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やる気のない子に、やる気になってもらうには?

高校生マイプロジェクトアワードに参加してきた話を書いたのが前回
自分のやりたい事を実現するために、英語を勉強して発信したり海外留学したりと、それはそれは素晴らしい発表でございました。

そして、その後に行われた伴走者フォーラム(高校生マイプロジェクトに伴走した大人達が知見を共有する場です)にも参加したのですが、参加してわかったのは、参加する高校生全員が全員、スムーズにプロジェクトが進むわけじゃないという現実でした。当たり前ですけれども。

スムーズ、というのは、高校生のマイプロジェクトが障害なく進む、という話ではありません。取り組む高校生自身にやる気スイッチが入り、自走している状態になるということです。

高校生マイプロジェクトは学校単位で取り組んでいる所もあり、希望者が応募してくる「マイプロジェクトU-15」とは異なります。例えば教室にいる全員を参加させなきゃいけないケースもある訳です。「自分のやりたい事をやってみよう」と呼びかけたところで、「分からない」「別にない」という子ども達も沢山いるそうです。大人だってそうですから。子どもだからって、そう簡単にやりたい事がポンポン出てくる訳じゃありません。試行錯誤する前に、スタートがまず切れない。

伴走者フォーラムでは、グループに分かれて話し合ったのですが、私のグループで一番多かった悩みは、上記の”やる気のない子をどう鼓舞するか?”でした。他の方がやっていた実践例や「こうしたらいいんじゃない?」という意見をまとめてみます。

地域に連れ出してみる

斜に構えている子を、何やかんやと理由をつけて地域行事に借り出してみると、意外にもフィットして、やる気スイッチが入った事例がありました。「地域のお祭りするんだけど、人が足りないの。手伝ってくれない?」とか「今度田植えあるんだけど、来ない?」とか。それらは地方ならではかもしれませんが、そうやって子どもを地域の大人がいる場に引き出していくと、地域の大人は子どもに話しかけてくれます。仕事を頼みます。ありがとう、と言います。そうすると、先生や親とは違う斜めの関係が、地域の大人と子どもとの間に生まれていき、子どもの興味が引き出されていくというのです。最初はイヤイヤ田植えに参加していた生徒が、その後は「稲刈りあるなら、オレいこっか?」「次は何かないの?」という態度に変わっていったそうです。
「やりたいことない?」→「別に」という態度から、少しだけ変わったそのタイミングで、「●●君が見ていて、こういうのがあったらいいんじゃないかな、って感じたことあったー?」などとヒアリングしていくと、そこから”マイプロジェクト”が生まれていきます。
子ども自ら「これがやりたい!」と言い出す事だけを待つのでなく、色んな大人に触れる機会を作り、質問しながら引き出していくのです。

安心安全な場づくり。「評価しない」ことを子どもに伝える。

「やりたい事なんかない」と斜に構える子どもの中には、変な事を言ったら叱られるんじゃないか、成績に響くんじゃないか、と警戒している子もいます。子どもの警戒心を解きほどかなければ、自分のやりたい事を素直に口に出させる事は出来ません。そこで、「この場で話したことで、君たちを評価することはないよ」という事を前もって伝えるのだそうです。こういう言い方をするかどうかは別にして、評価する場ではない、というのを何らかの形で子どもに伝えるのは、大切だなと思いました。

大人が真剣に向き合う姿を見せる

私は、子どもに考えさせる機会を作りたいので、出来るだけ大人の考える答えの手札は見せない方法でやりたいと思っています。でも、私の意見とは逆に、最終的な選択権は子どもにある事前提で、大人が自分の意見を言った方がいいという方もいました。子どものため、と言いながら大人が自分の意見を言わないのは嘘くさい、と。子どもの中には、学校の先生からも親からも見放されていて、大人に対する信頼が非常に薄い子もいます。そういう子にとって、自分のやりたい事に対して、本気で向き合い、応援してくれる大人がいるというのは、社会を前向きにとらえるきっかけになるとの事。

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子どもが千差万別である以上、絶対的な答えなどありません。また、主催する大人によってプロジェクトの目的も微妙に異なる故、最適解は違います。どういうやり方をとるのがよいかは、関わる大人達がどうしたいのか、何を目指したいのかによって変わります。

子どもに「マイプロ」を仕掛ける事自体が、大人の”マイプロジェクト”です。私たちにとっては、この「マイプロジェクトU-15」が私たちのマイプロです。自分たちのマイプロジェクトで、何をしたいのか?大人側のマイプロ精神が問われるな、と思いました。

さて、この伴走者フォーラムの2週間後。今度はマイプロジェクトU-15の企画の元になった「キミチャレ」企画者柴田さんを呼んでの座談会を行いました。やる気のない子にやる気になってもらうには?という問いを始め、キミチャレが何を目指してきたか、の核心の部分を2時間に渡り、柴田さんに色々と伺いました。

続きは、また次回に!

-------------------▶CAMPFIRE|変わりゆく未来をしなやかに生き抜くために、子どもたちに「挑戦」と「自分で決める」機会をつくる。「マイプロジェクトU-15」クラウドファンディング、無事目標金額達成いたしました。ご支援ありがとうございました。
https://camp-fire.jp/projects/view/77232

小学4年生〜中学生の子どもたちが、夏休みを使って、自分のやりたい事を計画、実行するプロジェクト『マイプロU-15』をやってます。いただいたサポートは、プロジェクトの実施に活用させていただきます。