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ベーシックインカムと希望的観測

人が必ずしも働く必要がない。
そんな時代がいつか来るんじゃないかと思っている。


失業率という言葉があって、働いていない人がいることがいけない、という考えが当然のように蔓延している。それをできる限りなくすために、日本では非正規雇用を増やし、失業率を低下させてきたわけだ。

テクノロジーの発展によって、今まで必要としていたマンパワー、労働力の絶対値が減ってきている。世の中を円滑に回すために必要な労働力が減少してきていると私は感じている。

ベーシックインカム

最近、ベーシックインカムという言葉を聞くことが多くなったように思う。
ベーシックインカムと類似した政策が初めて提唱されたのは18世紀末にイングランドの哲学者トマス=ペインによるものだと言われていて、単純な賃金補助制度の歴史は1597年のイギリスにおける救貧法まで遡る必要がある。
少なくとも400年前から存在している賃金補助制度が今、改めて日の目を浴びるようになった背景にはテクノロジーの進歩により、必要な労働人口が特に先進国では減少しているからだと考えることができないだろうかと思っている。

日本の高度経済成長期、実際に働いていた人々の考えの中には「今頑張って仕事をし、将来的に人間が働く必要のないほど豊かな国を作る」というものがあった。
といった話を以前耳にしたことがある。
当然、人が必ずしなければならない、人がすることによって価値が出る労働も存在し、そもそも働くことが好きであるという人もいるわけなので、必ずしも働く必要がなくなったとしても働きたい人は働いて、働きたくない人は国による補助、ベーシックインカムによる収入のみで暮らす。または少しだけでも裕福な暮らしができるようにつき数十時間だけ労働するなど、生きていくために必ずしも働かないといけないという考えを壊し、新しい価値感をそれぞれが生み出す時代がやってくるのではないだろうか。


先進国だった国

現時点でそれがなんの問題もなく進められるかというと当然そうではない。まだある程度の労働力が必要だし、労働の機械化をもっと進める必要があるだろう。それに加え、「生活するために働かなくてはならない」という考えによって今まで得ていた利益がなくなってしまう人たちは、最初のうちはかなり反発するだろうとも考えられる。

ただ、私としては「日本は先進国ではなくなった」と言われることすらある現状を打破するべく、これからの豊かな人々の暮らしを先陣切って示していくことができれば、まさしくそれは先進国と呼ぶにふさわしい国になるのではないだろうかと考えている。
(そう呼ばれることにそもそも意味があるのか、と考えることもできるがそれは置いておくことにする。)

それらのことが勧められれば、今までの資本主義の常識もどんどん崩れていくだろう。生活をするために働くのではなく、幸せな人生を築くために好きなことをする。労働がその一部でしか無くなる。

その結果として、最低限以上の暮らしを保障するためのお金が支給され、少しでも豊かな暮らしをすることを幸せだとする者、働かず最低限の暮らしをし、多くの時間を読書に費やし、映画を見て暮らす。それを幸せだと感じる者。幸せが多様化し、それはすなわち資本主義からの解放だと私は考えている。
(働かず再停電の暮らしをするものが、本や映画なんてと思う人もいるかもしれないが、今や月1000円いくら払えば、死ぬまでに読みきれないほどの本が読め、すべて見ることが不可能な数の映画が観れる。)


希望的観測

金銭による豊かさの比較が常に行われており、それがほとんどの場合で一番大きな問題であると考えられている資本主義、その比較が幸福度と連結しているという考えを持つ人を作り出すこのシステムから、少しづつ離れ、本当の意味で人がそれぞれの考えに基づいて幸福を定義できる未来を、テクノロジーの発展により作ることが可能であると。その土台を日本が率先して作り出し、世界に示していける国になれば良いなと私は思っている。

先ほども少し述べたように、当然そこにたどり着くまでにたくさんの問題にぶつかるだろうが、今までもたくさんの問題にぶつかり、解決して進んできたのであれば、これからもそれができるはずで、国民と政治が一体となり、それを勧めていかないといけないのではないだろうか。


それらの考えの上でもう1つ考えたいのが、先ほどの必要な労働力の減少と、それに伴い失業率という言葉、考えは意味がなくなりつつあるという話の中で、私自身は完全に意味がないと思っているのだけど、それに対しての最低限の補償という部分でどうしてもカバーしきれていないのではないかという問題が現状でも存在する。
生活保護制度が日本には存在するものの、それらを受けたくても受けられない人がいて、中にはプライドが邪魔をして受ける権利があるにも関わらず拒む人も存在する。

前者については特にしっかりと考え、早急に解決しなけらばならないのだが、ベーシックインカムのような補助制度が簡単に施行されるのははっきりと言ってあり得ない。
少なくとも数十年はかかるだろう。

色々な団体がその問題を改善しようと行動を続けているが、やはり全ての人にその手が行き渡るわけでもなければ、具体的な解決策が政府から出されるわけでもない。
私自身も解決策を持ち合わせていない。
ここからは綺麗事になってしまうのだけれど、現時点で言えることは、たくさんの人がお互いを助け合い社会が良くなると、個人単位で私が社会を良くすると考え行動を起こし、その時が来るまで動き続ける。それしか無い。

景気が悪くなると犯罪が増える。というデータがあるが、そうなる前に「人が人を助け、助けられ、面倒をかけてもいいんだ、お互い様だ」という思考を持ち、その考えのもと踏みとどまり、犯罪を抑制する。

そういう人が増えて、世の中をよくするんだという人が増え、たくさんの人が行動する。
かなりの綺麗事だけれど、そんな世の中を作った先に、幸せを各々がそれぞれの価値観に基づき決める時代がやってくると私は信じている。

それまで、できることをやろう。安心して子供を産める、育てられる。みんなが笑って暮らせる未来を作るために。

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