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まつしたゆうりさんの万葉週話155

和歌のおはなしが聞けてとてもたのしいまつしたゆうりさんのインスタライブ。

今日は「二上山」のおはなしがありまして。一昨年~去年は、奈良県桜井市に住んでいて、香芝駅のちかくの歯医者さんに通っていたので、「あのとき電車から眺めてた山に、そんな切なエモい歴史秘話ヒストリアがあったのか~!!」とテンションあがりました。

奈良県のまんなかあたりの地図

たったひとつの和歌(+その背景)を知るだけで、ホントに見える世界が変わってきますよね……。「実際にそういうことがあった」っていうのが本当にすごい。古の時代に、私が今見てるのと同じ山を、そんな思いで見つめながら、和歌をよんだ人がいたんだよなって。変わらず山は今なおそこにたたずんでいて。和歌が残っているからこそ、私たちはそれを知ることができて、ジーンと心震わせることができる。この時空を超えた邂逅が、ほんとうにもう、なんてすごいことなんだと。

あと、「馬酔木」のお話もあって。これってすごく切ないニュアンスが含まれているワードだったのですねそもそもが! もしかしたらかなりベーシックな知識かもしれないのですが、私は今日初めて知って。

あのね!! 『遙かなる時空の中で3』ってゲームに出てくる黒龍の神子・朔(CV.桑島法子さん)って子のキャラクターソングが

『馬酔木の花幻想』

っていうんですよ!!! 消えてしまった自分のパートナー・黒龍に対する切なる想いを歌った歌なんですよ!! わ~~!! 個人的にすごくうれしすぎる大発見でした。

和歌って(和歌に限らず文学とか芸術全般そうだと思うけど)そういう言葉に含まれている背景ニュアンスみたいなのがわかるとより味わい深くなるのあるじゃないですか~!! それがきました~!!(大興奮)

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私はふんわりと和歌のことが好きで。古語カッコイイ。すてき。みたいな感じで。『伊勢物語』などの歌物語を学生時代に好んで読んでました。あと、『うた恋い。』が大好きなので、この漫画で百人一首の歌についてはざっくりと意味とか背景を知ってるのですが、万葉集のうたはあまり知らないのですね。本を1冊読んだことあるくらい。

インスタライブ内で紹介される、万葉の時代のうたを聴いていると、ききなじみのないワードがいろいろ出てきて、それがとてもおもしろいです。なんていえばいいでしょう。古典の授業で習うような感じの言葉よりも、もっとまだぼこぼこしている感じがあるというか。愛らしいです。

編纂者の想いや立ち位置についても、「それな~!!」と思って聞いていました。『うた恋い。』に出てくる藤原定家が、まさにそんなふうに描かれていて。

例えばーー百人一首にはこんな逸話がある。
百人一首の厳撰本ともいわれる『百人秀歌』には、中宮定子の辞世の句が採られているのだ。後年の定子の心細さを秘めた悲しい和歌ーー定家は百人一首にはこの和歌を入れなかった。
「定子の笑顔だけを後世に伝えたい」
清少納言のそんな願いをはたして定家が汲み取ったか。ーーいずれにせよ、歌集として現在最も世に知られる百人一首に定子の和歌が入らなかったことにより「中宮定子」と聞いて我々が真っ先に思い浮かべる姿は、『枕草子』の定子になった。
その姿はーー時をこえ微笑んでいる。

杉田 圭『超訳百人一首 うた恋い。3』146-147頁
杉田 圭『超訳百人一首 うた恋い。3』146-147頁

NHKの歴史番組『英雄たちの選択』の「百人一首〜藤原定家 三十一文字の革命〜」の回からも、編纂にまつわるあれやこれや、しがらみやら葛藤やら、そういうの色々知ることができて。本当にもう、すべてのものにドラマがある~!! そんなドラマの積み重ねの果てに俺たちは今ここで生きている~!! うお~~!!! エモい。

三谷幸喜さんの『新選組!』が私にとって永遠の作品なのですが、そのスピンオフ作品で土方歳三が五稜郭の作戦(後ろから奇襲かける的なやつだった)を伝えるときに「鵯越の逆落としだ!」って言ったのとか、『鎌倉殿の13人』の最終話で松本潤さん扮する徳川家康が『吾妻鏡』を読んでいるとか、そういう!! 彼らにとっても、それは歴史!! っていう。

そんなかんじでとてもエキサイティングに過ごしておりました。これからも楽しみにしております。天上の虹と銀河英雄伝説を履修しなければとおもいました🔥

あふれでる和歌への想いは別記事にしたためてみました。


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