を誠実に遂行する

この2つです。
Twitterでぼそっと「フリーランスになります」と書いたら、すぐに以前イベントで知り合った方からDMで仕事の相談が飛んできました。それが初めての依頼で、その方は今もズブズブの関係大切なビジネスパートナーであり師匠のような存在です。

それ以降も、Twitterやコミュニティ活動で知り合った方からのご依頼や紹介をたくさんいただきました。それらのお仕事を誠実にやりとげることで、さらにそのお客様から継続的なご依頼をいただいたり、さらに別のお客様を紹介していただいたり…という循環で、おかげさまで13年間途切れなくお仕事を続けることができています。

集客経路として、もうひとつ重要なのが「自社サイト」です。

自社サイト経由の問い合わせは決して頻繁にあるわけではないですし、来たものすべてをお引き受けしているわけではありません。
正直、開業当時から一度もリニューアルしておらず、最近は手もかけていないので、以前ほどの問い合わせ数はありません。(同業者からのテンプレ的な営業メールはめちゃくちゃ来ます)
それでも自社サイトから良き出会いがあることも確かですし、ちゃんとサイトの内容を読んで問い合わせてくださった方はある程度私の理念に共感してくれているはずで、その後のお付き合いも良好なことが多いです。なので、比率は低くともゼロにはしないようにしています。

以上が普段の私の仕事の状況です。

中小企業診断士で「Webマーケティングやってます」という人はちらほら見かけますが、どっぷり制作現場のど真ん中でコーディングごりごりやってる人は希少だと思います。Webマーケティングやるにも実際にサイト触れる人がいないと何ともならないと思いますので、もしお困りでしたらお声掛けください。問い合わせフォームから「noteみました」と書いて送ってもらえれば優先的に対応すると思います。(多分)

Web業界と診断士の世界は多分似ている

前述した通り、昨今のWeb制作の現場は業務がかなり細分化されており、(一通りの業務範囲はカバーしたうえで)かなり狭い専門性を武器に活躍している方がたくさんいます。そのため同業者間でも競合相手とみなされることは少なく、お互いの得意な部分を活かして仕事を回しあうことが多いです。

中小企業診断士の世界も似たような感じと聞きます。同じ資格を持っていてもそれぞれのバックグラウンドが全然違うので、Web業界以上に多様な専門性を持つ人であふれています。他の士業と比べヨコのつながりが強固で同業者の仲が良いと言われていますが、その点はWeb業界とかなり近いと感じます。

妊娠出産のため診断士1年目は特にこれといった活動はできませんでしたが、これから、このnoteをお読みくださった中小企業診断士の方々と、互いの専門性を提供し合える機会を持てることを楽しみにしています!

余談: 本当にWordPressに詳しい人の見分け方

ここからは余談ですが、私の専門性に大きく関わる部分なので一応触れておきます。

「WordPressデキマス」というのを謳い文句にしている制作者やマーケターの方って結構多いですが、真贋を見分ける1つの要素として、その方の書いた文章の中で「WordPress」という表記が貫かれているかを意識してみてください。Wordpress ではなく、Word Press でもなく、wordpress でもなく、WORDPRESS でもなく、WordPress になっているか、ということです。

※半分ジョークですが、残り半分は核心ついてるはずです。ちなみにWordPressの内部には、"Wordpress" という表記を"WordPress"に置換するためだけの関数が本当に実装されています。

これもジョーク関数ですが、開発チームは"WordPress"という商標をとても大切にしています。

もうひとつ、逆説的ではありますが、何でもかんでもWordPressでやろうとする人よりは、「それWordPressじゃない方がいいんじゃね」と言ってくる人の方がWordPressに詳しかったりします。昨今ノーコードのツールもいろいろある中、なぜわざわざWordPressなのかちゃんと明確な理由をもって選びましょう。

中小企業診断士の世界でも「WordPressといえばのむらけい」と想起いただけるようになったら嬉しいです。余談終わり。

お問い合わせは事務所サイトのメールフォームからお願いします。

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