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「キミチャレ」の極意を、柴田朋子さんに聞いてみた④サポート編

前回の続きです。プロジェクトの目星をたてた子どもたち。次は、具体的に計画を立てる段階です。ここでのサポーターの役割は何でしょう?

次の一歩を決める

 大人だってそうですが、一歩目を動き出さないとやる気って出てこないものだと思うのです。やる気が起きない時でも、とりあえずパソコンの電源を入れると、そこからズルズルと仕事に引き込まれていくことがあるように、まず、一歩目が出るということが、子どものプロジェクトでも大切です。最初の説明会で、プロジェクト計画書をつくる時間を設けているのですが、ネクストステップ(次の一歩)だけは明確にして子ども達を帰します。

「Aちゃんは、●月●日にケーキの材料買いに行って、Bくんは、●月●日に動物園に電話をかけて、Cちゃんは、●月●日に図書館に本借りに行って、Dくんは、明日からリフティングの練習を始めるんだよね!」

というように。
ネクストステップが決まってないと、説明会で計画を立てた事に満足して終わってしまいがちです。講演会や本を読んで、やる気だけアップして何も変わらない大人と同じです(耳が痛い)。
 また、遠い日の計画は立てづらいですが、「次に何をやればいいか」は、どの子も確実に分かるはずです。出来るところから、分かるところから、一歩ずつ進んでみる、踏み出してみる。この感覚は、「マイプロジェクト」が終了した後の、日常生活でもきっと役立つだろうと思います。

子どもが次の一歩を決めるために、サポーターに必要なこと

 大事なのが”ネクストステップを決める事”だというのは述べたとおりです。では、その課程でサポーターがやる事は何でしょうか?
 子どもの中には、ネクストステップが簡単に導き出せる子とそうでない子がいます。例えば、「ケーキを作る」プロジェクトを立てた子であれば、比較的ネクストステップは簡単です。「本やインターネットで材料を調べる」になると思います。ケーキづくりに慣れた子であっても、材料を事細かに覚えている子はいないと思いますので。では、「二重跳びを50回跳びたい」だったらどうでしょうか?この場合、その子が今どのレベルにいるのかで、ネクストステップが変わってきます。既に二重跳びを30回跳べている子であれば、ひたすら練習あるのみです。しかし、二重跳びを1回も跳べてない子であれば、二重跳びを教えてくれる人を探す、がネクストステップかもしれません。サポーターは、子どもの話をよく聞き、また、こちらからヒアリングして、子どもが今どのレベルにいるのかを確かめる必要があります。「いきなり50回は難しいから、まず1回跳べるように頑張ってみない?」とか「二重跳び上手い人に話聞いてみるー?周りにいるかなー?」とか、子どもに最終決定権をもたせながら、問いかけをベースにしたコミュニケーションによって、その子に合ったネクストステップを導いていきます。ただ、正解はないので、子どもが「やる」と決めたのなら、こちらの主張は飲み込んで、応援する姿勢も大事だと思っています。

最初の動機づけが肝。でも、失敗してからが本番。

 プロジェクトを作り、ネクストステップを決めたら、説明会は解散。子ども達は各々取り組みを開始していきます。この最初の説明会で、サポーターがきちんと子どもに動機づけ出来るかどうかが、肝になります。ところが、上手く動機づけ出来たとしても、そこから先はむやみに期待してはいけません。子どもは色々言い訳してやらなかったり、失敗して「もうやだー」と心折れてみたり、「やっぱりプロジェクト変えた」とか言い出しますから。ここで大人は、叱ったり、無理に最初立てたゴールに引っ張っていったりせずに、子どもの心に寄り添い、頑張っている姿勢を認めて、次の一歩へ背中を押してあげる事が求められます。柴田さん曰く、この課程の子ども達を見守るのは、相当にじれったく、忍耐でしかないそうです(笑)

普通、子どもの失敗は、子ども本人はもちろんの事、親も嫌がる事が多いのではないでしょうか?でも、失敗から立ち上がっていく課程で、子どもは多くの事を学んでいきます。子どもは辛いし、見守る大人も忍耐だしで、双方にとってチャレンジですが、失敗を通じた子どものテンションの上下に向き合うことが、「キミチャレ」一番の醍醐味なのではないかと思います。

ここまで、ずっと子どものサポート方法について書いてきました。次からは、「アンチ・サポート編」です。サポート不要なのに、親切心でサポートに入ってくるお節介な大人達の存在について書きます。悪意がない分、実は子どものサポートよりも、こちらの方が厄介っていう話。


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▶CAMPFIRE|変わりゆく未来をしなやかに生き抜くために、子どもたちに「挑戦」と「自分で決める」機会をつくる。「マイプロジェクトU-15」クラウドファンディング、無事目標金額達成いたしました。ご支援ありがとうございました。
https://camp-fire.jp/projects/view/77232

小学4年生〜中学生の子どもたちが、夏休みを使って、自分のやりたい事を計画、実行するプロジェクト『マイプロU-15』をやってます。いただいたサポートは、プロジェクトの実施に活用させていただきます。