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漫画レビュー:ドラクエ好きが思わず反応してしまう名台詞を冠した『ゆうべはお楽しみでしたね』

※こちらの記事は、2020年10月10日に漫画メディア「東京マンガレビュアーズ」で公開されていたものを一部修正し再掲載しています。情報が古い場合がございますので、あらかじめご了承ください。

最近公開された映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の効果か、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(以下ドラクエ5)が現在、有料アプリランキングで1位になっています。

ドラクエ5ではサブタイトルの通り、花嫁を決めるイベントがあり、「ビアンカ派・フローラ派」論争として今なお熾烈な舌戦が繰り広げられております(リメイク版からは第三の花嫁・デボラも加わり、議論に一石を投じています)。

余談ですが、竹谷は5回プレイしており、実績はビアンカ2・フローラ2・デボラ1です。

さて、恋愛や結婚といった大人なイベントがゲーム内に盛り込まれているドラクエ5ですが、初代『ドラゴンクエスト』にも大人な台詞が出てきます。

姫を悪のドラゴンから救出し、王の元へお連れする前に宿屋に泊まると、翌朝になって店主からこう言われます。

「ゆうべは おたのしみでしたね。」

そしてその名台詞をそのままに、『ゆうべはお楽しみでしたね』というタイトルのすばらしい漫画があります。現在『NとS』や『ラララ』を連載されている金田一蓮十郎先生による作品です。

見知らぬ男女がルームシェア…。い、いったい何をお楽しみするのか…!

結論から述べると『ドラゴンクエストX』(以下ドラクエ10)です。

ドラクエ10は、ドラゴンクエストシリーズ初のオンラインゲームで、たくさんのプレイヤーがアストルティアという世界を歩き、救います。MMORPGと呼ばれるジャンルのゲームです。

そのドラクエ10で知り合って仲良くなったプレイヤー同士が、お互い性別を勘違いしたままルームシェアの話を進め、いざ会ってみたらなんと…!

というところから、ふたりのお話は始まります。

『ゆうべはお楽しみでしたね』(金田一蓮十郎/スクウェア・エニックス)1巻より引用

かたや引っ込み思案なオタク・さつきたくみ、ドラクエ10でのキャラクター名パウダー。かたやサバサバ系ネイリスト・おかもとみやこ、ドラクエ10でのキャラクター名ゴロー。

まったく正反対な2人ですが、ドラクエ10を一緒に楽しみながら、ドラクエを通じて互いを少しずつ知っていきます。

現実パートとゲームパートでストーリーは進んでいくのですが、作者の金田一蓮十郎先生が実際にドラクエ10をプレイされていることもあって、描写の随所にドラクエへの愛を感じます。ゲーム好きはおしなべて他者のゲーム愛の有無に敏感ですが、ドラクエが大好きな方ほどニッコリ頷ける内容となっています。

もちろん、まったくドラクエを知らない人が読んでも「ドラクエ10、面白そう!」と思うはずです。かくいう私も、『ゆうべはお楽しみでしたね』を読んでからドラクエ10を始めました。ものすごく面白いです。種族はプクリポというこぢんまりとした生き物で、職業は僧侶をしています。フレンドはまったくいません。

先日ドラマ化もされましたので、ドラマから入ってみるのも面白いかと思います(ゴローさんは実写でもマンガでも可愛すぎます)。

もちろん、ドラクエを抜きにしても、2人のルームシェア生活をちょっとニヤニヤしながら読める作品です。金田一蓮十郎先生の漫画は、どのキャラクターもかわいくて最高ですね!


お読みくださりありがとうございました!

2022年1月追記:
自宅に金田一蓮十郎先生著作漫画コーナーがあるくらい好きで、『ゆうべはお楽しみでしたね』も『ジャングルはいつもハレのちグゥ』も、『ライアー×ライアー』もどれも大好きなのですが、自分にとっての原点は『ニコイチ』だなあと先日思いました。にもかかわらず、『ニコイチ』のレビューは書いていないという…。書かねば。

▽株式会社ミリアッシュはイラスト制作会社です▽

▼岡山のeスポーツ会社DEPORTAR(デポルターレ)を設立しました▼

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