第一発見者

推理ものにおいて、「第一発見者が怪しい」とはよく言われます。

第一発見者には、善意の発見報告と、犯人によるなりすましの2パターンに大きく分けて良いでしょう。
前者は特に問題にならないからいいとして、犯人がなりすましたときの事を考えてみましょうか。
基本的には死体の発見は遅れれば遅れるほど犯人に有利になるので(アリバイ範囲が広がり、アリバイのない人物が増えるので、相対的に犯人に対する疑いが薄まる)このデメリットを上回るメリットが無ければなりません。でなければ自らが発見報告をする必要はないわけですから。そんなものあるかな?となると結構難しい気はします。

といった事をツイッターで軽くお話したあとで、トリックなどによりアリバイを確保していれば、アリバイの範囲を狭めることに意味が生まれ、この場合に関してはメリットが生じているのではないか?と考えるに至りました。

逆方向から考えると、死体発見報告〜考察辺りの一連の流れで第一発見者の疑いが濃くなる進行であればあるほど、第一発見者は犯人足り得ないのではないかとも言えます。メタ推理が有りなら、こんな考え方もできると思います。

書き手からすると、特に連続で事件が起こる長編とかでは、第一発見者を誰にするかで疑われ位置をある程度コントロールすることができるとか、もっと言うと、特定の人物を第一発見者に続けることで、ミスリードを誘うこともできるかもしれませんね。