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「Geppo」の活用で、社員のメンタル・体調の変化を可視化!~MEの社員ケア体制~

MEグループでは、より働きがいのある職場づくりに向けて日々邁進しています。

その取り組みの一環として、2020年にはメカトロ事業部を対象に、パルスサーベイツールのGeppo(ゲッポウ)を導入。さらに2023年1月には、さらなるツールの活用とサポートの迅速化を目指し、システムの運用管理体制を再構築するプロジェクトも始動しました。

今回は、Geppoを活用した社員ケア体制の強化を推進してきた経営企画部のKさんに、プロジェクト始動の背景や、取り組みにかける思いを伺いました。

現場でのマネジメント経験を活かし、経営企画部へ


―—まずはKさんのこれまでのキャリアや、現在ご担当されている業務内容について教えてください。

私は大学で機械設計を学んだ後、新卒でMEに入社しました。入社後8年間はメカトロ事業部で自動車のエンジン関連部品の設計を担当。現在は、経営企画部でMEグループ全体の人材育成と社員ケアを担当しています。
特に力を入れているのは、メカトロ事業部を対象として導入済みのパルスサーベイツール「Geppo」の運用とケア体制の強化です。

―—もともと設計業務に携わっていたとのことですが、どのような経緯で経営企画部へご異動されたのでしょうか?

入社5年目の頃、設計業務に加えて営業担当の社員や部下のマネジメントも兼務するようになったんです。そのなかで、徐々に組織づくりや社員ケアの分野に興味を持つようになりました。独学で知識を得ながら、社員研修をはじめとする人材育成の仕組みづくりに取り組んでいたところ、経営企画部の部長から異動の提案をいただき、現在のポジションに就きました。

心身の健康状態をお天気マークで発信できるGeppoを導入


―—「Geppo」を活用した社員ケアの推進に力を入れているとのことでしたが、そもそもGeppoとはどのようなツールなのでしょうか?

Geppoは、社員のメンタルや体調の変化に関する情報をアンケートによって可視化するパルスサーベイツールです。現場で働く社員の方には毎月「業務内容・業務量」「職場の人間関係」「体調やメンタルの健康状態」に関する3つの簡単な質問に回答いただきます。

Geppoの実際の画面です!

回答の選択肢にはお天気マークが採用されていて、何も問題がない時は晴れマーク、すぐに助けが必要な状態の時は大雨のマークのように、直観的な回答ができるのが特徴です。

本当につらい時って、自分自身の状況を冷静に判断できなかったり、回答すること自体がしんどかったりするものですよね。しかしGeppoでは、スマホで今の気持ちに近いお天気マークを選んでタップするだけで、自身の心身の状況を発信できるんです。回答者の負担を最小限に抑えた設計だと思いますね。

―—確かに、文章や数字で回答するアンケートよりも手軽ですし、お天気マークであればイメージもしやすいですね。メカトロ事業部でGeppoの運用を開始した背景は?

顧客の職場に常駐しているエンジニアは、上司と顔を合わせる機会がどうしても少なくなります。そのため、ツールの導入以前は、上司に相談したいことがある場合に自身で何かしらのアクションを取る必要がありました。

また、コロナ禍によるリモートワークの推進によって私たちの働く環境は大きく変化しました。管理職のメンバーは、部下の悩みや抱えているストレスをタイムリーに把握することがより困難になってしまったんです。

心の健康状態が優れない状態でも、誰かに相談するハードルが高い状況下ではSOSサインを出しづらい。そうなると、社員がストレスを溜め込んでしまうリスクが高まります。このような状況を改善するため、自身の不調を手軽に共有する手段として導入したのがGeppoでした。

―—働く環境の変化が導入の後押しとなったのですね。ちなみに、Kさんがメカトロ事業部内でマネジメントに携わっていた際に、このようなサーベイツールの必要性を感じたことはありますか?

そうですね。幸いなことに私の部下は仕事のことやプライベートのことをよく私に相談してくれていたのですが、それでも相談しづらい内容はきっとあるはずなんです。

例えば、異動の希望はその代表例だと思います。その後の上司との関係性に影響が及ぶことへの懸念から、他部署への異動希望を直属の上司に伝えることに抵抗感を抱く人も少なくありません。そのため、少し距離の離れた上司や人事担当者に対して気軽にメッセージを発信する手段を保険として持っておくことは必要だと感じていました。

目指したのは、プロセスの効率化と回答への心理的安全性確保


―—2020年からすでに運用を開始していたGeppoですが、なぜ導入4年目のタイミングで運用体制の見直しに踏み切ったのでしょうか?

Geppoを3年間運用するなかで、システムの運用管理に関する課題も見えてきたんです。それまでは、一人一人の回答スコア分析と、優先的なケアが必要だと思われる事象の抽出に結構時間が掛かっていて。

このプロセスを効率化することで、本部スタッフの負荷を減らしながら、SOSサインを発信している社員への対応の迅速化を実現するのが体制再構築の狙いでした。

―—運用体制の再構築では、具体的にはどのようなことに取り組まれたのでしょうか?

運用体制の再構築にあたっては、3つの施策を実施しました。最初に取り組んだのは、情報を管理する本部スタッフのオペレーション確立です。この施策では、誰が何をやるのかという役割定義や運営体制の見直しを行いました。次に実施したのは、注意したいアラート条件の定義。社員からのSOSサインを即座に察知して対応に移すために、危険信号の定義付けを行いました。最後に、ケアが必要な社員への対応の進捗状況や、対応内容のチェック体制を構築しました。

この3つの施策によって、本部スタッフによる回答情報の吸い上げからケアに至るまでのプロセスの効率化と迅速化を目指しました。

―—Geppoの運用プロセスの見直しにあたっては、現状のシステムへの満足度に関する社員アンケートも実施されたそうですね。

はい。より良い形での運用を目指すには、実際に回答する現場社員の声を拾うことが欠かせませんでした。

アンケート調査では、「回答結果が直属の上司や先輩に共有されてしまうのではないか?」という不安から、率直な回答をためらう社員も多いことがわかりました。この結果からは、アンケート回答に対する心理的安全性の確保という課題も見えてきました。

そこで、データの取り扱いルールの開示と個人情報保護の徹底によって「情報漏洩が起こらない」という認知を社内に広め、アンケートへの信頼度向上を目指しました。

施策実施により、アンケートの回答率は上昇


―—新体制での運用は2023年9月に開始されたと伺っておりますが、体制見直し前と比べてどんな変化が見られましたか?

回答への心理的安全性確保に向けた活動を継続したこともあってか、アンケートへの回答率は以前よりも向上しました。

Geppoを通じて心身の状態や仕事への満足度を発信してくれる社員が増え、これまでは声を上げてこられなかった方々の情報を吸い上げられるようになったのは大きな変化の一つだと考えています。

ーーより社員の方が情報を発信しやすくなったのですね。データ分析と社員への対応を担当する本部スタッフの反応はいかがですか?

社員のアンケート回答率が向上したことで、これまでケアが行き届かなかった社員へのアプローチが可能になりました。また、すべてのデータの中から優先的に対応するべき社員を見つけ出し、ケアに移るまでの一連のプロセスが仕組み化されたことで、助けを必要としている社員に対して素早く対応できるようにもなりました。

こうした成果もあり、本部スタッフの皆さんはこの取り組みを好意的に受け取ってくださっています。

対応の質を高めるための取り組みも


—社員からのSOSを素早く察知し、迅速なケアを提供できるようになった今、Kさんの次なる目標は?

今後は一人一人へのケアの質をより向上させていきたいです。

現状、SOSサインが出ている社員に対しては、課長や本部スタッフが電話やメールを通じて詳しい状況のヒアリングを行い、必要に応じて面談の実施をご提案するようにしています。しかし、なかには電話やメールのコミュニケーションで、次に取るべきアクションの見極めが難しいケースもあります。そのため、初期判断を含めた対応の質を高めていく必要があると考えています。

―—電話やメールでのコミュニケーションが苦手な方の場合、正確な情報を伝えるのが難しいこともありますよね。具体的な打ち手としては、どのような手段が考えられるでしょうか?

担当者が一人で社員の対応にあたる一対一のケアではなく、チーム全体で対応できるよう、人の連携と情報の連携をより強化していきたいです。

そのほか、社員ケアにあたる課長・本部スタッフを対象としたフィードバック研修の開催準備も進めているところです。気持ちに落ち込みが見える社員を良い方向に引き上げるためのフィードバック方法や面談の進め方を身に付けていただくことで、対応の効果をより高めていければと考えています。

―—最後に、改めて今後の展望を教えてください。

社員の方が自らのスキルを最大限に発揮しながら活躍できるよう、今後も働きやすい環境づくりや人材育成に注力していきたいです。

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長期的に安心して働ける環境を作るためには、一人一人に目を向けながら適切なサポートを提供することが必要。Kさんの言葉からは、社員を想う熱い心が伝わってきました。

MEグループはこれからも、長期的に働きやすい職場環境づくりを追求し続けます。