「わかってる」のにできない人

私は「わかってる」のに、行動に移せない人である。

でもそれは、どんなときでも、ではなく、自分の好きな人に対する言動、行動の時だ。どちらかといえば、普段は有言実行。分かって、こうするべきだと思えば、即行動。わからなくても、聞いてみる、やってみる、というのが私のはずであった。


いかにして、その人に気を持ってもらえるか。

いかにして、その人を次誘うか。

その人は、私が何をいうのを待っているのか。

その人に、これからも好きでい続けていいのか。


「わかってる」。

どうすればいいのか、このまま好きでいて自分のためになるのか。

でも私はできないでいる。

好きな人と向き合うと私は無力で、頭の回転も更に悪くなって、心の余裕もなくなっていく。それも私であるが、普段の私とはかなり違う。「わかってる」のにできなくなる。


この「わかってる」のにできないというのは、「わかってない」からできないのよりかなりタチが悪いと思っている。

なぜなら、「わかってない」ならどうすればいいのか、周りが教えることができるし、そして理解すればすぐに行動に起こせる人が多いだろう。だって、「わかってなかった」、「知らなかった」だけなのだから。


一方、私のように「わかってる」のにできないのは、周りはどうすることもできない。解決を策は持っているのだから、あとは本人次第。

周りが掛ける言葉もない。


だから私は愚痴ることができない。わかってるから悩み相談にはならない。ゴールの見えている愚痴は非常につまらないだろう。おしゃべり好きアドバイザーも言葉を止めるだろう。


なぜできないのかも、だいたい検討はついている。

細かい分析はなしとして、答えは一つ。

その人のことが好きだからだ。


それを言えば、傍観者はいくらでも声を出す。

幸せになれないよ。

持っと違う誘い方をすればいいんじゃない?

押してだめなら、引いてみたら?

みたいな感じで。


知ってるんだ。

解決策は。

一番てっとりばやい方法も。


人を好きになるって大変だ。

できることができなくなる。


今回だけの悩みではない。

いままでも、きっとこれからも、好きな人ができる度に悩まされる。

それを楽しめるうちは、素敵な恋だと思える。

でもそれが無駄だと感じた瞬間から、その恋は惰性に変わるのかもしれない。

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