見出し画像

多頭飼いしない?じゃああなたもラットさえいれば恋人も家族も友達も要らないんですね?


1) ずばり、多頭飼いしましょう


ラットの多頭飼いについてのお話です。
基本的にアメリカ、及びその他の英語圏では多頭飼いが推奨されており、多頭飼いしないことは動物虐待と見なされるほどです。

そもそも、ラットは自然の中で群れで生息する、非常に社交的な生き物として知られています。ペットとして自宅で飼育する場合にも、できるだけ彼らの自然の生態に近い形で飼うことが大切になってきます。

そんな大げさな、一匹で飼ったほうが懐くし一匹でも全然平気そうだし、なんていう意見も見ますが、それはそのねずみが飼い主以外の生命体に触れることができない環境の中、他に生きていく手段がないからかもしれません。

あなたのラットは、あなたと遊んでいる間は幸せそうに見えるかもしれません。でもあなたがいない間、あなたのラットは一人ぼっちで本当に平気なのでしょうか?
ラットは人間のようにまとまった睡眠を取りません。短い睡眠を昼夜問わず繰り返します。
夜あなたが寝てしまってから、または朝出かけてしまってから、ラットは何もすることがないのです。野生であれば仲間や家族と暮らし、土遊びをしたり、虫を追ったり、食料を集めたり巣を作ったりしながら1日を過ごします。もしあなたのラットが1日1時間部屋んぽさせてもらえるだけなのだとしたら、1日23時間ものあいだ、それらの何ひとつもできない隔離下に置かれ、ただただ狭いケージの中であなたが開けてくれるその時をひとりきりで待っているのです。
それは人間で言えば、何もすることがなく、誰とも関わることができないけれど、水とご飯だけは差し入れられる、最低限の整備のみが整っている独房の中にいるようなものです。あなたは、1日1時間ラットにさえ遊んでもらえれば、一生そこでひとりきりでも、幸せな人生を過ごすことができると言えるのでしょうか?

あなたのラットは、仲間にキスをして添い寝してもらったり、美味しい餌を分かち合ったり、喧嘩して仲直りしたり、たまたまあなたが閉め忘れたドアから脱走し一緒に大冒険をしたり、そんな思い出もないままに短い人生を終えるのです。それはとても悲しいことではないでしょうか。

あなたが家族と食事に出かけたり、週末を友達と楽しんだり、恋人の腕枕で眠りについたり、仕事仲間に悩みを相談したり、そういったことを人生の楽しみとしながら、家に帰ればラットがいるという生活を送っているのであれば、ラットにも、あなた以外のラット同士の日常を与えてあげるべきではないでしょうか。

私達は彼らといくら心を通わせても、所詮ラットサイズに縮んで一緒にハンモックの中で寝たり、毛繕いをし合ったり、おしっこのにおいから情報収集し理解してあげたり、おもちゃを追いかけ回したり、そんなことはしてあげられないのです。

時に、人間とラットは違う生き物なのだということを冷静に受け止め、少しだけ距離を置き、自分のためのぺットとしてではなく、その子自身の幸せを考えてあげることが一番大切です。

そうしてでもラットから自分への愛情が得られればいいというのは、とても身勝手な人間の考えに過ぎません。それはもはや、束縛が激しい恋人に他の人との関わりを断たされ、他に誰もいないからその恋人により一層依存していくような心理や、誘拐された人間が誘拐犯を好きだと錯覚していくストックホルム症候群に近いものがあると思います。
ラットの幸せな一生を考えた時、やはりラットには同じラットの仲間が必要となってくるのです。


2) 私の実体験


これは実は、私が犯した間違いのひとつでもあるのです。
最初の子、melを飼い始めた時(よかったらこちらの記事もお読みくださいね)私は多頭飼いの重要性を知らなかったのです。
melはとても変わった子で、ペットショップにいた時から他のラットに興味を示さない子だった上に、24時間ケージを解放し、完全な放し飼いをしていたので、まだ良かったのかもしれません。
それでもやっぱり仲間と余生を暮らして欲しいと、今いる三匹の子ねずみ達を迎えたのですが、結局melは彼女達と馴染むことはありませんでした。
melはそもそもとても怖がりで神経質な性格の上、大人になるまでひとりで暮らしてきてしまったので、他のラットに自分のスペースに入ってこられることがストレスになっているようでした。
私が寝ている彼女を撫でるためにケージに手を入れたりすると、パッと目覚め私の手に軽く噛み付く仕草をするようになり、それが子ねずみ達ではなく私だとわかると、何だ、という顔をして普通に戻る、ということがよくありました。melはとても大人しく、噛まれたりしたことは一度もありませんでしたし、そんな様子の彼女を見たことがありませんでした。子ねずみ達が来たことは彼女にとっては脅威となっていたのです。

結局、melと子ねずみ達は別々のケージで飼い、散歩の時間だけ少し一緒に遊ばせていました。
子ねずみ達はmelのことが大好きだったけれど、melは自分に彼女達のにおいが付くことを嫌がり、執拗に毛づくろいを繰り返し、子ねずみの毛づくろいに捕まってしまった時には目を瞑り、早く終わってくれという顔をしながら仕方なく毛づくろいをされ、終わるとそそくさと逃げ、自分から彼女達に近づくことはとうとう最後までありませんでした。
最初から仲間がいたら、melはもっと幸せだったかな、と後悔が残りました。

ラットの中には猫や犬など、他のペットとの友情を築いていたり、あなたが一人暮らしではなく、常に誰かが家にいてラットと遊んであげられる状態にある場合もあるかもしれません。でもやはり同種の仲間がいるに超したことはありません。

もしあなたが、今からラットを飼いたいと思っている、もしくは赤ちゃんラットを迎えたばかり、という場合には、すぐに仲間を迎えてあげることをお勧めします。
大きくなり、人間との不自然な環境に慣れてしまう前に、です。
動物に育てられた人間が、人間の社会に馴染むことが難しいように、ラットも一度人間としか関わらない生活に慣れてしまうと、元の自然な環境にすら適応できなくなってしまいます。


3) 相性のいいラットを仲間として迎え、共同生活させるには


まず、あなたのラットの性格を知ることがとても大切です。ねずみは非常に個性豊かで、キャラクターがはっきりしています。
あまりおてんばな子ばかりでは喧嘩が絶えなくなるかもしれないですし、一匹だけおとなしい子がいた場合にもいじめられてしまう場合があります。
個々の性格を見抜き、相性を考えてあげましょう。
一番いいのは、ペットショップやブリーダーからラットを買う時に、同じケージに既にいる子を数匹ピックアップすることだとされています。

もし後から仲間を増やすことを決めたのなら、通常、メスであれば何歳でも仲間を受け入れることができ、オスであれば、先にいるねずみよりも若い赤ちゃんを受け入れることが推奨されています。

また、大人(生後1年以上)のラットに仲間を与える場合、2匹以上を迎えることが推奨されています。そうすることにより、一対一になりお互いが孤立してしまうことを避けられます。

まずはケージは別々にし、それから少しずつ監視の元、一緒に遊ぶ時間を増やしていきましょう。
大抵の場合は数日から数週間で慣れますが、どうしても折り合いがつかないようだったらケージを別にしたまま、一緒に遊べる時間を設けるようにしましょう。

また、ケージは大きく余裕のあるものにし、ベットやハンモックはねずみの数より多くすることをお勧めします。そうすることでパーソナルスペースが取れるようになり、寝床や餌を巡っての喧嘩が起きにくくなります。

ケージの軽い掃除は毎日するべきですが、においが消えてしまうとねずみは自分の縄張りだというマーキングがなくなり非常に不安になってしまいますし、縄張りのために喧嘩が増えてしまいます。水拭きに留めるなどし、不用意ににおいを消さないようにしましょう。

ご飯をあげる時には平等にあげるようにします。
お皿にいくつかの種類の野菜やフルーツを載せてあげる際には、その中で一番人気になるであろうものを先に手渡しで平等に配ってから、直接お皿で食べさせると奪い合いが減ります。

我が家では投薬の際も、例え一匹だけが投薬中であっても、他の子達にも同じように薬抜きのものをあげるようにしています。
ラットからしたら、投薬はただのおやつという認識なので、一匹だけが貰っているのは不公平と感じてしまいます。

また喧嘩も、じゃれ合いから軽いやり合いまでは放っておきますが、本域の喧嘩が始まったなと思ったら仲裁に入ります。
片方のラットを他の場所に移してから遊ばせたり、おやつをあげたりして気を紛らわせ、喧嘩していたことを忘れさせるようにしています。
そうしないと引き離してもまた喧嘩をしに向かってしまうのです。
ねずみは喧嘩により爪を剥がしやすく、出血多量は命取りになるので、できるだけ怪我をさせないように気をつける必要があります。

こうやって、それぞれの子の性格と行動パターンをよく観察することで、我が家の子ねずみ達は喧嘩しながらも仲良く生活しています。


4) どうしても単独飼いせざるを得ない場合には


仲間が先に亡くなってしまい、今後ペットを飼い続けることはできないので新たな仲間を迎えられない等の理由で単独飼いせざるを得ない場合もあると思います。その場合はできるだけ遊んであげましょう。これに限ります。

ケージ自体をあなたから見える場所に置き、部屋にいる間はラットの様子がわかるようにしましょう。

ケージの中にいる間にも、小まめに様子を見に行ったり、指を入れ撫でてあげたりと、できることはたくさんあります。

もし眠っている時間が長かったり、自分からケージを出ようとしなくなったり、部屋んぽに出てきても何をするわけでもなくぼーっとしていたり、部屋の隅で眠るだけで遊ぼうとしない、等が見受けられたら、それはラットが非常に退屈し、鬱傾向にあるサインです。

新しいおもちゃや、食べ物、遊びなどを考え、できるだけラットが楽しめる環境を再構築してあげてください。

しかし、どうしても、絶対に仲間を増やせない、という理由がないのであれば、多頭飼いを強く強く推奨します!

是非、あなたのねずみにも幸せを分かち合う仲間を持たせてあげてくださいね。


これから詳しく色々なことを書いていこうと思いますので、よろしくお願いします、よかったらスキフォローもお願いします♡

この記事が参加している募集

我が家のペット自慢

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?