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『天使と悪魔』4つの暗号をネタバレ無しで…【ダン・ブラウン】

ダン・ブラウンさんの著作『天使と悪魔』はロバート・ラングドンシリーズの第1作です。

私の場合『天使と悪魔』は映画で見ていたので、内容はある程度分かっている状態で原作を読みました。

この記事では、ネタバレを最小限に抑えながら読書感想文を書こうかな…と考えています。
以下のような内容で書きますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

・4つの暗号と4人の枢機卿
・イルミナティダイヤモンド
・宗教と科学の争い
・波乱万丈すぎる司祭


あらすじ

あらすじは私が抜粋するよりも、Amazonの商品ページを利用した方が間違いなく分かりやすいと思います。

ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。それは16世紀に創設された科学者たちの秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった。紋章は男の死体の胸に焼き印として押されていたのだという。殺された男は、最近極秘のうちに反物質の大量生成に成功した科学者だった。反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持ち込まれていた──。

Amazon商品ページより出典

登場人物

登場人物なんですが、これについても通常通りWikipediaを利用した方が賢明ですよね。

ロバート・ラングドン:ハーバード大学教授、宗教象徴学専門
ヴィットリア・ヴェトラ:欧州原子核研究機構(セルン)の科学研究者。レオナルドの娘。
レオナルド・ヴェトラ:ヴィットリアの父親。科学者であると同時に司祭でもある。
マクシミリアン・コーラー:欧州原子核研究機構の所長。老齢で瞳が薄く濁り、6輪走行の特殊な車いすを使用する。
カルロ・ヴェントレスカ:前教皇侍従(カメルレンゴ)
モルターティ:枢機卿。コンクラーベの進行役 大選皇枢機卿。79歳と枢機卿の中では最も高齢。
オリヴェッティ:スイス衛兵隊 隊長
ロシェ:スイス衛兵隊副隊長、大尉
シャルトラン:スイス衛兵隊、少尉
ガンサー・グリック:BBC記者
チニータ・マクリ:BBCカメラマン
バッジア:プリフェリーティ(新教皇の最有力候補)の一人
ハサシン             

Wikipediaより出典

4つの暗号とイルミナティ・ダイヤモンド

『天使と悪魔』では、4つの暗号とそれに関わる4つの場所が登場します。さらにその場所に、4人の枢機卿も関わってくる。
これ以上書くと完全にネタバレになっちゃうので…やめておきます。

土(earth)

第1の暗号は「土」。これに関わる場所は…

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会(キージ礼拝堂

ラファエロが設計した礼拝堂ですが、ベルニーニが内装を担当。
かつては「土の礼拝堂」を言われていました。

空気(air)

第2の暗号は「空気」。これ関わる場所は…

サン・ピエトロ広場

サン・ピエトロ大聖堂はミケランジェロの設計ですが、サン・ピエトロ広場はベルニーニが手がけています。
広場には「西の風」と呼ばれるレリーフ(浮き彫り)があるんです。

火(fire)

第3の暗号は「火」。これ関わる場所は…

サンタ・マリア・デッラ・ビットリア教会

ベルニーニの彫刻「聖女テレサの法悦」が置かれています。
この彫刻はヴァチカンに置かれていたんですが、あからさまな性的表現がヴァチカンに相応しくないとして移転されたらしいです。

「聖女テレサの法悦」を見れば「火」に関わることが分かる気がします。

⇒「聖女テレサの法悦」をWikipediaで見る

水(water)

第4の暗号は「水」。これに関わる場所は…

ナボーナ広場

サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会の前にある広場。
ベルニーニの代表作のひとつ「四大河の噴水」があります。

「土」「空気」「火」「水」この4つの暗号のアンビグラム(逆方向からも読めるグラフィカルな文字)を融合させたのが

イルミナティ・ダイヤモンドです。

このアンビグラムの専門家がジョン・ラングドンさんで、『天使と悪魔』の主人公であるロバート・ラングドンのモデルと言われています。

争いの歴史だった宗教と科学

宗教と科学、この2つは太古の昔から相容れない間柄。多くの科学者が迫害を受けていました。

16世紀に入って物理学者や天文学学者が、イタリアで秘密裏に集まります。
ヴァチカンの教理について疑念を抱き、対策を協議しはじめたんです。

彼らは優れた頭脳を駆使して、科学の研究に一生を捧げます。
その活動がヴァチカンに睨まれた格好ですよね…

ガリレオ裁判にもつながってしまいます。

フリーメイソンの中に潜伏したイルミナティ

あなたはフリーメイソンって聞いたことがありますか?
多分、多くの人が一度は耳にしたことがあると思います。

フリーメイソンの起源については諸説あるのでここでは割愛しますが、もっとも早い説は1390年ころと言われているんです。
世界中に会員が存在していて、日本にも250人の会員がいるんだとか。

そのフリーメイソンに、消滅したとされる「イルミナティ」が潜伏した。
フリーメイソンの奥深くで存在し続けて活動している。

そんな都市伝説的な話を聞くことがあります。

で、ヴァチカンVSイルミナティの争いの物語にしたのが『天使と悪魔』
著者のダン・ブラウンさん、闇の組織に狙われたりしないんでしょうかね…

読者としては興味津々、そりゃあベストセラーになるでしょう。

波乱万丈な人生「カメルレンゴ」

『天使と悪魔』における最重要人物。といっても過言ではないでしょう。

このカメルレンゴ(Camerlengo)、はローマ教皇庁の役職です。なので登場人物の名前は「カルロ・ヴェントレスカ」

カルロは物語の中で、とても理解がありいい人。行動力もあり敬虔なカトリック。
ネタバレになるので書けない部分が多いですが、悲劇の男だったりもします。

カルロの人生は本当に波乱万丈。すべてを知ってしまい、どのような精神状態だったんでしょうか?
私なら精神が崩壊してしまうと思います。

自分が信じているものが崩れ去ったとき、人間はどうなるんでしょうか?
人生の根幹の部分が崩れ去るわけですから、考えるだけでも怖いです。

小説とは言え、「カルロ・ヴェントレスカ」に同情してしまいます。

『天使と悪魔』のまとめ

今回は『天使と悪魔』の読書感想文を書きました。

ネタバレ無しで感想を書くのは難しいですね。極力抑えたつもりではいます。
伝えたかったのは…

・4つの暗号と4人の枢機卿
・イルミナティダイヤモンド
・宗教と科学の争い
・波乱万丈すぎる司祭

4つの暗号とアンビグラム、そしてイルミナティ・ダイヤモンド。
とても難解で美しくもある。とても興味が湧きました。

そしてアンビグラムの専門家であるジョン・ラングドンさんが、ロバート・ラングドン教授のモデルだなんて…

ドラマティック過ぎやしませんか?

私はもう、ダン・ブラウンワールドから抜け出せません。(ちょっと時代遅れですけど…)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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