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札幌銭湯スタンプラリー2023のこと(その11・伏見温泉)

札幌銭湯スタンプラリー2023、11軒目は伏見温泉さんへ。

はじめましての湯だ。

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スタンプラリー参加店舗のうち、開始時点で未踏の銭湯は9軒だった。

ここまで10個のスタンプを手に入れているが、このうち未踏銭湯のものは1つのみだ。

意識していたわけではないのだが、未踏銭湯を明らかに避けている。超自我が、見たことのない湯を遠ざけている。

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新しい場所は少なからず緊張する。「銭湯でも?」と笑われるかもしれないが、銭湯でもだ。

自身の悲しい性質が露わになった。

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「嫌な仕事は先送り」とは私のキャッチフレーズである。もしアイドルになったら

私「嫌な仕事は〜?」
ファン「先送りー!」
私「仕事のふりしてソリティア三昧!水風呂のボーイズ・ライフです!」

という自己紹介をしようと思っている。

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いつだったか職場に何とかコンサルタントみたいな、いけ好かない奴が来て無理やり話を聞かされた。タスクを如何に処理していくか、みたいな話だった。

彼曰く「タスクは重要性と緊急性のマトリックスで考えなさい」とのこと。
つまり「重要かつ緊急を要するタスク」は最優先にし「重要でなく緊急でもないタスク」は後回しにしなさいということだ。

…当たり前すぎる。「おばけは怖い」くらい当たり前だ。
したり顔で当たり前のことを話す、何とかコンサルタントにフライングニールキックを叩き込むことが重要かつ緊急のタスクと思われたが、大人なのでナックルパートに留めた。

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この何とかコンサルタントのさらに愚かなところは「重要性」「緊急性」と2つの軸のみで考えているところだ。
やる気、テンション、前日の酒量など、主体たる個人の要素を全く無視している。

重要かつ緊急の仕事だけど、テンションが上がらないのでやらない。

重要かつ緊急の仕事だけど、昨日の酒が残っているのでやらない。

そんなことがあったってよい。健やかに生きるためには、自分を大切にすることが一番重要だ。
なので、未踏銭湯を先送りにしている私はとてつもなく人間らしいし、肯定してよい。

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…いや、やっぱよくない。そもそも銭湯は仕事でもタスクでもないからだ。好きで始めたスタンプラリーで何を言っているのだ。

猛省しつつ、未踏の伏見温泉へ。少々の緊張感とともに番台へスタンプ用紙を差し出した。

11個目〜。

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伏見温泉は凡庸で、故に最高の銭湯だった。何を緊張していたのか。

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少なくとも私にとって、全ての銭湯は価値ある存在だ。
番台だろうがフロントだろうが、サウナがあろうがなかろうが、シャワーが固定式だろうがホース式だろうが、全て尊い。

銭湯も全ての人間を価値ある存在として扱ってくれる。
初めてだろうが1万回目だろうが、金持ちだろうが貧乏だろうが、ポケビ派だろうがブラビ派だろうが、全て尊い存在として扱ってくれる。

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帰りにはハイボールを買ってきた。ストックの焼酎もたっぷりある。

明日、重要で緊急の仕事があるけど、伏見温泉が素敵すぎたので後回しにしちゃうくらい飲もうと思う。

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