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マラカイボ / Maracaibo

デザイナー:Alexander Pfister
アートワーク:Fiore GmbH, Aline Kirrmann
出版社:Game's Up, Tendays Games
プレイ時間:30~120分
プレイ人数:1~4人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

船団を率いる船長として、カリブ海とかなんかその辺を舞台に、争いを続けるヨーロッパ諸国に加担したり、交易したり、探検したりするゲームです。ゲームの骨子はダイスを使わないすごろく

このゲームはキャンペーンモードがあるわけですが、こちらは遊んでないので割愛します。

プレイヤーは、それぞれ船を持っていて、カリブ海沿岸の都市や村に立ち寄り、その場所に示されたアクションを実行していきます。

矢印の向きに船を進めていく。誰かが一周したらラウンド終了で全員スタート地点に強制移動。

誰かが1周したら、1手番の猶予の後に決算が行われ、全ての船がスタートラインに戻って、ラウンドが終了します。これを4ラウンド繰り返してゲーム終了です。

さらにプレイヤーは手札と個人ボード、目標カードを持っています。手札はプレイする事で様々な効果を生み出しますが、それ以外にもコストの支払いなんかにも使います

カードの下がプレイ時の効果。左に小さく描いてあるのが、納品と目標タイルのコスト用資源。

個人ボードには、色んなところに2つずつ茶色のコマが積まれています。これは2つとも取り除くことで様々な効果をアンロックできます。手札上限が増えたり、アクションの内容が増えたり、即時でお金や勝利点が貰えたりとか色々。

個人ボード。茶色コマを取り除くことで様々な能力が開放されていく。一番下は達成した目標タイル置場。

ゲームが始まり、各プレイヤーに手番が来ると最初に船を1~7歩動かします。範囲の中なら好きなだけ動かしてOK。船が泊まった場所によってできることが変わります。

都市にはタイルが置かれている。手札を支払って納品するのと、描かれているアクションが行える。

まずは街。街では『納品』を行います。街タイルの左側に描かれたコストを持つカードを捨てる事で納品完了個人ボードの茶色コマを1つ街タイルに置く事が可能です。茶色コマが一度置かれると、ラウンドが終わるまで取り除かれないため、同じ納品を他のプレイヤーが行うことはできません。

そして、もう1つはタイルの右側に描かれているアクションが行えます。資源や戦力を貰ったり探検隊を移動させたり、アクションの内容は様々。

探検家はメインボードの下部にいて、街アクションなどで移動していきます。移動する際は他のプレイヤーがいるマスはスキップとなります。アクションなどで指示された歩数以内なら何マス進んでもOKで、止まったマスにあるボーナスを受けとる事ができます。さらに、途中にボーダーラインがあり、そこを早く越えると勝利点が貰えます。

探検家の止まるマスには、ボーナスの内容に明らかに良し悪しがある。

あと、特徴的な街アクションに戦争があります。直接、他のプレイヤーとやりあうわけではなく、戦争タイルを引いて、フランス、イングランド、スペインのいずれかの勢力に味方します。戦争タイルにはそれぞれの国の戦力が示されており、その戦力を使ってアクションを行います。

戦争タイルには各国の戦力が示されている。個人ボードの戦力を追加してもOK。

戦力を使ってできるのは、味方した国の影響力の獲得や、街に対してその国の支配コマを置けたりします。どちらもゲーム終了時の勝利点に大きく関わります。支配コマは街に置くことでお金や勝利点が貰えます。余分に戦力を使えば、既に他の国に支配されてても退かすことができます。

各国の影響力トラック。支配コマが少ないほど素点が上がり、影響力が高いほど、倍率が上がる。

次に村に泊まった場合。村は小さな円のマスで、街のようにアクションタイルが置かれていません。村では決められたアクションの中から選んで実行します。船の移動距離が長いほど、アクションの回数が増えます

《マラカイボの村アクション(初期)》
・カードの購入。
・1金貰う。
・手札を全捨てして2金貰う。

村アクションは船を進めたマス数に応じて実行できる回数が決められており、7マス移動して村に到着した時は3回まで上にある村アクションが行えます。個人ボードを改良する事で、上位互換のような村アクションが打てたり、アクション回数が増えるマス数が減ったりしますが、ゲーム開始時点ではこんな感じ。

お金を貰うアクションはそのまんまなのですが、重要なのは『カードの購入』。これは手札からコストとしてお金やワーカーを払ってカードをプレイする事を意味しています。カードをプレイすると、カードの下の方に描いてある効果を受け取る事ができます。

赤は永続効果、青は助手アクション、緑は収入、ベージュは即時効果と言った具合で色で判断できる。

カードの効果にはいくつか種類があり、即座に効果が発動するもの、決算時に収入をもたらすもの、特定のマスに行くと発動するもの、永続効果をもたらすものなどがあります。各効果はそれぞれバナーの色で識別する事ができます。

街や村には目標タイルが置かれている場所もあります。そこで泊まったら街や村アクションを行う代わりに、手札からコストを支払って目標タイルを獲得する事も可能です。目標タイルはたくさん集めると点数にもなります。

ゲーム開始前に、1枚選ぶ小目標みたいなカード。
全部達成すると提督になれる。

街や村で出来ることとして、その他に助手アクションがあります。これは下準備として、手札から青バナーのカードをプレイします。そうすると、特定の街や村に助手が配置され、そのマスに船が泊まると街や村アクションの代わりに、そのカードに描かれた助手アクションが実行可能となります。

9番の村にいるのが助手。ここにそのプレイヤーの船が停泊すると、助手アクションが打てる。

いずれかのプレイヤーが1周すると、他のプレイヤーは1手番ずつ猶予があり、その後最初に1周したプレイヤーに得点が入り、ラウンドが終了します。ラウンドが終わると、街の納品から茶色コマが取り除かれたりして、全ての船がスタート地点に強制的に集められます。

■遊んだ感想

強制集合に怯えながら進んでいくダイスのないすごろく。

好きなように進めるけど、戻ることはできないすごろく的なゲームなのですが、誰かが1周したら全員がスタートラインに戻されてしまうところが特徴的なゲームだと感じました。

1ラウンドの手番数が他のプレイヤーに依存してしまうため、常に「後、何手番あるのか?」を意識しながら、取捨選択していく事になります。この取捨選択の判断と突然やってくるラウンドの終了による盛り上がりが、とても面白いです。

インタラクションは決して強くはありませんが、早取りの納品や探検家コマによる美味しいマスの取り合いなどで、適度に絡みがあります。また、どの国を応援するかで擬似的にプレイヤー間で協力する事もあります。

やれることはたくさんあり、情報量の多いゲームですが、遊んでみると比較的すんなりと遊べる印象です。GWTにしろマラカイボにしろ、フィスターはこの手のダイスを使わないすごろくのデザインが上手いなと思いました。


ルールの複雑さ  :★★★★★★★☆☆☆
駆け引き     :★★★★★★☆☆☆☆
運の要素     :★★★★☆☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★★☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★★☆☆

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