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無職最終日の夜

今日で、6ヶ月と2週間の無職生活が終わった。
明日からフルタイムバイトのフリーター生活が始まる。
退職前は、「仕事を辞めたら海外旅行やイベント、フェスも行き放題だ!」と意気込んでいたが、退職時期とコロナ禍が見事に被り、どこにも行けず今に至る。

でも、何もなかったわけじゃない。わたしにとってとても有益な半年強だった。
なぜなら、20年以上住んだこの街を離れる決意ができたから。
これは、仕事を辞めていなかったらきっと、少しも思いつかないような考えだっただろう。

ある日の夜中。
なんとなく思い立って、県外までの引っ越しの見積もりを出した。思っていた金額の三分の一だと知り、『そんな金額で出れてしまうのか』と思った。
その後いろんなことを考えているうちに、「地元を離れるには今しかないんじゃないか?」という考えに行き着いた。その日は考えが巡り巡って、深夜3時まで眠れなかった。

そのことを友達に話すと「今しかないよ!」と背中を押してもらえた。母親にも「楽しみだね」といってもらえた。とても嬉しかった。
そして、彼氏にも話した。最初はかなり驚いてるようだった。
それもそのはず、「地元を出たい」と常々言っていたのは彼の方で、わたしはそれに「その時はわたしも連れていってね」と返していたから。
なのに、突然「わたしは出て行くけど、あなたはどうする?」なんて聞かされたんだから、本当にびっくりしたと思う。申し訳ない。
彼には一週間ほどゆっくり考えてもらった結果、一緒に来てくれることになった。

突然決まったことではあるが、それでもまだ引っ越しまでは数ヶ月ある。
引っ越しだけでもお金がかかるのに、同棲ともなれば家電を買い替えたり、初期費用がなんだと、とにかくお金がかかる。
無職生活中、失業保険でなんとか生活できていたが、今月でちょうど満期を迎えた。正真正銘の無収入無職になってしまったわたしは、慌ててバイトを探し始めた。

フルタイム希望のフリーターということもあり、バイト先は案外あっさり決まった。研修開始は明日から。
つまり、今日が記念すべき「無職最終日」というわけである。

今日は、朝9時前に目が覚めた。昨日寝る前にわざと開けておいたカーテンから、強烈な朝日が差し込んでいる。いい加減、生活リズムも無職モードから切り替えないと。あまり自信がない。

お昼ご飯はサンドイッチを作ろうと昨日から決めていた。ひとりで食べるのも寂しいので、母親と一緒に食べた。
帰宅して、西日の差す部屋のなか、掃除機をかけ、さらにクイックルワイパーもかけた。
夜ご飯はひとりで白米と味噌汁と漬物を食べた。いつも放置する洗い物も今日は珍しくすぐ洗った。

無職最終日、特に変わったこともなかったけど、良い日だった。
ただ心配なのは、明日からのバイト先の大学生たちとだいぶ歳が離れてるので、馴染めなかったらどうしようってこと。
あと、早起き。すっかり怠けきった生活リズムのまま、フリーター生活に突入してしまう。初日からいきなり寝坊したらと思うと…笑えない。
今夜は早く寝ようと思う。

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