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進む黒字リストラと背後に迫るAI

 黒字リストラ、この言葉を聞いて「冷やっ!」とした人も居るのではないでしょうか。普通、リストラと言えば、経営が困難で様々な経費削減を検討しても経営難に陥ってしまった時に赤字リストラを行いますが、今現在、経営的に支障が生じていなくても、将来的コストを予想した結果「人員を削減しよう」という動きが黒字リストラです。 
 2019年には9000人以上の黒字リストラ対象者が出てしまったそうです。主にリストラ対象者は45歳以上の人だと言われていますが、能力を上手く発揮出来ず会社に不利益を与えてしまうような人材であると、年齢問わずリストラ組の枠に入れられてしまう場合も十分考えられます。
 私が思うに令和の時代は、年功序列制度が完全に崩壊し、完全実力主義の社会になるのではないのかと思っています。

 そして、この黒字リストラに直結している原因がAIの導入なのです。ほんの10年前は「AI?あっ、ゲームでよく使われているCPUのことね」程度にしか捉えていなかったでしょう。ロボットが人間の変わりに仕事をしてくれる時代が来ると言ったら「そんなぁ~SF映画じゃあるまいし、ロボットに人間の仕事は務まりません。(笑)」と笑われていたでしょう。
 しかし、令和に入った今ではロボットが将来、人間に変わって仕事をしている様子を想像出来るのではないでしょうか。SFの世界が残り10年そこらで現実されようとしているのです。
 そして、今現在進行形でAI導入に向けての人員削減が始まりました。私の予想ではありますが、この黒字リストラは序章に過ぎないと思っています。さらに5年後、10年後のリストラの規模は拡大し、現在存在している会社の半分程が無くなっていると、私は予想します。
 会社の寿命も年々早まっていて、おおよそ会社の寿命は30年程と言われていますが、その数字が更に加速して20年、10年となって行く時代です。このような時代であるのに対して、昭和世代の一生雇用してもらえる会社を捜し、「採用してもらった会社に一生しがみつこう」という考えそのものが時代に適用出来ていない訳です。終身雇用が難しくなると言われてはいますが、「まだそのような時代は来ないだろう」と、何となくでは分かってはいるものの、実感がない為に思考停止した状態で現状に留まっている人も多いと思います。
 しかし、現実では驚く早さで変化していますし、リストラもリアルに行われています。「明日は我が身」と、深刻に受け止め、考える思考を再び動かす事が出来れば、その時があなたの人生のターニングポイントであり、人生のチャンスに巡り会えるかも知れません。
 あなたはこのような話を知っていますか?「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」このように語っていたのは、米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏です。
 2011年に小学校に入学した子供は、2020年2月現在では中学三年生です。その2ヶ月後には高校生になる年代になります。キャシー・デビッドソン氏が語った年代の子供たちは、後7年で社会人になります。つまり、2027年、令和9年には65%の子供たちの新たな仕事が生まれている計算になります。 そう言われると今現在でも、10年前は存在していなかった職業ってありますよね。例えばYouTuber、インスタグラマー、プロゲーマーなど従来は存在していなかった職業が既に存在しています。
 しかし、これらの新しい職業はほんの一部に過ぎません。半分以上の子供たちが新職に付く予想だと7年後には、時代背景に適した職業や今現在ではお金にならない事が、時代の変化と共に「新しい職業」として誕生する可能性は非常に高いです。
 これからの人間に求められる能力は、「言われた事を適切にこなせる能力」ではなく「自分で思い描いた事を形にする能力」が求められて来ます。つまり、クリエイティブな能力が必要な時代なのです。
 私達の世代は、「1+1=2」と教わって教育をされて来ました。つまり、問題から一つの答えしか求めさせない教育で育って来たのです。
 しかし、人の考え方には複数の答えがあります。つまり、「2=」で考えるようにしなければいけないのです。「2=」であれば「1+1」、「3-1」、「100000000×0+2」などいくつもの答えがある訳です。
 このような考え方こそが令和時代の考え方であり、令和式の教育法なのではないかと私は思います。

 時代は既にAIが握っています。「AIに仕事が奪われる」そのようなことは時代の進化の過程では当然のことなのです。これまで絶滅しなかった動物は環境の変化に対応出来た動物であるのと同じで、AIの時代に対応出来る人間にならなければ、生きて行く上では苦痛になるでしょう。