「キミチャレ」の極意を、柴田朋子さんに聞いてみた②サポート編

前回からずいぶん時間があいてしまいましたが、前回の続きです。「マイプロジェクトU-15」の企画の元となった愛知県瀬戸市の「キミチャレ」。この「キミチャレ」の基本は、子どもが自分でやる。大人は見守る、です。でも、大人は全く何もやらない訳じゃない。前回は、その見守る大人(サポーター)の絶妙な手伝い具合を書きました。今回は、特に「なるほどな~!」と思った、④計画を作り上げていく部分でのヘルプ、を書きます。
 キミチャレの極意・・とタイトルに書いてますが、今回は「キミチャレ」から少し離れ、子どもが応募してくる前段階のお話。

「何かやりたいことある?」は、問いが大きすぎる

少し時間軸を戻して、スタッフで最初に集まった日の事です。全員、誰かのチャレンジ寄り添うサポーター体験は初めて。そこで、まずは、自分の子どもにマイプロジェクトを仕掛けてみよう!という話になりました。スタッフみんなで我が子を練習台にして、本番に備えようとしたのですね。ところが、いざ自分の子どもに「何かやりたいことない?」と聞いてみても、反応がイマイチなのです。「わかんない」。「別にない」。また、「ゲームしたい」と言う声に、思わず親の方は「え~!ゲーム~?他にないの~?」と眉間にしわ寄せたくなってしまったり(笑)
 子どものやる気を引き出して、チャレンジに向かわせるにはどうしたらいいのでしょうか?

子どもの興味関心を見て、チャレンジへの階段を踏ませる

私の娘でマイプロをやった話を以前書きましたが、その時、思えば「何かやりたいことある?」というワードを、娘に問うたことはありませんでした。ミュージカルを見に行く→やたら娘が駐車場で友達と踊り出す→「発表会したい」と言いだす→「じゃあやってみる?」と詳しく聞き出す、このようなステップで娘のマイプロジェクトは出来上がりました。面と向かって「何かやりたいことある?」と聞いたら、「わからない」と返されていたかもしれません。私たち大人だって、講演会などで「質問ある方いますか?」と聞かれて、とっさに質問が思い浮かばない事、ありませんか?上手に質問できる時って、必死にメモをとって聞いていた時です。何のとっかかりもない所から、何かを思いつくって実は難しいことなのです。

だから、大人の方で、子どもの興味がそそられそうなポイントに目星をつけ、子どもが自分のチャレンジのイメージが湧くところまでアシストしてあげると良いのです。まとめると、こんな感じです。

1.子どもの表情や普段の様子を見て、「これ好きそうだなぁ」と思う事を体験させてみる。(見せてみる、でもOK)

2.1の終了後「どうだった~?」「自分でもやってみたいと思った事あった~?」などと感想を聞いてみる。好感触だったら、「じゃあ、今度、●●してみる~?」など、さりげなく提案してみる。

3.2を少しずつ子どもの興味関心を元に繰り返し、子どもの気分を乗せながら、チャレンジの軌道に乗せる

また、身内でない他人からの誉め言葉に人間は弱いので、複数の親子で集って「プチ自慢大会」をするのも面白いかもね、というアイデアも柴田さんから頂きました。例えば「うちの太郎くんは、レゴブロックがこんなに上手なんです!」とお母さんが自慢したら、他の親たちが「おー!すごいー!じゃあ、もっともっと大きなロボットとか作れちゃうんじゃないー?」と、子どもをおだてる(笑)それで子どもが乗り気になれば、マイプロ一丁出来上がりです。また、子どもだけではなく、ここに大人のプチ自慢&べた褒めアクティビティも加える事で、「自分のやりたい事を口に出すって楽しい♪」という雰囲気をより作りやすくなるのではないか、との事でした。いやー、考えるだけで楽しそうですね(笑)

子どもの「やりたい」を引き出すのに、自分の発言が評価されない、安心安全な場づくりをすることの重要性を、やる気のない子に、やる気になってもらうには?の記事でも書きましたが、この大人も加わった「プチ自慢大会」は、その見本のようだな、と思いました。「ここでは、評価されないよ」と口で伝えるより、楽しそうにやりたい事言い放題な大人の背中の方が、100倍伝わるものはありますから。

ちなみに、「キミチャレ」も「マイプロジェクトU-15」も、子どもがエントリーシートを書いて応募してくる所からのスタートなので、上記のような子どもの「やりたい事」を生み出すサポートはしていません。各家庭でやって頂いて、子どもの気分が乗ってきたら、その先は「マイプロジェクトU-15」にホイっとバトンタッチして頂けたら(^^)
※全部自分の家庭でやる事の難しさは、こちらに書き記しています。

さあ、やりたいチャレンジは何となく出来ました。では、次回は計画をつくる段階のサポートの話を書きます。

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▶CAMPFIRE|変わりゆく未来をしなやかに生き抜くために、子どもたちに「挑戦」と「自分で決める」機会をつくる。「マイプロジェクトU-15」クラウドファンディング、無事目標金額達成いたしました。ご支援ありがとうございました。
https://camp-fire.jp/projects/view/77232

小学4年生〜中学生の子どもたちが、夏休みを使って、自分のやりたい事を計画、実行するプロジェクト『マイプロU-15』をやってます。いただいたサポートは、プロジェクトの実施に活用させていただきます。